臭いが取れないときはエアコンを掃除
エアコンを掃除することは、臭いを取り除くだけでなく、臭いの発生を防ぐことにもつながります。エアコンを快適に使い続けるためにも、ホコリや汚れがたまらないように、定期的な掃除を心掛けましょう。
フィルターの掃除
エアコンのフィルターは、空気中のホコリがエアコン内部に入るのを防ぐためにあります。そのため、フィルターにはホコリがびっしり付いていることも珍しくありません。
フィルターをそのまま取り外すとホコリが舞ってしまうため、取り外す前に表面のホコリを掃除機で除去します。ある程度ホコリがなくなったらフィルターを外して、再度掃除機をかけましょう。
掃除機はフィルターの外側からかけるとスムーズです。ホコリはフィルターの外側に付着しているため、内側から掃除機をかけるとホコリが目詰まりして、取れにくくなってしまいます。
あとは水洗いをして、陰干しします。湿っているとカビが繁殖しやすくなるため、しっかり乾かしてからエアコンに取り付けるのが肝心です。
吹き出し口の掃除
風の吹き出し口とルーバーを掃除する際は、必ずコンセントを外しましょう。ルーバーとは、風向きを調整する羽のことです。黒い斑点のような汚れが付いているときは、カビが発生している恐れがあります。
電源を切った状態ではルーバーは閉じたままですが、エアコンの機種によっては手でやさしく動かして開けることが可能です。ルーバーも吹き出し口も雑巾で水拭きします。
手が入らない部分はすきま用のクリーナーを使うか、割りばしなどにウエスなどを巻き付けたもので拭き取るとよいでしょう。水拭きをしたあとは送風モードで1時間程度運転して、しっかり乾燥させます。
掃除の目安は月に1回程度
カビによる臭いの発生を防ぐためにも、定期的な掃除が欠かせません。特にフィルターはホコリがたまりやすいため、月1回を目安に手入れしましょう。
フィルターがホコリで目詰まりしていると、カビが繁殖するだけでなく、冷暖房の効率が悪くなって電気代が高くなることも心配です。
フィルターの掃除は、水漏れのリスクを下げることにもつながります。冷房の効きが悪いと必要以上に設定温度を下げてしまい、エアコンの内部にある熱交換器が結露してしまうからです。
エアコンのフィンは洗浄スプレーを使う
エアコンのフィンを掃除する際には、洗浄スプレーが便利です。フィンとは、エアコンのフィルターの奥にある金属部分を指します。熱を交換して空気の温度を変えるという重要な役割があるため、定期的な手入れが必要です。
準備と掃除方法
エアコンの洗浄スプレーを使用すると洗浄液が下に垂れる場合があるため、ビニールシートなどを床に敷いてから掃除を始めます。洗浄スプレーがかかりそうな壁・カーテン・家具などもビニールなどで養生しておくと、より安心です。
洗浄スプレーの中には臭いが強いものもあるので、掃除中は換気扇を回しておきましょう。掃除中にエアコンが作動しないように、電源を切りコンセントを抜いておくことも大切です。
あとはフィンに洗浄スプレーを直接噴射して、10~15分放置します。洗浄スプレーはフィンから5cm程度離して噴射し、1回の掃除で1本使い切るのがポイントです。
事前にデメリットも確認
エアコンのフィンは洗浄スプレーで簡単に掃除できますが、スプレーする場所を間違えると火災や故障などトラブルの原因になります。エアコンは電圧が高いため、フィン以外の場所にスプレーすると火事にならないとも限りません。
エアコンを動かすための重要な機械が詰まっている『電装部分』に洗浄スプレーがかかって、故障する事例もあります。スプレーがかからないように、電装部分も忘れずにビニールなどで覆っておくようにしましょう。
また、洗浄液がエアコンの内部に残って、カビが発生する可能性のあるケースも少なくありません。
洗浄スプレーを使用する際はこれらのリスクを承知の上、細心の注意を払って自己責任で洗浄しましょう。
エアコン掃除を業者に依頼するメリットは?
エアコンの嫌な臭いを防ぐために、業者に依頼してエアコンを丸ごと掃除してもらうのも手です。家庭では手入れできない部分も徹底的に洗浄してもらえます。依頼する頻度は、エアコンの使用頻度や環境などを考慮して検討しましょう。
奥の汚れまで徹底掃除してくれる
業者に依頼すれば、エアコンの内部も隅々まできれいにしてくれます。エアコンの内部にはホコリ・カビ・タバコのヤニ・ペットの毛など、さまざまな汚れが蓄積しがちです。家庭で掃除できるのはフィルターや吹き出し口といったエアコンの外側のみで、内部までは掃除できません。
エアコンの内部を掃除するには部品を分解する必要があり、専門知識を要します。自己判断でエアコンの内部を掃除すると故障の原因になるため、その道のプロである業者に依頼しましょう。
エアコンの内部を掃除することは、臭いや健康被害を防ぎ、エアコン本来の稼働率を維持することにもつながります。
頻度は1年に1回程度
業者に掃除を依頼するペースの目安は、エアコンの使用頻度や環境などによって異なります。エアコンを常に付けている場合や喫煙者やペットがいる場合は、エアコンの内部が汚れやすいことから1年に1回が目安です。
エアコンをあまり使わない場合や、1~2週間に1度フィルターの掃除をしている場合は、2年に1回で事足りることもあります。エアコンを快適に使い続けたいなら、最低でも2週間に1度はフィルターを手入れして、年に1回業者に掃除を依頼するとよいでしょう。
エアコンの臭いを予防する方法
エアコンの内部に臭いの原因をため込まないためにも、ちょっとした『習慣』を取り入れてみてはいかがでしょうか。定期的な掃除だけでなく、日ごろの使い方にも気を付けることで、臭いの発生をグンと抑えられるでしょう。
冷房の使用後は送風運転をする
エアコンの冷房や除湿運転をしたあとは、エアコンの内部に結露がたまります。結露をそのままにしているとカビが繁殖する原因になるため『送風機能』を使ってエアコンの内部を乾燥させましょう。
送風機能を使うタイミングは、冷房や除湿運転をしたあとです。1~2時間程度送風運転をすることで、簡単に結露を除去できます。
送風運転の機能がない場合は、冷房を最高温度に設定して運転することで代用可能です。冷房を最高温度に設定すると、冷たい風ではなく常温に近い風が出ることから、送風運転と同様の効果が期待できます。
使わない時期でも送風運転をする
エアコンにホコリやカビなどの汚れがたまるのは、エアコンを稼働させている夏や冬だけではありません。エアコンを使用していないときも、中にホコリが侵入したりカビが繁殖したりすることもあります。
エアコンの中にホコリやカビなどをため込まないためには、エアコンを使わない時期も時々稼働させることが肝心です。月に1~2回は送風運転をして、エアコンの中にあるホコリやカビなどを追い出しましょう。送風運転によってエアコンの内部が乾燥して、カビが繁殖するのも防げます。
小まめに換気する
部屋には汗・タバコのヤニ・ペット・料理で生じた油の臭いなど、何らかの生活臭が漂っているものです。生活臭がこもった部屋でエアコンを運転させると、空気と一緒に生活臭も取り込んでしまいます。エアコンに嫌な臭いが付く原因になるため、エアコンの運転中も小まめな換気が必要です。
エアコンの運転前に換気をするだけでは、生活臭を取り込むことを防げません。時々窓を開けたり換気扇を付けたりして、部屋に生活臭をため込まないように心掛けましょう。
構成/編集部