■連載/石野純也のガチレビュー
ミドルレンジのリーズナブルなスマートフォンながら、ハイエンドに迫る性能とおサイフケータイなどの日本仕様に対応したOPPOのReno Aは、同時期にテレビCMの放映を開始したこともあって、高い注目を集めた。SIMフリーモデルとして家電量販店などで売れ行きが好調であった一方で、楽天モバイルやMVNO各社が続々と取り扱い、OPPOの躍進を後押しした。そんなReno Aの後継機とも言えるのが、「OPPO Reno3 A」だ。
同モデルは、前回同様おサイフケータイに対応しており、Reno Aと比べてカメラも進化している。デュアルカメラだったReno Aからカメラは2つ増えてクアッドカメラになり、広角撮影にも対応した。メインカメラの画素数も4800万画素と高い。バッテリーが4025mAhと大容量だったり、Quick Chargeに対応しているのもうれしいポイントと言える。
一方で、Reno Aと比べ、スペックダウンしているところも見受けられる。チップセットがその1つで、Snapdragon 710を搭載していたReno Aに対し、Reno3 Aが採用したのはSnapdragon 665。数値の違いはわずかに見えるかもしれないが、Snapdragonは700シリーズと600シリーズで性能の開きは大きい。フロントカメラも画素数が落ちている。こうした点が、使い勝手にどう影響するのか。発売に先立って実機をチェックした。
おサイフケータイに対応したミドルレンジモデルのReno3 A
ベーシックなデザインで、カメラの仕上がりは上々
デザインテイストは、Reno AやSIMフリーモデルの廉価端末として人気を博している「OPPO A5 2020」に近い。ディスプレイ上部にはインカメラぶんだけ食い込んだしずくのような形のノッチがあり、背面もシンプルに仕上げられている。ハイエンドモデルのような高級感まではない一方で、すっきりまとめられたデザインと言える。
水滴型のノッチがあり、背面もデザインテイストはReno AやA5 2020に近い
カメラは背面の左上にあり、4つのレンズが縦に並んでいる。上2つのサイズが大きいことが分かるが、これが実際に撮影で使うカメラだ。1つは4800万画素のメインカメラで、レンズのF値は1.7。もう1つが119度の広角撮影用で、画素数は800万画素になる。下2つのカメラはともに200万画素で、モノクロカメラとポートレート用カメラだ。どちらも、あくまで撮影を補助するためのもので、写真を撮るという意味ではデュアルカメラに近い。
クアッドカメラを採用するが、下2つは撮影補助用
カメラの構成は廉価モデルのA5 2020に似ているが、メインカメラの画素数は上記のとおり、4800万画素と大きい。標準ではオフになっているが、設定で「48MP」を選ぶと、高画素モードで撮影することが可能だ。以下に掲載した写真を見ると分かるとおり、4800万画素でそのまま撮った写真は、拡大しても劣化が少ない。2倍ズームでも同様に、引き伸ばしたような絵にはならないため、Reno3 Aでは、高画素センサーを生かし、一部を切り抜いているのかもしれない。
4800万画素モードで撮った写真は、一部を切り抜いても劣化がない
AIによる被写体認識機能もあり、OPPOのスマホではおなじみの「ダズルカラー」にも対応する。色をより鮮やかにでき、印象深い写真を撮影できるはずだ。Reno Aでは対応していなかった、超広角撮影に対応しているのもうれしいポイント。メインカメラより画素数が低く、周辺部の解像感はあまり高くないが、風景などを撮る際に、迫力を出すことができる。画角の違いは、以下の通り。ミドルレンジながら、撮影が楽しくなる端末と言える。
上から、超広角、標準、2倍、5倍ズームで撮った写真。2倍までは劣化が少ないことが分かる