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メインカメラに4800万画素の4眼カメラを搭載したOPPOのSIMフリースマホ「Reno3 A」の買い得度

2020.06.17

パフォーマンスはもうひと頑張りほしいが、メモリやストレージは十分

 チップセットにはSnapdragon 665を採用している。Snapdragon 665は、先に挙げたA5 2020も搭載しており、Snapdragon 710のReno Aより一段スペックは低くなっている。実際に端末を使ってみると、その差が体感で分かる。操作感はよく、基本的にはサクサク動くが、ハイエンドやミドルハイのスマホほどキビキビと動くわけではない。画面の切り替わりや、キーボードの立ち上がりなどには、わずかながらタイムラグがある。

 ただし、筆者が普段利用しているA5 2020と比べると、レスポンスは上がっているような印象も受ける。おそらくこれは、メモリ(RAM)の量が6GBあるためだろう。A5 2020は4GBで、アプリの切り替えなどで感じる引っかかりはもう少し多くなる。Reno3 A程度のパフォーマンスがあれば、ブラウジングやSNS、メッセージの利用などでストレスを感じることは少ないだろう。

メモリの容量は6GBで、ミドルレンジモデルとしては十分

 一方で、グラフィックスに凝ったゲームを遊ぶような用途には向かない。「Geekbench 5」で計測したチップセットのスコアは、CPUのシングルコアが310、マルチコアが1349。ハイエンドモデルには及ばず、数値としてはミドルレンジの範囲に入る。CPUが同じA5 2020も同程度のスコアになる。

CPUの性能はまずまずで、普段使いには問題ないレベル

 基本仕様では、ストレージが128GBと比較的容量が大きい点に注目したい。容量は、microSDカードで拡張することも可能だ。先に述べたとおり、Reno3 Aは4800万画素と比較的画素数の大きなカメラを搭載している。この画素数をフルに使う4800万画素モードで撮影すると、1枚あたりのデータサイズは10MB弱と大きくなるため、やはりストレージは大きい方がうれしい。

内蔵ストレージは128GBで、写真などをたくさん保存できる

 バッテリーが4025mAhと大容量で、電池の持ちもいい印象だ。ただし、一部のアプリの通知が、画面消灯時に届かないこともある。これは、標準で設定されている省電力機能のためで、他のOPPO製品にも共通の仕様になる。Reno3 Aに限った話ではないが、通知を見逃したくないというときは、省電力機能の一部をオフにしておくといいだろう。

省電力機能が強力なため、一部の設定は見直しておくといいだろう

やはり便利なおサイフケータイ、画面内指紋センサーも評価

 おサイフケータイに対応しているのも、Reno3 Aの特徴の1つだ。OPPOは日本参入直後からニーズの高いおサイフケータイや防水などに取り組んでおり、このモデルにも、その成果が生かされている。モバイルSuicaやiD、QUICPayなどを利用しているユーザーも、安心して乗り換えることが可能。キャッシュレス決済が注目を集めるなか、ミドルレンジモデルがおサイフケータイに対応している点は高く評価できる。

Reno Aに続き、おサイフケータイに対応する

 指紋センサーは、ディスプレイ内部にあり、背面や側面に凹凸がない。デザインがすっきりしているのは、そのためだ。ディスプレイ内指紋センサーはReno Aから継続している機能で、指を画面に置くだけで簡単にロックを解除できるのが便利だ。ただし、センサーに凹凸がないため、指の置き方には慣れも必要になる。デザイン性と機能性を両立させている点は評価できるが、指紋を読み取れる範囲は限られているため、顔認証も併用するようにしたい。

指紋センサーはディスプレイ一体型

 OSには、Android 10をベースにOPPOが独自にカスタマイズしたColorOS 7.1が採用される。以前のColorOSは、かなりコテコテにカスタマイズされており、Androidのシンプルさが損なわれてしまっていた感もあったが、ColorOS 7.1は無駄な機能がかなりそぎ落とされ、デザイン面も洗練された印象を受ける。通知のボタンや設定メニューのデザインがシンプルになったほか、ホーム画面の一番左に配置されるメニューも、OPPO独自のスマートアシスタントではなく、グーグルのDiscoveryになっている。

ColorOSを採用する。バージョンを経るたびにデザインも洗練されてきた

 標準ではアプリ一覧を表示するドロワーがないユーザーインターフェイスだが、これも設定で変更できる。A5 2020のときになかった機能としては、ホーム画面の上部以外を下方向にスワイプした際に表示される検索機能をオフにできるようになった。画面上部に指を伸ばす必要なく通知を開くことができ、細かいながらもうれしい改善点と言える。

 カメラの性能が大きく上がり、Reno Aでの不満点が解決した一方で、処理能力が低下しているのは残念だ。ただし、実用性が一気に下がるというわけではなく、普段使いには十分なスペックを備えた端末に仕上がっている。リーズナブルで手に取りやすいことも含め、トータルでバランスのいい端末と評価できそうだ。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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