山について学んで遊べるイベント
山の日という国民の祝日が制定された経緯からも分かるように、山は日本人にとって当たり前の存在です。47都道府県すべてに山があり、山に関するイベントが各地で開かれています。山の日周辺で開催されるケースも珍しくありません。
TANZAWA 山もり!フェス
神奈川県の県立秦野戸川公園で開催される『山森もり!フェス』は、登山・アウトドアファンが集る最大級の登山イベントです。18年には山の日を含む2日間にわたって開催され、1万5000人以上が参加しました。一部のプログラムを除いて無料で参加できるのも、人気の秘密でしょう。
イベントの内容は、山のアクティビティ・登山関連の講座・クイズ・テント展示など、バラエティ豊かです。子どもも体験できるスポーツ体験やミニ探索もあり、初心者やファミリー層も楽しめます。山の気象講座や、GPSアプリを使った遭難防止策など、登山に役立つ知識が得られるのもポイントです。
立山黒部 山の日Week
イベント会場は、富山県の立山黒部アルペンルートの室堂ターミナル屋上です。標高3003mに挑戦する『立山山頂ウォーク』や、アルペンルートの絶景をVRで楽しめる『天空のVR体験』など、体験型イベントが充実しています。
地元の伝統芸能もメインイベントの一つです。雄大な自然をバックに、巫女による『立山の舞』や芦峅(あしくら)寺に伝わる『立山権現太鼓』などが披露されます。小腹が空いたときは、立山地ビールの『星の空』や郷土料理の五平餅といったご当地グルメをチェックしてみてはいかがでしょうか。
他にもある自然にちなんだ〇〇の日
日本は自然に恵まれた国とあって、自然にまつわる国民の祝日や記念日がいくつか設けられています。重要なメッセージが込められており、自然や文明との関わり方を考えるきっかけにもなるでしょう。
海の日
7月の第3月曜日は海の日です。海の日は夏本番とあって「海で遊ぶ日」と思われがちですが、海水浴を目的に制定されたわけではありません。
もともと海の日は7月20日でした。この日は1876年に明治天皇が初めて船に乗って青森から横浜に到着した日で、長らく『海の記念日』と呼ばれてきた歴史があります。
海の日が制定されたもう一つの理由は、日本が海に囲まれた国という点です。「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として、国民の祝日に制定されました。
川の日
国民の祝日ではありませんが、川の日も存在しています。1996年に国土交通省によって定められました。近年は都市や治水事業が発達したことで、河川と人の関係が薄くなっています。河川と人との関係を見直すと同時に、河川への関心を取り戻すことを趣旨として、川の日が定められたというわけです。
流域の住民と自治体が一体になって地域の環境を良好にするといった地域の活動を支援する目的も含まれています。
日付は七夕でもある7月7日です。『天の川』のイメージがあることの他に、時期的に水に親しみやすく、7月が河川愛護月間であることも関係しています。
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空の日
9月20日は空の日です。前身は1940年に航空関係省庁次官会議が制定した『航空の日』とされています。終戦後に休止していましたが、53年に当時の帝国飛行協会によって復活を遂げました。
再び転機が訪れたのは、民間航空再開40周年に当たる92年のことです。民間航空の意義と役割についてより広く理解を得るために「親しみやすい呼び名にしよう」という働きかけがあり、呼称が空の日に変更されました。
「より多くの人に航空への関心と理解を深めてもらう」という趣旨で、9月20日~30日に『空の旬間』も設けられています。この期間に、空港などで航空関連のイベントが開催されることが多いため、興味がある人は確認してみましょう。
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構成/編集部