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山の日は比較的新しい『国民の祝日』であり、山にまつわるイベントが各地で開かれる日です。日付を知っている人もいれば、存在そのものを知らない人もいるかもしれません。2020年は日付が例年と異なりますので、制定された経緯と併せて見ていきましょう。
山の日とは
山の日は2014年に制定され、2016年に施行されました。国民の祝日が新たに設けられたのは1996年の『海の日』から20年ぶりのことです。山に親しむ機会を得ると同時に、山の恩恵に感謝することを目的に新設されました。
2024年の山の日は8月11日
通常、山の日は8月11日です。2024年の山の日は8月11日(日)で、今年は日曜日なので、翌日の12日(月)も振替休日になり3連休になっています。
しかし、2020年は8月10日に移動しています。同年開催予定だった『東京オリンピック・パラリンピック競技大会』(コロナで延期)に備えて『国民の祝日に関する法律』の特例が施行されたからです。主な目的は観光客の増加による『交通混雑の緩和』です。
山の日の他に、7月20日の『海の日』が7月23日に、10月12日の『スポーツの日』が7月24日に変更されています。オリンピックは延期になりましたが、混乱を避けるために再度の変更はしない方針です。
2021年は8月8日に移動
20年のオリンピックが21年に延期になったことで、21年の山の日は8月8日に変更されました。20年は7月24日に開会式、8月9日に閉会式が予定されていましたが、21年は7月23日・8月8日に変わったことで、山の日も再度の変更を余儀なくされています。
山の日を日曜日の8月8日に移して、9日の月曜日を振替休日にする狙いです。当初は9日に移す動きがありましたが、長崎に原爆が投下された日ということで、意見が割れていました。海の日とスポーツの日も7月22日・23日に移動となる見込みです。
山の日に関する疑問を解消しよう
山の日は比較的スムーズに国民の祝日に制定されました。大きな反発がなかったことで経緯を取り上げるメディアも少なく「知らない間に増えていた」と感じた人もいるのではないでしょうか。ハッピーマンデーの対象かどうかも、頭に入れておきましょう。
山の日制定のきっかけは?
山の日をつくる動きが生まれたのは、下野新聞のコラムで作曲家の船村徹さんが「山の日をつくろう」と提言したことがきっかけです。それを受けて日本山岳会は他の山岳団体と協力して『山の日制定協議会』を発足しました。
しかし、国民の祝日は国会が決めるため、一筋縄では行きません。国会に議案を提出した後は、衆議院・参議院で審議するだけでなく『国民の祝日法』を改正する必要があります。
山の日の場合は自然や環境に関心のある議員が多く、国会で否定する声もほとんどありませんでした。賛成多数で衆議院を通過し、国民の祝日に制定されたのです。
どうして8月11日なの?
山の日の日付を決める際、祝日のない6月と8月や、海の日の翌日などが候補にあがりました。6月の案が出たのは、夏山シーズンの直前であることや、山々が輝きを増す時期という理由です。
8月はお盆休みにつなげる目的で、12日が有力でした。しかし、日空機墜落事故が起こった日ということで再検討され、8月11日に制定されたのです。
国民の祝日になる前から、『ぎふ山の日』『えひめ山の日』など、自治体独自の山の日が存在していました。日付は8月8日や11月11日など『8』や『11』にちなんだものが多く、これは八の字が山の形、11が木が並んでいるように見えるためです。国民の祝日として8月11日が選ばれたのも、これに倣った可能性があります。
ハッピーマンデーにはならないの?
海の日はかつて7月20日に固定されていましたが、現在はハッピーマンデー制度によって、7月の第3月曜日に変更されています。一方、山の日はハッピーマンデーの対象ではありません。基本的には8月11日で固定されています。
ハッピーマンデーとは、国民の祝日の一部を月曜日に移動して、3連休を増やす制度のことです。連休が増えることで旅行者の増加などの経済効果が期待でき、景気対策にもつながります。1月の成人の日と10月のスポーツの日が第2月曜日に変更されたことも、話題になりました。
2024年「山の日」記念全国大会は東京都で開催
年に1度『「山の日」記念全国大会』が開催されています。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という山の日の趣旨を広めることが目的です。第8回となる2024年は東京が選ばれています。東京は、1,400万人が暮らす大都市でありながら、雲取山や高尾山などの山々や、丘陵地の里山、市街地の緑地や水辺、島しょ部の原生的な自然など、多様で豊かな自然を有する世界でも類を見ない都市です。
私たちの生活に恵みを与えてくれる東京の山々や豊かな生物多様性について、多くの方々への理解を広め、楽しみながら体感してもらえるように、「東京全体」ではさまざまな行事や関連イベントが開催されます。