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人間はおいしさを舌ではなく「情報」や「言葉」で感じるって本当?

2020.06.02

 ビー・エム・エフティーという調査会社が、2003年から継続的に実施している「おいしいを感じる言葉」というおもしろい調査があります。それによると、人間がおいしさを感じる言葉は、右の表のとおり(『NHKスペシャル』が使った「ダシたっぷり」も、似た言葉が入ってますね)。以前読んだ同社のレポートによれば、20代は「もちもち」「ふわふわ」といった食感系の言葉に敏感なのに対し、40歳を超えると「鮮度がよい」「季節限定」「産地直送」といった情報系の言葉に喜ぶとのことでした。従って、客に料理を説明する際は、客の年齢に合わせて言葉を選ぶ必要があります。

 また、説明をするスタッフも、誰でもいいというわけではありません。例えば、飯倉のイタリア料理店『キャンティ』(1960年開業)のサービス係は、みんな常連客の顔をしっかり覚えていて、客はそういうサービス係から食材や調理法の説明を受けると、信頼関係ができているので、真剣に耳を傾けますが、客の顔も満足に覚えられないサービス係から説明をされても、キミ、本当にわかってるの、という気にしかなれません。

 近年、日本では、全国に質の高い料理学校が誕生し、海外修業も容易になったため、料理人の質が格段に上がり、昔よりおいしい店が圧倒的に増えましたが、サービス係の質は逆に低下しているように見えます。サービスは、料理と違って、基本を学校ではなく現場で身につけるものですが、最近は現場での指導がすぐにパワハラ視されてしまううえ、そうでなくても飲食のサービス係はあらゆる職業の中で最も離職率が高い(厚労省の調査では、高卒新卒者の飲食会社のサービス部門の3年以内離職率は62.9%。アルバイトを入れれば90%を超えるそうです)。そのため教育が行き届かず、客の名刺に髪型や顔の特徴を書き込んで覚えるとか、客が左利きなのを見抜いてカトラリーを置く位置を変える、とかいった基本が教えきれないのだそうです。

 料理やワインの情報は、サービス係の質の向上と必ずセットです。今はコロナで大変でしょうが、空いた時間にサービス係の教育をしっかりされて、コロナ明けに信頼感ある料理の説明で客の心をガッチリつかまれてはいかがでしょうか。

おいしいを感じる言葉出典:B・M・FT「おいしいを感じる言葉〜SizzleWord2019」より 15-69歳の男女1800人を対象にした調査

『ケイブマン』

兜町の東京証券取引所裏の、築97年の「郵船兜町ビル」は、リノベされて「K5」という複合施設となり、2階より上が同名のホテルに。その1階に作られたイノベーティブレストランが、この『ケイブマン』。プロデュースは、目黒の人気イノベーティブレストラン『kabi』。本家『kabi』と同様、凝った料理が出され、こちらも一皿一皿に丁寧な説明がつきます。◆住所:東京都中央区日本橋兜町 3-5 K5・1F ◆電話:03・5847・1112

情報を食べる

【秘訣】料理の説明は、客の顔を覚えたスタッフが行なう

取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ

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