新型コロナウイルス感染拡大を受けて、会社へしばらく出勤せずに家で仕事を進めているビジネスパーソンは多いはず。在宅勤務を続ける中で、生産性の低下を感じた人も少なくないことだろう。
そこで今回、グローバル人材の転職を支援する人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社による、在宅勤務中の会社員501人が回答を寄せた「在宅勤務での生産性」に関するアンケート調査の結果を紹介していきたい。
在宅勤務の会社員、3割が生産性低下を実感
新型コロナウイルス感染拡大防止対策で在宅勤務中の501人を対象に、「普段のオフィス勤務に比べて自らの生産性に変化を感じているか」について尋ねる調査が行われたところ、「変化なし」(50%)、「生産性が落ちた」(30%)、「生産性が上がった」(20%)という結果だった。
企業に求められるのは「コミュニケーション」「集中力」「システム」対策
生産性が落ちた要因は、1位「同僚・取引先とのコミュニケ―ションが取りづらい」(63%)、2位「集中力の維持が難しい」(45%)、3位「会社のシステム整備が不十分」(44%)だった。
新型コロナの影響で在宅勤務がさらに長期化した場合はもとより、来年の五輪開催時期に向けても、コミュケーション用などのデジタルツールやシステムの整備、従業員の集中力を維持するための工夫が企業側には求められていることがうかがえる結果となった。
2割は生産性アップを実感している
一方、中には在宅勤務で「生産性が上がった」と感じている人が、2割いることがわかった。生産性向上の要因は、1位「時間が柔軟に使える」(75%)、2位「オフィスよりも仕事に集中しやすい」(70%)、
3位「リラックスして仕事ができる」(55%)という結果だった。
近年では、人材獲得競争の現場では優秀な人材を競り合う際に有利になる「在宅勤務・リモートワーク」の勤務制度だが、在宅勤務の利点を十分に実感しながら生産性を維持している会社員も一定数いることがわかった。
この調査を統括したロバート・ウォルターズ・ジャパン マーケティング・ディレクターの栁沼茂樹氏は今回の調査結果を受けて、以下のようにコメントした。
「対応の早い企業では、コミュニケーションひとつをとっても、複数のオンラインツールをシーンや用途にあわせて柔軟に活用しています。1対1の会話、関係者を揃えた会議、数百人を集めたオンラインイベント、ビデオコンテンツ、ファイル共有などにそれぞれ最適なツールを導入しているようです。さらに迅速性に優れた企業では、この機に業務のカイゼン、集中力の維持、従業員のメンタルヘルスの管理にも着手しています。」
<調査概要>
調査期間:2020年4月1日~4月10日、対象:弊社に登録のある日本在住の会社員 n=501人
出典元:ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社
構成/こじへい