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BOSEのワイヤレスヘッドホンと聴き比べてわかったアップル「AirPods Pro」の実力

2020.05.01

 1月にBOSEのヘッドホン歴代愛聴記を書いたが、その続編を綴る。昨年12月にSoundSport wireless headphonesを買ったばかりながら、3月に新しいインナーイヤホンを買ってしまったのだ。

 1月の記事を書くにあたりあれこれサイトを見て、今年BOSEからBose Noise Canselling Earbuds 700という、ノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤホンが発売されることを知った。その画期的なコンセプトに、音質次第では新規購入間もないながら、買い替えてしまうかもしれないとは思っていた。しかし認識が甘かった。DIME編集部を離れて既に15年ほど、更にリタイアして2年半が経つ。いつの間にやら、僕は新製品情報などには疎い“普通のおじさん”になっていた。

 3月早々のある日、たまたま見たサイトで、パナソニックから4月にノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤホンが2機種登場すると知った。テクニクスブランドの上級機EAH-AZ70W、そしてパナソニックブランドのRZ-S50Wだ。そうか、今年はBOSEとパナソニックがこのジャンルで鎬を削るんだと思いつつ、BOSEの発売はいつなのかとあちこち検索した。そして既にソニーやアップル他から同種のイヤホンは登場していて、ヤマハからも近々出ると知る。なんたる情報遅れ、我、衰えたり。

 とはいえ昔取った杵柄で、興味がどんどん湧いてくる。いくつもサイトを見てなんとなくわかったことは、ソニーもアップルもすこぶる評判がいいこと。どちらも売れていること。価格帯ではテクニクスはアップル、パナソニックはソニーの競合機になりそうなこと。はっきりとわかったことは、BOSEの発売時期は今現在未発表ということだ。

 こうして情報を探っていくと、ノイキャン付き完全ワイヤレスイヤホンがたまらなく魅力的に思えてくる。今すぐ欲しい! いやいや、BOSEを待って検討しよう、12月に買ったばかりじゃないかという、冷静かつ年齢相応の大人な声も聞こえてくる。

構造上当然ながら、SoundSport wireless headphonesに比べて圧倒的にコンパクトなAirPods Pro。

 しかし、アップルのAirPods Proを買ってしまった。決め手は、イヤホンには無関係のauだ。2018年末からのPayPayキャンペーンでは、ずいぶんいい思いをした。原則値引きなしのBOSE製スピーカーが20%還元だからお得と買ったら大当たり、無料で手に入った。日用品のまとめ買い等で、20%還元を利用しまくった。そして今(購入検討時)、auがauPAYで似たようなキャンペーンを実施していることを知る。auユーザーながら、“なんとかペイ”はPayPayだけで十分と無関心だったのだが……。

 アップルには原則値下がりはなく、価格コムを見てもAirPods Pro/税込30580円の最安価格は昨年11月登場以降横ばいだ(3月上旬現在)。だがauPAYを利用すれば、アップルを20%還元で買えるではないか! ちなみにソニーやパナソニックはオープン価格だから、時の経過とともに実勢価格は下がる。やはり価格コムを見ると、ソニーは昨年7月登場以降10%ほど(3月上旬現在)安くなっている。

 僕のマイ量販店・ビックカメラは、auPAYキャンペーン参加店だ。はたして在庫はとサイトを見ると、入荷未定とある。かたやアップルストアのサイト見ると、発送は2~3週間後とある。このキャンペーンの終了は3月29日だ(説明は省くが、実際はそれより数日早い。もっと続くならば、パナソニック、あるいはBOSEを待ったかもしれない)。キャンペーン終了後に買うのでは、そもそもの皮算用が成り立たない。ビックカメラ、入荷未定でも注文時に払わせてくれないかな?

 もしやリアル店舗なら在庫があるかと出向くが、やはりない。ダメ元で店員氏に声をかけた。「入荷は未定ですが、注文は受け付けます。ただし注文時に支払っていただき、キャンセルはできません」と、やや申し訳なさそうに言う。いえいえお兄さん、素晴らしいです。この場で払います。いくらでもお待ちいたします。

ビックカメラでauのポイント=5928p獲得。WALLETポイント152pとはなんのことかわからないが、さらに150円ほど得したのだろう。

 税込30580円をauPAYで払って20%還元で5928p(1回あたりの最大還元額が6000pなのでほぼフルフル)、ビックカメラのポイント918pもついた。よってAirPods Proは、正味23734円なり。しかも購入前に、いつの間にか貯まっていたauユーザーに付与される6000pをauPAYにチャージ済み、その上auPAYはクレジットカードからのチャージなのでカードのポイントもつく。

 以上3月9日の購入だが、この日にアップルストアのサイトから注文した場合のお届け予定日は3月25日~4月1日とあった。果たしてビックカメラにはいつ入荷するか? 早くても4月2日以降と覚悟していたが、驚くことに3月24日に手に入った。

SoundSport wireless headphonesの充電ケーブル(黒)と、AirPods Proの充電ケーブル(白)。

 では、ここから使用記だ。梱包を解くや、僕はAirPods Proの想定購入者ではないと痛感した。充電の仕方がわからないのだ。BOSEのSoundSport wireless headphonesは、ケーブルの片方を本体に、もう片方をパソコンのUSBポートに差し込めがいい。6以降10まで使っているiPhoneも同じやり方だ。だがAirPods Proの付属ケーブル、片方はiPhoneと同じながら、もう片方は見たこともない。これは何? これをどこに差すの? 僕のMacBook Airには、そんなポートはない。

 あれこれ考えてiPhoneの充電ケーブルで事足りると気づき困りはしなかったが、僕はいよいよ時代遅れになったとしみじみ思った(USB-Cの存在、この原稿を書くにあたり調べて初めて知った)。ただしこれは、新技術を知らなかっただけだ。僕の父が携帯を使えないどころか、CDの存在も知らないのと同じで、まだ救いがある。事実、USB-Cを知ったし、充電もできた。

充電ケースに収まる姿は美しい。

 充電以上に僕が想定購入者ではないと痛感したのは、本体を充電ケースから取り出そうとしたときだ。取り出せない。ケースを逆さにしても、磁力でくっついているようで落ちてこない。さて本記事をご覧の方々、なぜ取り出せないのか、想像がつくだろうか。

 指が滑るのだ。本体の表面はツルツル、僕の指もツルツル、滑ってつかめない。昨今、新聞や本がめくりづらくて困り、老化で指の脂がなくなるとはこういうことかと思ってはいた。だがまさか、こんなことに不自由を感じるとは! AirPods Proを使用するたびに、何度も何度も取り出そうとして、やっと取り出せるという情けなさ。とほほ、我が衰えの象徴なり(なお、他メーカー製品も同様なのかは不明)。

完全ワイヤレスなので耳から落ちたら気づかずになくすのでは心配していたが、ジョギング10kmしても落ちることはなかった。今では装着感を忘れてしまうほど快適だ。

 嘆いてばかりいないで、装着しての感想を。耳に差し込んで驚くのは、そのノイズキャンセリング性能の高さだ。日常気にもしていない、つまりうるさいとは思っていない生活騒音が、すーっと消える。ここ3ヶ月ほどは、ノイキャンのないSoundSport wireless headphonesを使ってきただけに、その性能は驚異的だった。

 僕がインナーイヤホンで聴くのは、運動中のロックと電車乗車中の英会話アプリだ。ロックは聞き流しでいいが、英会話は聴き取りたい。ノイキャンのないSoundSport wireless headphonesでも電車の走行音だけならなんとか聴けるが、車内アナウンスが流れると聴き取りはかなり難しい。ところがAirPods Proなら、かなり聴き取れる。比べたわけではないので断言はできないが、SoundSport wireless headphonesの前に使っていたBOSEのノイキャン搭載機、Quiet Comfort 30(以下QC30)よりもノイキャン性能は上だろう。

 そのQC30、音質は素晴らしい。音源がアップルミュージックながらユーライア・ヒープの2枚組ライブを聴き、その低音(ベース)の響きに驚いたことはBOSEのヘッドホン歴代愛聴記に書いた。残念ながらSoundSport wireless headphonesでは、聴き劣りしてしまう。では、AirPods Proではどうか。その前に3機種の税込価格を確認しよう。AirPods Proは30580円で完全ワイヤレス&ノイキャン付き、QC30は35200円でノイキャン付き、SoundSport wireless headphonesは19800円でノイキャンなしだ。

「7月の朝」に限らず、全編ベースがうねりまくる。

 ユーライア・ヒープのライブから名曲「7月の朝」を、AirPods ProとSoundSport wireless headphonesで聴いた。その差はほんの僅か。AirPods Proの方が、音は輝き輪郭がクリアー“なような気がする”。低音の響きはどっちもどっちで、QC30には敵わない。5対4.5でAirPods Proが辛勝というところだが、約10000円の価格差を考えればSoundSport wireless headphonesはかなりいい。僕のように電車で英会話など聴かず、運動時や街中で音楽を聞き流すには十分な音質だと思う。

 ではAirPods ProとQC30ではどうだろう。聴き比べてはいないながら、ノイキャンならAirPods Pro、音質ならQC30と思われる。どうしても白黒をつけるなら、約5000円安くて完全ワイヤレスのAirPods Proに軍配か。

 だがこれから登場するBose Noise Canselling Earbuds 700には、①低音はQC30以上、②最新のノイキャン技術を投入、③アップルよりも老舗ゆえ、高齢者も想定ユーザーとした滑らない筐体を使用、を期待したい。となれば価格にもよるが、僕にはAirPods Proに勝る製品かもしれない。なんだか、待ちきれなくなってしまった。ヘッドホン歴代愛聴記第3弾執筆、なんてことになりたいような、避けたいような……。

文/斎藤好一(元DIME編集長)

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