テレワーク対応に伴って必要とされるセキュリティー対策のポイント
セキュリティーソフト『ノートン』シリーズで知られるノートンライフロックによれば、今や日本人の約半数が何らかのサイバー犯罪を経験済みだという。そんな中、テレワークではどんな注意が必要なのか、担当者に聞いた。
自宅のWi-Fiルーターが古いと、危険性がアップする
「まずはWi-Fi。もし自宅で使用しているWi-Fiルーターが古いものなら、セキュリティー強度が低い可能性がある。VPN(※)を使用したほうが安全でしょう。またテレワークではWeb会議ツールなど、アプリをダウンロードする機会が増えます。これもリスクになる」と、ノートンライフロックの古谷尋さん。「最近は新型コロナウイルスに便乗したフィッシングメールも出回っているので、こうしたリスクを回避するためにも、会社で導入されているセキュリティーツールがテレワークでも活用できないか確認しましょう」
プライベート用のデバイスを使用して仕事をしている場合などは、フィッシングメールのブロックや、ダウンロード時に危険を検知できる、セキュリティーソフトを導入するのも、ひとつの方法という。
「利用しているPCやスマホのOSやアプリを、できるだけ最新の状態にアップデートしておくのも重要なポイント。また職場や家以外の場所で作業をする際には、パソコンの紛失やのぞき見による情報漏洩にも注意が必要です」
※仮想プライベートネットワークのことで、インターネットへのアクセスの際、安全なルートで情報をやりとりできるようにする技術。
セキュリティーソフト『ノートン 360』には、暗号化によってネットワークプライバシーをガードする「セキュア VPN」が含まれている。
スマホでも対策は必須。危険サイトへの注意喚起や、フリーWi-Fiの安全性などもチェックできるセキュリティーアプリがあると安心だ。
テレワークへの移行を後押しする期間限定の無料支援サービス
現在、テレワークの導入を模索する企業に向けた様々なサービスの提供が開始されている。企業としては、これを機に関連サービスをチェックしつつ、テレワーク体制の整備に役立ててみるのもいいだろう。
プリンストンのクラウド会議サービス「BlueJeans」
60日間のフリープランを提供
プリンストンのWeb会議ツール「BlueJeans」では、年間約12万円(定額料金)のところ、クラウドの会議室を60日間無料で利用可能。同ツールの会議プランに新規契約すればOKだ。
ベルフェイスのWeb会議システム「bellFace」
5月31日まで無償提供
営業に特化したオンライン商談システム「bellFace」では、月額料金7万2000円~のところ、今年5月31日まで無料で利用できる。期間が過ぎても自動更新されないので安心だ。
格安スマホ&SIMを提供しているMVNO「BIGLOBEモバイル」
データSIMの導入費用を軽減
BIGLOBEモバイルでは、テレワーク推進とコスト削減に貢献するキャンペーンを実施中。法人向けの格安SIMに必要なプラン申込手数料3000円とSIMカード準備料394円が無料に。
日本マイクロソフトの「セキュア リモートワーク相談窓口」
事業継続に役立つ情報を無料提供
日本マイクロソフトではテレワークを支援する特設サイトや電話窓口を開設。テレワークへの移行に必要な情報を提供する。なお、企業向けOffice 365の6か月間無償提供も始まっている。
ワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」
テレワーク導入相談窓口をオープン
有料版のユーザーに提供していた電話サポートとは異なる、テレワークの導入支援を目的とした無料窓口を開設。「LINE WORKS」無料ユーザーや、未登録の人も利用できる。
取材・文/太田百合子、編集部