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健康診断の際、前日から食事をしないように指示される場合があります。健康状態を正しく知るためにも、食事制限を守って検査に臨みましょう。健康診断の前に飲食してしまった場合は、内容や時間によって検査を実施するか判断が分かれます。
健康診断前に食事制限が必要な理由
健康診断では、血液検査をはじめ血圧や血液、各器官などの検査を受けます。食後は血液や内臓の状態が変わり、正常に検査できない項目も少なくありません。検査結果にも影響が出るため、食事制限を守って健康診断に臨みましょう。
健康診断は前日の過ごし方が重要、食事や運動で注意すべき点は?
検査結果に影響を与える
血液検査の前に絶食するのは、血糖値と中性脂肪の検査に影響が出るからです。食後は血糖値が上がりやすく、基準以上の数値が出る可能性があります。中性脂肪は最低でも10時間経過しない安定しないともいわれます。
また、食後は胆のう収縮が起こって、腸内ガスも増えます。腹部超音波検査では、胆のう・肝臓・すい臓が正常に見えくなる可能性があるため、こちらも食事制限が必要です。胃カメラやバリウム検査も、胃の中に食事が残っていると正しく検査できないので、当日の食事はNGとなります。
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食事の内容も影響がある
しばらく食事が取れないからといって、前日の食事に好きなものを好きなだけ食べてしまっては、中性脂肪などの数値に影響が出る恐れがあります。野菜スープや柔らかめに炊いたごはん・うどんなど、消化吸収が良い食事を心掛けましょう。
検査が終わるまでは、アメやガムも食べられません。当日はお腹が空いて、ついつい口に含みたくなりますが、血糖値が変わってしまう可能性があります。
飲み物やタバコにも注意
飲酒と喫煙の習慣がある人も注意が必要です。健康診断の前日には飲酒を控えるのはもちろん、前々日も飲みすぎには気を付けましょう。前々日の深酒が検査に響いて、血液検査の結果に影響が出てしまっては大変です。
タバコも、健康診断の前日から吸わないほうが良いとされています。ニコチンには血管収縮作用があるため、喫煙は血圧が高くなる原因の一つといわれています。胃の検査にも支障をきたすため、健康診断が終わるまでは控えましょう。
健康診断前の食事は何時間前まで可能?
正しい検査結果が得られるように、食事を済ませておきたい時間の目安を頭に入れておきましょう。検査項目によっても食事制限の内容が異なるため、案内などにしっかり目を通しておくことが大切です。
検査の10時間前までがベター
午前中に健康診断がある場合、前日の20~21時ごろまでに食事を済ませるように指示されることが多いでしょう。食事制限について特に言及がない場合も、検査の10時間前までには食事を済ませておいたほうが無難です。
健康診断当日の朝は、糖や脂肪を含まない水なら飲んでも良い場合もあります。普段服用している薬に関しても、飲んでも影響がない薬と健診終了まで避けたほうが良い薬とがあるので、不明な点があれば自己判断せず、指示を仰ぎましょう。
避けたほうが良い食事内容
健康診断の前日にケーキなど糖質を多く含むものを食べすぎると、血液検査や尿検査に支障をきたす場合があります。食事を取って問題ない時間帯でも、ケーキバイキングなどで食べすぎないようにしましょう。
例として、バターや肉類など脂肪分を多く含む食べ物、糖質の多いものでは果物・菓子類、ビールや日本酒などアルコール飲料も、中性脂肪の数値に影響が出やすいとされていますので、控えたほうが良いでしょう。
診断項目によって制限内容が変わる
健康診断で受ける検査ごとに、食事制限の内容や時間に違いがあります。年齢などによって受ける検査も異なるため、周囲から人づてに聞いた話で判断しないようにしましょう。
たとえば午前中に胃部レントゲン検査がある場合は、前日も脂肪分の多いものやアルコールは厳禁です。当日は治療中で薬を飲んでいる場合を除いて、水分も取らないように案内されるケースもあります。
もし健康診断前に食事をしてしまったら
健康診断では空腹時に検査する項目がたくさんあります。検査前に飲食をしてしまったら、包み隠さず申告しましょう。食事を取ったことを内緒にしても、異常な数値が出てしまっては意味がありません。
すぐに診察機関へ相談
多くの人が受ける血糖値や中性脂肪の検査は、空腹の状態であることが前提です。健康診断の前に食事すると数値に異常が出て、糖尿病を疑われる恐れがあります。再検査を受けるように指導される可能性も高くなるでしょう。
胃の中に食べ物が残っていると、胃内視鏡検査や胃部X線(エックス線)検査なども受けられません。体の状態を正しく知るためにも、食事をしてしまったことを診察機関に報告して判断を仰ぎましょう。
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予定通りの検診は難しい可能性も
食事制限を守らなかった場合、食事の内容や時間を細かく聞かれる場合があります。食事によって検査に影響が出ないか見極めることが目的です。問題ないと判断されたら、予定通り検査を受けられます。
ヒアリングの結果や診察機関によっては、その日の検査がすべて中止される可能性もあるでしょう。影響が出る検査だけ、別の日に受けるように案内される場合もあります。
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構成/編集部