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初任給が支払われる日は、会社の就業規則で定められています。『月末締め当月25日払い』や『月末締め翌月10日払い』などと記載されていた場合、どれくらいの給料がいつ振り込まれるのでしょうか?総支給額と手取り額の違いも確認しておきましょう。
入社して初の給料!初任給はいつ振り込まれる?
社会人になってから、自分で生活費や家賃の支払いをしなければならない人も多いでしょう。気になるのが「初任給はいつ振り込まれるのか」です。
給料の振込時期は企業によって異なり、いくつかのパターンがあります。4月に入社する例で説明しましょう。
月末締め当月25日払いのパターン
会社では一定の期間に区切って給料を計算しています。給料計算が始まる『開始日』に対し、給料計算の最終日を『締め日』と呼ぶことを覚えておきましょう。
『月末締め当月25日払いのパターン』は4月1日~4月30日までが給料の計算期間で、締め日は30日です。
この場合、末日までの給料をその月の25日に受け取りますが、残業代が発生していた場合は、残業代のみ翌月の給料に加算される仕組みです。
毎月の家賃やクレジットカードなどの引き落としが月末にある人の場合、25日に初任給が振り込まれるのはありがたいでしょう。
15日締め25日払いのパターン
『15日締め25日払い』は、3月16日~4月15日までが給料の計算期間で、4月25日に給料が振り込まれます。
この期間に発生した残業代は、4月分または5月分の給料に加算されます。会社によって対応が異なるため、事前に確認しておきましょう。
4月1日に入社した人の支払日も4月25日です。日給制の場合は15日間の給料が支払われますが、月給制の場合は『半月』または『1カ月分』の給料が支払われます。
どちらになるかは会社給与規定や採用時の条件などによるでしょう。
月末締め翌月10日払いのパターン
『月末締め翌月10日払い』は、4月1日~4月30日までが給料の計算期間で、翌月の5月10日に給料が支払われます。
給料日は日の一の位が5か0の『五十日』(ごとおび)』に設定されるのが通例です。月末締めの場合は、翌月の5日・10日・15日あたりに振り込まれるケースが多いでしょう。
4月1日に入社した人は4月に給料を受け取ることができません。月末にカードや家賃の支払いがある人はお金に余裕を持つようにしましょう。
新卒と中途採用によって違う?バイトの場合は?
初任給の振り込み日は、新卒と中途採用で異なるため、事前に確認しておくことが大切です。新卒の場合、4月から勤務を開始する企業が多く、一般的にはその月の末日や翌月25日に振り込まれることが多くあります。
一方、中途採用の場合は、入社日や給与締め日によって初任給の振り込みタイミングが変わります。例えば、月の途中で入社した場合、当月分が日割り計算され、翌月の給与日にまとめて支給されることもあります。また、入社月の給与がその月末に支払われる場合もあるため、給与規定をしっかり確認しておくと安心です。
バイトの場合は、週払い・日払い、または月末締め翌月払いなど企業によって異なりますので、契約内容を確認しておきましょう。
手取り額について知ろう
支払われた初任給が思ったよりも少ないと感じる人は『総支給額』と『手取り額』を勘違いしていた可能性が高いです。給料からは毎月税金などが天引きされ、控除後の金額が振り込まれます。
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総支給や控除の意味を確認
『総支給額(額面)』は、会社から社員に支払われるものの総額です。
総支給額には、一定の条件によってあらかじめ決められた『基本給』や、役職手当や扶養手当などの『各種手当』が含まれます。
会社勤めをすると、総支給額から『税金』と『社会保険料』が毎月控除されることを覚えておきましょう。
控除されるものは、住民税・所得税・雇用保険料・厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料(40歳以上)などがあります。総支給額から控除分が引かれた金額は『手取り額』と呼ばれます。
手取り額は額面の80%程度が目安
扶養家族のない独身者の場合、『手取り額』は、総支給額の約80%程度が目安です。1年間のおおよその手取り額が知りたいときは『年収×0.8』で算出してみましょう。
逆に、総支給額は手取り額の1.25倍にあたります。
「手取り額で20万円をもらうには総支給額がいくらでなければいけないか」を知りたいときは『手取り額×1.25』で算出できます。この場合、20万円×1.25で、総支給額は25万円です。
給与の増減について
初任給と翌月の給料の額が違うのはなぜでしょうか?税金や社会保険料が控除されるタイミングを知っておくと「給料が減っている…!」と慌てずに済むでしょう。『昇給がいつ行われるか』も確認しておきたいところです。
初任給の翌月から控除は増す
毎月の給料から税金や社会保険料などが控除されますが、初任給から天引きされるものは、主に『所得税』と『雇用保険料』です。
『住民税』は前年度の収入に対して課せられます。入社前にアルバイトなどをしていて収入が『非課税限度額』を超えた人を除いては、入社2年目の6月より控除されるのが通常です。
また、『健康保険料』と『厚生年金保険料』については、当月分の保険料は『翌月』の給与から控除するという決まりがあります。
そのため、初任給と翌月では手取り額にいくらかの差が生じるのです。
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業績によっていつから上がるかはバラバラ
勤務年数や職務上の昇格により、賃金が上がることを『昇給』といいます。日本では決まった時期に昇給を行う『定期昇給』や時期を決めない『臨時昇給』などがあります。
昇給のタイミングは会社ごとに異なるのが実情です。
たとえば、会社の事業年度が4月から始まるところは、毎年4月に昇給を実施する傾向がありますし、6月下旬の株主総会が終了してから昇給を決める会社もあります。
なお、新入社員が入社してすぐに昇格することはありません。基本的には経験年数や業績などがベースとなり、いつ昇格するかは個人の努力や会社の制度によって変わります。
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会社の規定を確認しよう
昇給の時期を知りたいときは、会社の就業規則を確認しましょう。見るべき箇所は『給与規定』の『昇給』の項目です。
項目には「基本給の昇給は、原則として毎年4月に実施する」「必要と認めたときは臨時昇給を行う」などと記載されている場合があります。
昇給時期だけでなく、『昇給の条件』や『昇給しない場合』も確認しておきましょう。
初任給をもらったばかりの新入社員にとって昇給はずっと先のことになりますが、条件や時期を確認しておくとモチベーションのアップにつながります。
構成/編集部