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転勤や退職で、後任に担当業務を引継ぐことになったら、引継ぎ資料を作成する必要が生じます。書き慣れていない場合は、どのような形式でどこまで提示するべきか悩むかもしれません。
今回は、誰もがわかりやすい引継ぎ資料を作成するコツを紹介します。
引継ぎ資料が必要な理由
後任に担当業務を引継ぐ場合、引継ぎ資料を作成することがよくあります。しかし、「ただでさえ忙しい異動や退職といったタイミングで、わざわざ作成する必要があるのか」と疑問がある人もいるようです。
そこで、なぜ引継ぎ資料は必要なのか、お伝えします。引継ぎ資料の必要性を認識した上で、作成を始めましょう。
引継ぎ資料の役割
引継ぎ資料と混合されがちなのが『マニュアル』です。どちらも業務内容を記載しているのですが、異なる点が一つあります。
それは、引継ぎ資料は、より具体的で個人的だということです。今、行っていることや起こっていることを後任に滞りなく引継ぐのが役割です。
マニュアルのような標準的な内容ではなく、その案件特有の情報を詳細に記載する必要があります。前任しか分からないような属人的な情報をなくし、後任が困らないようにするのです。
引継ぎ資料作成のメリット
引継ぎ資料を作成するメリットに目を向けてみましょう。メリットを理解すると、作成する意味を認識できます。
- 文章にすることで漏れや勘違いを減らせる
- 引継ぎ資料を見返すことで何度でもチェックできる
- 前任の属人的なテクニックやルールを正確に伝えられる
仕事では、口頭で説明を受けたことをメモをとって理解するという状況も少なくありません。しかし、その方法だと、聞き間違いやメモし忘れという問題が発生しがちです。手間がかかるかもしれませんが、前任が文章に書き記すメリットはたしかにあります。
引継ぎ資料に求められること
引継ぎ資料の作成はマストですが、機能しない引継ぎ資料を作成しても、使われないだけです。必要なことが分かりやすくまとめられているのが大事です。今一度、引継ぎ資料に求められることを再認識しましょう。
必要なことが全てまとめられている
誰が見ても分かりやすく、必要なことが全てまとめられているというのが大事なポイントです。前任がいなくなった後も、組織がスムーズに運営されるために必要な情報を漏れなく伝えなければいけません。
前任にとっては慣れた業務でも、後任にとっては初めての業務なので、初心に返って丁寧な引継ぎを行うということが求められます。
引継ぎ資料の内容を上司がチェックすることがあります。ここで不備があると、前任の評価が下がるかもしれません。「前任は最後まで丁寧な仕事のできる人だったな」と思われるような引継ぎ資料を作成したいところです。
マニュアルでカバーできない内容を把握できる
マニュアルとは、手順や手引きのことで、一般的な業務の作業手順が羅列されているものです。
引継ぎ資料作成時には、マニュアルでカバーできないイレギュラーなことを拾い上げるような書き方をしましょう。前任がいなくなったら起こりそうなトラブルに触れておけると、引継ぎ資料としてきちんと機能します。
効率よく業務を行える自分ルールやテクニックなども記載すると、後任は助けられます。細かいところまで口頭で伝えると伝え漏れが発生しがちなので、引継ぎ資料に残すことが求められるのです。
引継ぎ資料の作り方とは?内容と作成の流れ
引継ぎ資料を作成するとなったら、どこに気を付けたら良いのでしょうか。引継ぎ資料の内容と作成の流れをお伝えします。
必ずおさえておきたい基本記載事項
引継ぎ資料に必ず書きたい基本事項は、こちらの通りです。
- 担当業務の目的
- 業務全体の流れ
- 業務を行う際のポイントや注意点
- 担当顧客や担当窓口に関する情報
- 顧客の連絡先の一覧
- 業務で発生しやすいトラブルと対処法
- 社内資料や必要書類の保管先
- 決済や依頼項目別の問い合わせ先
その他、業務の状況によっては、スケジュール感やメンバーの特徴、予算といったプロジェクトメンバーでないと知らないような情報も入れましょう。
業務フローに沿って整理する
後任にスムーズに理解してもらうためには引継ぎ資料の『構成』にこだわりましょう。とりわけ業務全体の流れは、業務フローに沿って記載する必要があります。
具体的には、業務全体の流れを記載したものに加えて、各ステップごとにゴールと作業内容が記載されたものがあると理解しやすいです。
業務同士のつながりを意識して作成する
会社における業務は、それ単体で完結するものではなく、複雑に絡み合った他業務との関連があります。そのため、単純にやることを列挙するのではなく、会社の中でどんな役割を担っているのかという責務を明らかにすると良いでしょう。
業務同士のつながりを意識すると、後任が業務にあたる際に責任感が生まれるというメリットがあります。業務が単純作業とならないように動機付けを示しましょう。
さらに、他業務との兼ね合いで起こったトラブルや問題点の対処法があると重宝されます。もし、自分が後任だったら知っておきたいことを全て考えてみます。