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話し方講師が徹底解説!ビジネスで信頼を勝ち取る話し方の一つ、笑顔で話して声の印象を上げる「笑声」の練習方法とは?

2020.04.12

在宅勤務や外出を控えるいま、自宅で何か有意義なことがしたいと考える人も多いだろう。通勤時間をスキルアップに充てるのもおすすめだ。

そこで今回は、元NHKキャスターで、話し方スクール「KEE’S」の代表、野村絵理奈さんに、ビジネスで信頼を勝ち取る話し方の一つとして、笑顔で話して声の印象を上げる「笑声(えごえ)」の練習方法を聞いた。

信頼を勝ち取るための「笑声(えごえ)」とは?

野村さんが話し方の一つとして教えているという「笑声」は、どんな声なのか。野村さんによれば、ビジネスにおいて、印象アップが見込める声なのだという。

「ビジネスで社内外の人とコミュニケーションを取る最大の目的は、信頼関係を築くことです。話し方技術の基礎を築いたアリストテレスは弁論術という本の中で、信頼される人になるために必用な要素を3つ挙げています。

・思慮…公平で、深い考えを持っていること
・徳…善いこと、悪いことをきちんと判断できること
・好意…人から好かれる要素を持っていること

第一印象が勝負のビジネスシーンでは、まず好意の『人から好かれること」が信頼関係の第一歩であると言えます。

第一印象は、容姿や服装と言った見た目の清潔感に加え、表情や立ち居振る舞いといった動作が与える印象、そして、話した際の、声や発音、言葉遣いといった話し方が与える印象が決定します。

家を出る前に、鏡を見て服装やメイク、髪型をチェックする人は多いのですが、立ち居振る舞いや話し方までチェックする人はそう多くはありません。第一印象を決定する要素の中で、動作や話し方が与える印象も3割以上はあると考えられているのです。

特に気にしてほしいのは、声が相手に与える印象です。顔の表情と同じく、声にも表情があります。声の表情が明るいと、明るい気持ちが伝わりますし、声の表情が暗いと、相手にも沈んだ気持ちが伝わります。

私たちは、笑顔のように相手を明るく楽しくさせる声のことを『笑声(えごえ)』と呼んでいて、ビジネスマナーの一環として、いつでも笑声を出せるように、ビジネスパーソンの方にトレーニングしています」

「笑声」のメリット

笑声はビジネスシーンにおいてどんなメリットがあるのか。野村さんは次のように話す。

「好印象が得られる、相手の気持ちを和ませることができる、緊張対策にもなるなど、笑声にはビジネスパーソンにとって多くのメリットがあります」

●商談を円滑に運べる

「声は相手の気持ちにも影響を与えます。商談だからといって緊張した心のまま声を出すと、相手の心も緊張させてしまいます。そんなときに、どんなに緊張していても明るく楽しい気持ちが伝播する笑声が出せると便利です。

第一印象で笑顔と笑声であいさつをし、アイスブレイクすれば、緊張感のある商談の場を和ませて、商談を円滑に運ぶことも可能です」

●緊張対策になる

「緊張しやすい人の緊張のコントロールで最も有効なのは、まず笑顔を作り、笑声で話し始めることです。

心と体と話し方は三位一体なので、心が緊張し、体にも力が入ると、顔の筋肉も硬直し、笑顔が作りにくくなります。顔や体がカチコチのまま発せられた声は当然、緊張を伝える声となってしまいます。

いつでも、笑声で話せるトレーニングをしていると、心が緊張していても、体や顔の筋肉をリラックスし、笑顔を作り、笑声で話し始めることができるので、相手に緊張が伝わりません

それどころか、体や顔の状態がリラックスしていると、脳には『あなたはリラックスしていますよ』という信号が送られ、心もだんだん落ち着いてきます」

「笑声」を自宅で練習してみよう

そこで野村さんに、笑声を出す練習方法を教えてもらった。自宅で実践してみよう。

「笑声は、笑顔の口角が上がった状態のまま声を出すと、つくりだすことができます。アナウンサーは、笑顔が美しいと言われますが、口角を挙げて発音したほうがクリアに聞こえ、印象も良いことを知っているからです。それと共に、目の表情も柔らかくします。目を見開くより、目の周りの力をぬいて、目じりが下がった状態のほうが笑声に合っていて、相乗効果で好印象を得られます。

家で練習する場合は、鏡の前に立って以下の順で笑声をチェックしましょう」

1.鏡の前に、体や顔の力を抜いて、姿勢よく立つ

2.口角(口の両端)を「い~」と発音しながら真横に引く

3.その状態のまま、口角をくいっと上げ、「え~」と言いながら逆▽の口を作る

4.できるだけ逆▽の口を維持しつつ(口角を上げたまま)、「おはようございます」「おつかれさまです」「よろしくおねがいします」と言ってみる

笑声を出すコツ

いざ笑声を出してみると、なんだかぎこちなくなり、なかなかむずかしい。笑声を出すコツを野村さんに教えてもらった。

●口角をきちんと上に上げる

「口角をきちんと上に上げ、逆▽の口を作ること。口輪筋という口の周りの筋肉が衰えると口角を上げるのがむずかしくなります。口角が下がったまま発音すると、声の表情としては『不機嫌』になってしまいますので、きちんとした笑顔が作れ、その口を保ったまま話せるように口輪筋を鍛えることがポイントです」

●目の表情も連動させる

「目の表情も連動させると自然に好印象を与えることができます。口元だけ笑顔でも、目が笑っていないということになると、うそっぽく見えてしまい、かえって相手に信頼を感じることができなくなります」

●心をこめる

「一番大切なのは、心をこめること。いくら声や顔で笑顔を作っても、心がともなわなければ形だけになってしまいます。ビジネスで誰かに合うときには、コミュニケーションを取る相手への好意を心の中で確認した上で、気持ちが伝わる表情や声を使いこなすようにすれば、笑声はビジネスを円滑にする最高のツールになるはずです」

鏡があれば手軽にできる笑声の練習、ぜひ自宅で時間が空いたときに実践してみよう。

【取材協力】

野村 絵理奈さん
株式会社KEE’S 代表取締役社長
兵庫県出身 同志社大学法学部卒。NHK松山放送局キャスター、気象予報士を経て2005年KEE’S設立。著書に『たった5秒で相手の心をつかむひと言の力』(大和書房)、『口下手でもたった90分で人生が変わり出す話し方』(講談社)、『革命的話し方メソッド』(ポプラ社)等など多数。

株式会社KEE’S
現役アナウンサー(約50名)が講師として、放送局で培った技術と経験を元に、スピーチのマンツーマン指導、企業研修を行っている。企業トップなどエグゼクティブスピーチトレーニングをはじめ、企業約600社、5万人以上が受講。
https://www.kees-net.com/

取材・文/石原亜香利

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