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「アナリティカル」「エミアブル」「ドライビング」「エクスプレッシブ」コミュニケーションの特徴でみるあなたのソーシャルタイプは?

2020.03.30

もうすぐ始まる新年度。新しいスタートを前に、改めて、同僚や先輩、上司、取引先などとの対人関係を見直し、円滑に進める工夫をしてみてはいかがだろうか?

そこで今回、ビジネスパーソンが知っておくべき、【人との距離の縮め方=コミュニケーション能力】を高める方法を紹介していきたい。

都合のいい「コミュニケーション」という言葉…本来どういう意味?

時代は急速に流れ、テクノロジーの発達により様々なメディアが生まれ、自分の気持ちや意見を人に伝達するための手段や方法はどんどん進化している。にもかかわらず、コミュニケーションに対する問題は一向に解決されないばかりか、むしろ新しい伝達手段が出てくると新しいコミュニケーションの問題が発生している。そもそも、便利に使われている「コミュニケーション」という言葉は、一体どういう定義なのだろうか。

コミュニケーションの基本の成り立ちは、50年以上前にアメリカの電気工学者であるクロード・シャノンが発表した「コミュニケーション理論」だ。これは、当時電話会社に勤めていた彼がコミュニケーションを通信工学的に捉えたもので、「送り手は、メッセージを情報化して電子信号にして送る。受け手は、その信号を受信し、解読する。ただ、途中で何かしらのノイズが入ると、メッセージは正確に伝わらなくなってしまう。」という理論だ。

シャノンのコミュニケーション理論を人間社会に当てはめたのが、下図の社会心理学者・池田謙一氏のモデルだ。

この理論は、「話者1が自分の頭の中にある事柄を表現して相手に伝えると、話者2はそれを受け取って解釈し、自分の頭の中にその事柄をイメージする。」というもので、このやり取りをお互いにしていくことを「コミュニケーション」と定義している。

ところが、往々にしてあるのが、「どうも話が相手に伝わっていない気がする」とか「その場ではそうだねと言っていても、後々話してみると大きな誤解をしている」ということです。なぜ、そういった現象が起きてしまうのだろうか。

「コミュニケーション」が上手くいかない原因とは

その原因はずばり、『前提』だ。例えば、2人以上の人が同じ言葉を聞いても、みんなが同じものをイメージするとは限らない。『前提』は、それぞれが持つ知識や、それまでの経験などによって違ってくる。コミュニケーションの成否は、この『前提』に大きく左右される。例えば、若手社員と上司では『前提』となる経験が全く違うため、簡単に分かり合えず、両者の間にコミュニケーションギャップが生まれてしまう。

また、コミュニケーションを語るとき、どうしてもフォーカスされがちなのが、「自分の思いをいかに表現するか」「相手の言葉をいかに解釈するか」ということだ。確かにこれらはコミュニケーションに必要なスキルだが、それ以前に、「いかにお互いの中にある前提を知ろうとするか」ということが、実は一番重要なのだ。

「コミュニケーション力」を向上させる 3STEP

それでは、コミュニケーション力を向上させるためには具体的にどうすれば良いのだろうか。向上のためには3つのSTEP がカギとなる。

初めに行うべきは、【STEP1. 自分を知る】こと。「つい話し過ぎてしまう」「はっきりと物事を言えない」等、自分のコミュニケーションの癖を意識することが重要だ。

次に【STEP2. 相手を知る】こと。ここで大事なのが、同じ物事であっても自分と相手はものの感じ方、受け取り方が違うということを理解することだ。また、相手を知るには、相手のコミュニケーション上の特徴を把握すると良いだろう。

これは、リクルートマネジメントソリューションズの研修でも用いている「人のコミュニケーション上の特徴」を理解するためのフレーム『ソーシャルスタイル』を活用し、把握することができる。『ソーシャルスタイル』は、1968年にアメリカの社会学者である David Merrill(デビッド・メリル)が提唱した、行動科学に基づくコミュニケーション理論だ。自己主張度×感情表現度の尺度で4つのタイプに分類しており、以下図のようにそれぞれの性格的特徴が推測できる。

これら「アナリティカル(分析型)」「エミアブル(温和型)」「ドライビング(実行型)」「エクスプレッシブ(直感型)」という4つのタイプには優劣はない。あくまで性格的特徴や、そこからくる行動傾向を知るための1つの目安として捉えることがポイントだ。

ソーシャルスタイルによって、「自分と相手のタイプや両者の間にどんな違いがあるのか」「相手にとって心地よい行動が何か」を知ることで、【STEP3. 相手に合わせて行動する】ことができるようになる。

例えば、冷静で現実的な「ドライビング」の上司に報告をする時には、結論を端的に伝えることで信頼を獲得できる。もし、自身が几帳面で慎重な「アナリティカル」の場合は、あれこれ情報を説明し過ぎずに結論をズバっと伝えるように意識すると良いだろう。相手のタイプに合わせて自分自身をコントロールし、行動を変えることができれば、コミュニケーション力は各段に向上する。

この方法を早く習得するには、相手が困った顔をしていないか、何か言いたそうでないかと相手の反応を見て会話をしていくことが大切。自分が言いたいことを伝えきるのではなく、あくまでも「相手が受け入れているかどうか」を基準にする。これが習慣になっていくと、相手に合わせた行動が身に付き、いわゆる『空気を読めない』という事態が減っている。
下の「診断チェックシート」と「ベストな接し方」を参考に、自分が4つのうちどのタイプなのか、相手にどのように接するとコミュニケーションが円滑になるのかを考えてみよう。

自分はどのタイプ?診断チェックシート

<タイプ別 ベストな接し方>

■ドライビング:判断をゆだねるのがベスト
自分がコントロールしたいドライビングは、上昇志向が高く、他人に指図されることを嫌い、指示する側に回りたいという意欲も高いため、提案やアドバイス、様々な情報提供も自分が認めた相手の言葉しか受け入れない。お客さまがドライビングであれば、相手の意思を尊重すると共に、ビジネスを優先した接し方をするのが良いだろう。

また、ドライビングは、「よく勉強している」「成長意欲がある」「凹んでも再チャレンジする」など、自分を成長させようとする相手に見どころを感じる。また、論理的思考を好む傾向も高いため、意見を求められた時には持論だけでなく、自分なりの「根拠」や「理論」を添えて伝えることが大切だ。

「なぜそう思うのか」と常に問われると予測して、しっかりデータや情報の準備をしておくことが望ましいだろう。

■エミアブル:共感を重視した対応を
頼まれるとNOと言えず抱え込んで苦労しがち、役に立つならば……とつい頑張ってしまうエミアブルは、他者優先の価値観を持っており、自分の意見が周りにどう取られるかを気にする、人間関係・チームワーク重視のフォロワータイプだ。

ただし、強く主張しないだけで自分の意見を持っている。そんなエミアブルと良い関係をつくりたいなら、どんどん押すのは逆効果。仲良くなるコツは「共感」。聞くのは得意だけれども話すのが苦手なエミアブルにも「話しやすい」と思ってもらえる【聞き上手】を目指すのが得策だ。

相手が意見を言いたがらないのにどうしたら……という方にオススメなのは、「一
緒にいると安心する」「あなたの意見が聞けると助かる」といったメッセージを多く交えながら話すこと。控えめなエミアブルも「相手の役に立つのならば」と意見を口にしやすくなる。もちろん、相手の話を聞く時は、笑顔と相手のペースに合わせたうなずき・あいづちを忘れずに。話を聞いたら「聞かせてくれてありがとう」と感謝の気持ちも伝えよう。

■エクスプレッシブ:ノリよく対応!
エクスプレッシブは元気がよく、その場を明るく変化させるムードメーカー的存在。初対面からフレンドリーで距離が近いのが特徴で、楽しく盛り上がることが好きなので真面目で固い場は苦手だ。

また、自分のアイデアや想いを実現させようと行動的な方も多い。そんなエクスプレッシブへの対応のコツは「一緒になって盛り上がること」。相手のノリとテンポに合わせ、テンション高く盛り上れると仲良くなれる。

エクスプレッシブは、相手の肩書きや資格などの「スペック」よりも、自分との相性重視な社交型なのだ。そういうノリが苦手な方におすすめなのは、相手の話を聞く時にいつもよりも少しだけオーバーに反応すること。相手が笑ったらこちらも微笑む「笑いのミラーリング」も効果的。基本自分がしゃべりたくて聞くのが苦手なエクスプレッシブには【聞き上手なインタビュワー的存在】で対応しよう。

■アナリティカル:事前予告をしよう
アナリティカルは、主張しない、感情も出さない、何を考えているか一見よく分からないタイプ。研究者、システムエンジニアや事務処理など、黙々と作業を進める、毎日コツコツ正確性を求められる職業の人に多く、技術や知識を求められる業界の営業職の方の中にもよく見られる。話さないからと言って、もちろん意見がないわけではないが、熟考し過ぎて人の対話のペースと合わず、発言の機会を逃してしまう人も多くいる。

そんなアナリティカルとの対話のコツは「事前予告」。意見を聞きたいときや相談したいときは「次の会議で意見を聞かせてほしいことを箇条書きにして、事前にメールしておくなどして、相手の思考時間をきちんと確保すると意見を引き出せるだろう。

急に聞きたくなったら、少しで良いので時間を置くこと。「後でアイデア聞かせてよ」と「今すぐの返事じゃなくてOK」ということを伝えたり、チャットやメールなど相手が考える時間を持てるコミュニケーションツールを使ったりするのがおすすめ。

職場には、自分から主張をする人と、しないで聞き役に回る人、感情を表現する人と、抑える人がいる。でも、意見を言わない人が意見を持っていないわけではなく、感情が見えにくい人も心の中で喜んでいたり怒っていたりする。

これらはコミュニケーションのタイプの一面であり、『仕事ができる、できない』ではなく、その人の持ち味。そういった多様なタイプの人がいることを理解し、相手を尊重した対応をすることが、コミュニケーションにおいてはとても大事。

人のタイプを切り分ける切り口はたくさんあり、ソーシャルスタイルはその一例で、大切なのは相手を色々な角度から見ること。そうやって相手を理解しようと意識していると、次第にその感度は高まり、コミュニケーション力も向上していく。

今すぐ職場でできる!お互いの理解を深められる方法

他にも、コミュニケーションを深める方法がある。例えば、リクルートマネジメントソリューションズでは、職場で社員間の相互理解を促進するために「じっくり会」というものを行っている。

「じっくり会」は、お互いを知るための自己紹介の会議。今までどんな経験を積み、現在、何に思いを注ぎ、これからどのようなキャリアを目指したいのか。得意、苦手、喜怒哀楽を感じる場面など、自分をより知ってもらうために話しておきたいことや、情報共有や相談など、他のメンバーに協力して欲しいことなどを共有する。そして、他のメンバーから期待やサポートできそうなことについてフィードバックを受ける。こういう場が設定されることで、みんなが自分の思いを吐露しやすくなるのだ。

また、新入社員が配属された部署に早くなじむことができるように、新入社員は配属後、部署の先輩一人ひとりにアポイントメントを取り、1対1の面談でお互いの自己紹介をしながら先輩の仕事についてインタビューする、といった取り組みも実施している。このスタイルだと、仕事とともに人となりが理解でき、声をかけやすくなったり、大勢の人前で話すのが苦手な人も話しやすくなったりする効果がある。

相互理解促進のための方法は様々あるが、少なくとも、仕事に対する思いや自分がやりたいこと、課題に思っていることなどの『前提』を共有することは、上司の働きかけや先輩や同僚のサポートが得られやすくなる等、職場でのコミュニケーションにおいて重要なことだ。

「じっくり会」の様子

いかがだっただろうか。

自分とは違うタイプの人と関わる際には、相手の特徴を正しく捉え、意識的に対応を変える。それができると、自然に相手の歩み寄りも生まれ、円滑なコミュニケーションにつながるのだ。コミュニケーション能力は、こうした経験を繰り返していくことで向上していくもの。自分とは違うタイプの人と上手に付き合う「コミュニケーション力」は、これからの時代も社会を生き抜くのに不可欠なスキルだ。まずは一歩ずつ、行動してみてはいかがだろうか。

出典元:リクルートマネジメントソリューションズ

構成/こじへい

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