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相手から「キレた」メールが届いた時に釈明や反論をする前にまずすべきこと

2020.03.30

ビジネスシーンで、誰もが当たり前に使いこなしているメール。

あまりに身近で便利なため、文字情報のみのやりとりが、書き手の細かい心情までは伝えられないというデメリットを、ついつい忘れてしまう。これが、何気ない表現のつもりが相手の逆鱗に触れ、厄介な事態をもたらすリスクにつながる。

そうした事態は、えてして予期もしない「キレた」メールが突然届くことから始まる。

そのとき、あなたはどう対処するだろうか?

まずは相手のメールを読み返そう

あわてて釈明や反論の返信を出してしまいたいところだが、それは「禁物」だと説くのは、ビジネスコミュニケーションのプロ、中川路亜紀さんだ。中川路さんは、「返信する前に、まず相手のメールを読み返す」のが先決だと、著書の『あなたのメールは、なぜ相手を怒らせるのか? 仕事ができる人の文章術』(光文社)で述べている。

読み返すのは直前のメールだけでなく、過去の一連のやりとりのすべて。チェックするポイントは「知らないうちに相手のプライドや立場を傷つけていないか、相手が書いてきたことを無視して自分の言いたいことだけを書いていなかったか」など。忙しさにかまけて、相手の意向をスルーしてしまった可能性にも留意する。

理由もなく相手がキレることはないはずで、今までのやりとりのどこかに、その種がまかれていることに気づくはずだ。

相手がキレているのは、過去のやりとりに原因がある

「自分が至らなかった」というスタンスが大事

で、原因を見つけてからの対処法だが、中川路さんは、「自分が至らなかった、というスタンスをとる」ようアドバイスする。

ただ、それにもコツがある。以下、2つの文例を見て、どちらが適切で、どちらが不適切な内容かわかるだろうか? シチュエーションは、専門家とのやりとりで、相手からこちらが触れた最新情報の細かい点についてチクリと訂正されたというもの。文面からは、機嫌を損ねていることが、ほのかに受け取れる。

・文例1:よくわからずに不正確なことを書いてしまい、たいへん失礼を致しました。
・文例2:この分野では第一人者の先生に向かって生意気なことを書いて不愉快にさせてしまい、申し訳ありませんでした。
(本書177pより)

答えは、文例1が適切で、文例2は不適切な内容。文例2だと、相手の「プライドを傷つけて不愉快にさせた」と言っていることになり、かえって失礼な内容になってしまっている。仮に、それまでのやりとりで、相手がプライドの高そうな人という印象があっても、これはまずい。文例1のように「自分の側が不十分だった」という点を前面に出し、「話を前に進めるために、細かいところには目をつぶる」のが肝要と中川路さん。

相手がキレていても誠意を示して譲歩を求める

次は、相手がケンカ腰だとはっきり読み取れる場合。こちらに落ち度はないからと、ケンカ口調で応酬するのは、ビジネス上明らかに問題だろう。

こうしたケースについて、中川路さんは本書の中で、「仮に相手に譲歩してほしいことがある場合も、まずこちらの誠意を示します。自分の落ち度は反省して詫び、相手の意見の正しいところは認めて、どうしても譲歩してほしいことはていねいにお願いするという話の進め方が必要」とする。

そして、中川路さんは、相手が提示された報酬が低いことに不快感を示し、それが受け入れられない理由を伝えてきたケースを取り上げている。

まず、返信にあたっては、「全面的にその内容の正しさを認め、自分が無知であったことを最初に詫びる」。しかる後、「相手に気を取り直してもらい、改めてお願いするというスタンス」をとるとよいという。具体的には、以下のような文例とする。

・ご指摘のとおりです。こちらの認識不足でご不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます。企画書を作り直しますので、再度ご検討いただくことは可能でしょうか。
(本書181pより)

相手がケンカ腰だからと、怒りの応酬をするのはNGだ

電話や訪問で問題が解決することも

言うまでもなく、ビジネス上のコミュニケーションの手段はメールだけではない。電話や訪問が、メールによってこじれた関係の修復に役立つこともままある。特に、メールの説明が長くなりそうな場合には。

中川路さんは、「何か書いても誤解される恐れがあると思ったら電話に切り替える、いよいよ雲行きが怪しくなったら会いに行く、そんな行動力も問題解決能力の一部です」とする。会ってみたら、互いのわだかまりが一気に氷解したことは、誰しも経験があるだろう。雲行きが怪しくなり始めたら、この奥の手を行使することを念頭に置いておこう。

タイミングのよい電話での応対が、関係修復につながることも

こちらがそうしたメールを書く立場になったら

これまでの話とは逆に、あなたが相手に一言メールで言ってやりたい気持ちに駆られたらどうすべきか? 中川路さんは、幾つかの処方箋を提示している。

例えば、「それはあなたの勘違いですよ」という気持ち。以下のように書けば、ソフトに伝わる。

・ご指摘ありがとうございました。〇〇は△△という意味で書いたつもりでしたが、わかりにくくなってしまいました。申し訳ありませんでした。
(本書187pより)

また、「言っていることはわかりますが、できません」という気持ちを伝えるには…

・おっしゃるとおりです。ご指摘の点については課題と認識しておりますが、現在のシステムでの対応が難しく、ご迷惑をおかけしております。なにとぞご容赦いただきたくお願い申し上げます。
(本書188pより)

こうしてみると、不快感や怒りを表明されたとき、逆にしたいときのメールのお作法だけでも、とても奥深いものであることがわかる。日常、処理すべきメールが多くて、半ば機械的にさばいているビジネスパーソンは心しておくべきだろう。

これだけでなく、中川路さんの『あなたのメールは、なぜ相手を怒らせるのか? 仕事ができる人の文章術』には、相手に伝えにくいことをメールで伝えたり、アポイントをスムーズに決める秘訣など、中堅社員でも目からうろこの知識が満載。「メールがもとで起きたトラブルが最近多いな」とへこみ気味に人には、特に一読をおすすめしたい。

中川路亜紀さん プロフィール
1956年神戸生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て、1998年にコミュニケーション・ファクトリーを設立。ビジネス文書、メールなどビジネスコミュニケーション関連の企画・著述・講演活動を行っている。著書には、『あなたのメールは、なぜ相手を怒らせるのか? 仕事ができる人の文章術』のほかに、『気のきいたモノの言い方ができる本』『気のきいた短いメールが書ける本』『気のきいた手紙が書ける本』(すべてダイヤモンド社)、『ビジネスメール即効お役立ち表現』(集英社)などがある。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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