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実は相手をイラッとさせていた!?やってはいけない電話の取り次ぎ方5選

2020.03.27

企業に電話をかけた際、相手へ電話を取り次いでもらう際に、イラっときた経験はないだろうか? もしかしたら、自分が電話を取り次ぐ立場になったときにも、やってしまうかもしれない。

そこで今回は、「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施しているコミュニケーションのプロであり、電話応対コンクールの審査を長年務めてきた戸田久実さんに、NGな電話の取り次ぎ例や、正しい取り次ぎ法、そしてワンランク上の取り次ぎ法を聞いた。

NGな電話の取り次ぎ例5選

一般的に、電話の取り次ぎでNGとされる5つの例について、戸田さんになぜNGなのかを解説してもらった。

1.「ただいま不在でして」「ただいま離席中でして」しか言わず、その後の案内をしない

「電話をかけてきた相手は、名指し人の在・不在の確認をしたいのではなく、名指し人と話がしたいと思って電話をしてきています。その目的に合う対応をすることが望まれるため、この対応だと不十分です。いつまで不在もしくは離席なのかという情報、今後、どうするのか、例えば折り返し電話をしてくれるのか、伝言を受けてくれるのか、といったその後の提案までできることが求められます」

2.用件を聞かない

「用件がわかったほうが、取り次ぎを受けた相手が電話を代わるときに対応がしやすくなります。相手と用件によっては、電話に出なくても良い場合もあります。例えば、セールスなどの場合です。その判断をするためにも用件を聞く必要があります。

また用件がわかれば、緊急・重要案件なのか否か、今対応すべきなのか否かも判断できます。もし緊急要件でなければ、出かける直前、会議などの直前の場合は、折り返しかけ直すという提案ができます」

3.上司に「さん」を付ける

「社外の人に対しては、身内である上司のことは謙譲語で表現するので、『さん』付けはせずに呼び捨てで表現します。役職者に対しても、『○○課長』ではなく、『課長の○○ですね』と取り次ぎます」

4.相手の社名・名前がきちんと聞き取れていないのに取り次ぐ

「聞き取れないまま取り次ぐと、取り次ぎを受けた人が もう一度相手に確認する必要が出てきてしまいます。電話をかけてきた相手からすると『さっき伝えたはずなのに…。伝えてくれなかったのかな』と不快に思う人もいます。はっきりと『さっきの人に伝えたんだけど、ちゃんと取り次いでくれなかったのかな?』と不満気に言ってくる人もいるくらいです。一度で聞き取れないこともありますが、『恐れ入りますが、今一度お名前(会社名)をお聞かせいただけますでしょうか』とたずねて確認しましょう」

5.不在者の居場所や携帯電話の番号を、相手に教える。

「外部(社外)の相手に、行き先や電話番号は基本、知らせてはいけません。電話番号は個人情報に該当します。本人が『この人から電話があったら連絡先(携帯電話の番号)を知らせて良い』と許可をした場合は伝えるケースもありますが、そうでない場合はこちらから電話をかけ直す提案をしましょう。

特に、『○○社に出かけております』など 取引先の名称を伝えてしまうのは企業内情報に該当するケースもあり、外部の人には伝える必要のない情報です」

電話の正しい取り次ぎ方・不在時の手順

そこで戸田さんに、電話の正しい取り次ぎ方と、不在時にどのように対応するのがベストなのかを教えてもらった。

1.電話を名指し人に取り次ぐとき

電話の相手「わたくし、鈴木商事の伊藤と申します。山田様はいらっしゃいますでしょうか?」

自分「山田でございますね(復唱確認)。かしこまりました。ただ今代わりますので、少々おまちください。」

2.名指し人不在のとき

電話の相手「わたくし、鈴木商事の伊藤と申します。山田様はいらっしゃいますか?」

自分「山田でございますね。申し訳ありません。山田はただ今外出(席を外して)しております。○時頃戻る予定です。戻りましたら、こちらからご連絡するよう、申し伝えましょうか?」

電話の相手「はい、ではお願いします」

自分「かしこまりました。念のためご連絡先をお教えいただけますでしょうか」

電話の相手「03-1234-5678です」

自分「ありがとうございます。復唱いたします。03-1234-5678ですね。山田が戻りましたら、伊藤様にご連絡するよう申し伝えます。わたくし、佐野が承りました。お電話ありがとうございました」

電話の相手「失礼します」

自分「失礼いたします」

3.伝言を承るなど、代案を提案する場合

電話の相手「わたくし、鈴木商事の伊藤と申します。山田様はいらっしゃいますか?」

自分「山田でございますね。申し訳ありません。山田はただ今外出(席を外して)しております。○時頃戻る予定です。わたくしでよろしければご伝言を承りましょうか?」

電話の相手「では、お願いします」

自分「かしこまりました。ではご伝言をお願いします」

電話の相手「・・・・・・・(伝言の内容)」

自分「では復唱いたします。・・・・・・・ですね。必ず山田に申し伝えます。念のため、ご連絡先をお教えいただけますでしょうか。

電話の相手「03-1234-5678です」

自分「ありがとうございます。復唱いたします。03-1234-5678ですね。わたくし佐野と申します。お電話ありがとうございました」

電話の相手「失礼します」

自分「失礼いたします」

ワンランク上の電話の取り次ぎは「心がこもっているかどうか」で決まる!

電話の取り次ぎの正しい方法を押さえた上で、さらに好印象を与える、評価を上げるなどの、ビジネスに有利になるワンランク上の電話の取り次ぎ方法を戸田さんに聞いてみた。

「先の正しい取り次ぎができていれば、好印象を与えるとは思います。

私は電話応対コンクールの審査を長年していましたが、基本の応対に加え、やはり大事なのが、心がこもっているかどうかだと感じています。電話は顔を合わせていない分、『心の声が聴こえる』とも言われています。表情、姿は見えないけれど、今、どういう気持ちで相手と向き合っているか、対面よりもわかると言われています。

例えば電話口で『申し訳ございません、○○はただいま、席を外しております』という同じ表現を使ったとしても、面倒臭そうに言っているように聴こえる人、事務的に冷たい感じで言っているように聴こえる人もいます。『本当に申し訳ない』という気持ちがこもっているかどうか、そのときの思いを表現できるかが大事だと思います」

電話の取り次ぎに自信がなかった人はもちろん、自信はあったがいまいちできていなかったという人は、ぜひ実践してみよう。

【取材協力】
戸田 久実さん
アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役
大手民間企業や官公庁などで「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施。講師歴は27年。指導人数は20万人。近著は『アンガーマネジメント』(日本経済新聞出版社)
http://www.adot-com.co.jp

取材・文/石原亜香利

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