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リモートワークに向いている人と向いていない人の違いはどこにある?

2020.03.26

現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにも、各社でリモートワークが推奨されている。これまでリモートワークではなかった人が、急きょ、リモートワークになったケースもあるかもしれない。慣れないと、何かと不便さを感じることもあるだろう。そもそも、リモートワークに向いている人と、向いていない人というのはあるのだろうか? リモートワークの熟練者に聞いてみた。

リモートワークに向いている人と向いていない人の違い

今回、話を聞いたのは、コワーキングオフィス「W Complex」の運営やリモートワークを応援するWEBメディア「anywher」などを運営するWM & Creators株式会社 代表の大西竜治さんだ。もうかれこれ、リモートワーク歴は9年に及ぶという。

リモートワークは、向いている人と、向いていない人とに分かれるものなのだろうか?

「完全に分かれると思います。まず、リモートワークでもアウトプットの質が変わらないのはもちろん、アウトプットの質やスピードがリモートワークによって上がる人でないと、本質的に向いているとは言えないと思います。これは人だけでなく、業種においても同じことが言えると思います」

そこで大西さんに、リモートワークに向いている人と向いていない人の違いを挙げてもらった。

1.当事者意識を持てるかどうか

「与えられた仕事に対して“当事者意識”を持てる人はリモートワークに向いていると思います。なぜなら、リモートワークではリアルワークと違い、機微の変化に気づきづらく、小さな問題が顕在化しづらい環境だからです。

当事者意識を持たない人の場合、そういった小さな問題を放置して人任せにしてしまう傾向があります。後々、この小さな誤差が大きな問題に発展しがちです。一方、当事者意識を持つ人は、小さな問題に気づいたら自ら解決策を実行したり、周りに相談したりできるので大きな問題になる可能性が低いです。仕事を頼む側も安心して仕事を頼むことができるので、管理コストに大きな違いが出ます」

2.非同期コミュニケーションが得意かどうか

「リモートワークの基本は、時間や場所が異なる“非同期コミュニケーション”です。つまりチャットやタスク管理ツールなどで非同期コミュニケーションをスムーズに取れる人が向いています。電話や対面のコミュニケーションのほうを得意としている人は向いていないといえるのではないでしょうか。自分が稼働している日中に、誰もが仕事をしているわけではありません。夜中に作業する人もいます。リモートワークでは、その前提で仕事をする必要があります。また『リアルタイム性の求められる緊急度のものを除き、チャットでのやり取りもリアルタイムで返す必要はない』というような共通ルールを策定し、そのルールに基づいてコミュニケーションを取ることも必要です」

3.オン・オフの切り替えをはっきりさせたいかどうか

「『オン・オフの切り替えが上手い人がリモートワークに向いている』とよく言われますが、それは幻想である気がします。リモートワークでは、仕事とプライベートの明確なオン・オフの切り替えがないため、きっぱり分けたいという人は向いていないと思います」

4.作業がはかどる環境を用意できるかどうか

「リモートワークでは、自宅やコワーキングオフィスなど、作業環境は人によってそれぞれ異なります。しかしオフィスで仕事している状態と同じレベルで作業ができる環境は必要なので、最低限、それを実現できている必要があると思います。例えば、高速Wi-Fi環境や、デュアル・ディスプレイ、疲れにくい椅子やデスクなど、柔軟に自分自身でより良い環境を用意できるかどうかは、リモートワークではとても大事です」

リモートワークに向いていないかも…どうする?

もし、リモートワークに向いていないと自覚している人がいるなら、急遽リモートワークをする必要が出てきた場合、どのような対策が考えられるだろうか。大西さんにアドバイスしてもらった。

●タスク管理ツールを活用する

「タスク管理ツールをしっかり活用すると良いと思います。タスク管理ツールは日頃から準備していないと、慣れず、ハードルが高いですが、SlackやLINEなどのグループチャットでのコミュニケーションとは別の目的、つまりタスクを細分化してステータスや担当など管理するなどの目的で使用するものなので、リモートワークには必要だと思います。

管理者と作業者がタスクを共有するほか、作業者は日報も書き、やったことに対してログを残すこと。これをしないと管理者と作業者が互いに疑心暗鬼になり、ギスギスすることもあると思います」

●疑似的に“みんなで作業”の環境を作る

「リモートワークに向いていないと感じている人は、擬似的に“みんなで作業している”という環境を作る出すほうがいいと思います。ある意味、みんなと一緒だから仕事する、というような相互監視的な環境です。例えば、クラウド上に仮想オフィスを作って、そこで社員やチームで集まって仕事をするといったようなサービスは有効的だと思います」

リモートワークのメリット・デメリット

リモートワークの特徴について、さらに知るために、大西さんが思うメリットとデメリットを聞いてみた。

●メリット

「集中できる時間は人それぞれ。自分の好きなタイミングで仕事ができるのはメリットだと思います。また雇用側からすれば、『成果に対して評価する』というのを徹底できます。社員が、会社に来て“仕事をしたつもり”になることや、成果を求められている仕事は終わっているけれど、定時までいなくちゃいけないから無駄な仕事をする、などの謎現象を避けられます。

また優秀な人は、一見、仕事と関係ない趣味などから新しい発見を得たり、リフレッシュがうまかったりすると思いますが、そうした仕事以外の有意義な時間を、リモートワークでは取りやすいという点もメリットだと思います」

●デメリット

「リモートワークは基本、一人で仕事するので孤独になりやすいというのが、一番のデメリットだと思います。そのため、オンラインの朝会や、週次の報告MTG、Slackなどで仕事以外のことをダベれるチャンネルを作るなどして、孤独にならないような工夫が必要かと思います。また仕事終わりに同僚と『今日、飲みに行かない?』という飲みニケーションはなくなるので、そういうのが好きな人は寂しくなるかもしれません。

当然、リアルでの出会いやコミュニケーションは大事です。リモートワークだとその機会はなかなか作れないので、新しい人に出会うためにイベントに参加するなど、自分から行動していかないと狭いコミュニティに留まり、新しい情報が入ってこないのもデメリットかと思います」

リモートワークには向き・不向きがあるようだが、不向きであってもリモートワークを余儀なくされることもある。そんなとき、いかにリモートワークの特徴をとらえ、工夫しながら実施していくことがポイントといえそうだ。

【取材協力】
大西 竜治さん
WM & Creators株式会社 代表
フルリモートワークの組織体制で一時は組織拡大に舵を切るが失敗。 その経験から「個の時代」における組織のあり方、働き方にフォーカスし、事業を展開。クライアント企業の受託開発のメイン事業の他に「個の時代」の新しい働き方にマッチするオフィス“W Complex”の運営やリモートワークを応援するWEBメディア“anywher”などを運営。東京と愛媛の2拠点生活をおくる。

「W Complex」
https://w-complex.com/
「W Complex」内覧受付中。予約ページ
https://w-complex.com/nairan/

取材・文/石原亜香利

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