ただし、プチ「美食倶楽部」がピークだったのは1〜2年前までで、最近は、各コミュニティーの幹事が新しい店探しに、そろそろ疲れ始めた、という噂も。日本では美食はSEXより気持ちがいいのですから、このシステムが消えることはないでしょうが。
ところで、スペイン北部のバスク地方にある世界一の美食の街サンセバスチャンは、昔から女性が強く、男性が台所に入ることが許されなかったため、料理好きの男性が、休みの店の厨房に集まって料理を作って食べる「ソシア・デ・ガストロノミカ」と呼ばれる「美食倶楽部」が100以上存在すると言います(テレビで何度か紹介されているのでご存じの方もいるでしょう)。これを日本で始めたのが、文藝春秋で長く『東京いい店うまい店』の編集長を務めた柏原光太郎氏が主宰する『日本ガストロノミー協会』。前で触れた、3番目の美食倶楽部です。
この会は、月2回、月曜日に、料理好きの男たちが表参道のキッチン・スタジオに食材を持って集まってお互いに料理をふるまい合い、月曜定休のレストラン(多いですよね)のシェフもよく参加しているので、料理を教えてもらえることもしばしばなんだとか。こうした大人の遊びの「美食倶楽部」なら、いい店を荒らすこともなく、大歓迎なんですが。
大田区雑色の『トラットリア・ラ・マルゲリータ』は、客がワインをボトル半本以上空けられることが必須のワイン中心のイタリアン。営業は水・金・土の週3日で、1日2〜3組が限界。予約は年2回しか受け付けておらず、それで1年分の席が埋まってしまうとか。と聞くと気難しそうなイメージですが、実際は夫婦で営業しているアットホームな店。食べログの点数は3.29ですが、美食倶楽部に食べログの点数は関係ありません。
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取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ