小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

アストンマーティン「Vantage」ファミリー誕生70周年!歴代の名車を振り返る

2020.03.19

V8 VantageとV8 Vantage Zagato

次に登場したのが、初代アストンマーティンV8 Vantage。このクルマは、先代モデルとはまったく異なるエンジニアリングおよびパフォーマンス面の特徴を備えていた。

1977年の発表当時、このクルマは“英国初のスーパーカー”と称賛された。0~60mph(約96km/h)加速ではフェラーリ・デイトナを打ち負かし、最高速度は170mph(約274km/h)に達した。

エンジンは、ラゴンダが当時製造していたラグジュアリーセダン用と同じものだったが、高性能カムシャフト、高圧縮比、大径化されたインテークバルブ、新設計されたマニホールド、大型キャブレターなどを組み合わせることにより、出力が向上していた。

V8 Vantageは、英国製の高性能スポーツカーとして、その車重をものともしないパフォーマンスを発揮。自動車雑誌によるロードテストによると、“保守的な”デザインのVantageは、ランボルギーニ・カウンタック、フェラーリ512BB、ポルシェ911ターボといった同時代のライバルを上回る性能を見せたという。

この世代のVantageが大幅なパフォーマンス向上を果たしたのは、300bhp台のパワーを叩き出したV8エンジンへのアップグレードによるものだ。

キャブレターは、より大型のウェーバー製48 IDFが採用され、インテークマニホールドも改良。大径化されたバルブ、デザインを見直したエキゾーストマニホールド、改善されたカムシャフトと高圧縮比により、馴らし運転が終了したこのエンジンは、380bhpを発生する能力を備えていた。

しかし、アストンマーティンは、その強力な最高出力を、いかにも英国らしい控えめな表現で、“適切なパワー”と説明していた。

V8 Vantageのシャシーは、アジャスタブルタイプのKONIダンパー、短縮したスプリング、大径フロント・アンチロールバーによって剛性を引き上げていた。255/60 VR15ピレリCN12タイヤを装着するため、スペーサーを入れてトレッドが拡大された。

空力特性の最適化を図るため、エクステリアは明確に差別化。標準バージョンのAM V8と比べ、V8 Vantageはフロントエアダム、完全に塞がれたグリルに設置されたシビエ製H4ツイン・ドライビングライト(ラジエーター用の冷却エアはバンパー下から導入)、リアのブーツリッド・スポイラーなどを特徴としていた。

これらの空力パーツは、リフト(揚力)を低減させるために不可欠。もう1つの大きな特徴としては、ダウンドラフト・キャブレター上に設置された大型エアボックスを覆うために必要な、ボンネットバルジの採用が挙げられる。

V8 Vantageは、30年間にわたって大きな進化を遂げ、1990年に5.3リッター・エンジンを搭載した“X-Pack”仕様が発表されて一つの時代が終わりを告げる。

このモデルは、よりボディの短い、先進的で非常に希少なV8 Zagatoサルーンのベースとしても使われた。この世代のVantageは、アストンマーティン・ラインナップの絶対的な頂点に君臨するモデルであり続けた。

Vantage(スーパーチャージドVantage)

1990年代のアストンマーティンは、引き続き“スーツを着た野獣”と評されるスポーツカーを製造することに情熱を傾けた。

その結果として登場したのが、Virageをベースとした1993年のVantage。このモデルは“スーパーチャージドVantage”の異名を取り、後に新世代のV8 Vantageへと引き継がれる。

あらゆる意味で重量級といえるこのVantageの車重は、1,990kg。ヘッドライトは6灯式で、フロントには巨大な直径362mmのベンチレーテッド・ディスクブレーキと4ピストンAPレーシング・キャリパーが組み合わされていた。これはその当時、ロードカーに搭載された最強のブレーキ。

このように贅沢な装備を持つグランドツアラーには、強大なパワーユニットが必要だ。このモデルには、5,340cc V8エンジンにイートン製スーパーチャージャーを2基組み合わせた。

最高出力550bhp、最大トルク550 lb-ftを発生したこのパワーユニットは、市販車に搭載されるものとして世界最強を誇った。1998年後半にデビューしたV600バージョンでは、さらに出力が50bhp強化されている。

最高速度は186mph(約300km/h)に達し、0~60mph(0~96km/h)加速は4.6秒。高速走行テストでは、200mph(約322km/h)に迫る最高速度が記録されたと噂されている。

スペシャル・エディションのV550、V600およびV8 Vantage Le Mansなども投入され、2000年10月の生産終了に至るまで、この世代のVantageは新鮮さを失わなかった。

DB7 V12 Vantage

1999年のジュネーブモーターショーでデビューしたDB7 V12 Vantageが、次世代Vantageのエンブレムを掲げるモデルとなった。

世界的に有名なデザイナーのイアン・カラムによって完全に新しくデザインされたこのクルマは、フォード・リサーチ&ビークル・テクノロジー・グループおよびコスワース・テクノロジー社との緊密な協力体制によって開発されたオールアルミニウム合金製5.9リッター48バルブ V12エンジンを搭載し、420bhpの最高出力、400 lb-ftの最大トルクを発生。

シャシーも強化され、当時としては非常に斬新なフロントおよびリア・サスペンションのセットアップを採用していた。

このモデルが登場するまで、アストンマーティンVantageは、標準仕様のエンジンを搭載していたが、DB7 V12 Vantageはそれらと一線を画した新しいエンジンを採用し、直列6気筒エンジンを搭載したVantageともまったく異なるモデルに仕上っていた。

その結果、非常に印象的なパフォーマンスが実現。当初は、クロスレシオの6速マニュアル・トランスミッション(最高速度184mph(約296km/h)、0~60mph加速5.0秒)または5速オートマチック・トランスミッション(最高速度165mph(約266km/h)(リミッター作動)、0~60mph加速5.1秒)の2つの選択肢が用意されていた。

しかし、2000年以降、ZFとの共同開発で高い評価を得た“タッチトロニック”システムも選択できるようになった。

ブロックシャム工場で4年半にわたって製造されたDB7 V12 Vantageクーペの生産台数は2,091台に達し、VolanteおよびGTと合計した数字は、アストンマーティンにとって新記録となった。最後のDB7 V12 Vantageは、2003年にブロックシャム工場からラインオフされた。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。