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イノベーションを起こすGoogleの企業文化に根付く思考法「Think 10x」と目標管理法「OKR」

2020.03.24

グーグルの企業文化に根付いている「10x」の考え方

企業文化としてイノベーションが根付いている、グーグル社。同社には、イノベーションを起こす8原則があるが、その筆頭が「Think 10x」(シンク・テンエックス)というものだ。

これは、端的に言えば「10倍」の改善や向上をはかるという思考法(「10%」の書き間違いではない)。この考え方が、イノベーションを起こす引き金になるという。

実際、この考え方を体現したのが、同社の自動運転車プロジェクト。全くの白紙から始めて、試験車を100万マイル走らせるまでには、10倍の成果を出し続ける思考法が不可欠だったという。

グーグル社が重要視する「Think 10x」(画像:Annova Studio)

ビジネスパーソンにも「10x」思考が不可欠

ちょっと考えれば「Think 10x」が、いかに難しいかがよくわかる。しかし、こうした目標設定は、個々のビジネスパーソンにも必要だと力説するのは、ポーランド出身で、未来創造企業プロノイア・グループを経営するピョートル・フェリクス・グジバチさんだ。

ピョートルさんは、著書『CREATE WORK 自分だけのキャリアをつくれる人が入社1年目から大切にしていること』(SBクリエイティブ)の中で、「達成できるかできないかギリギリのラインを目標に設定するのではなく、到底達成できない目標を掲げ、どうすれば達成できるのかを考え抜き、実行しなければなりません」と説く―ビジネスパーソンとして頭ひとつ抜け出す存在になりたければ、だ。

ここでいう、「達成できるかできないかギリギリのライン」とは「前年比売り上げ10%アップ」といった従来型の目標。これに「10x」を当てはめれば、売り上げ10倍となる。

ピョートルさんは、ブラック企業顔負けの業務量を抱えよと示唆しているわけではない。ねらいは「従来の考え方を変える」こと。「固定観念や前提を一旦横に置いて従来とは違うルールや方法を見つける」ことで、現在の延長線上とは違うレベルを目指すことができる。

ピョートル・フェリクス・グジバチさん

組織レベルの「10x」の成果に有効なOKR

そのための手法として挙げられているのが、OKR(Objectives and Key Results)という目標管理手法。目標(Objectives)の達成のために必要な要素を約3つの成果指標(Key Results)に分解し、進捗をトラッキングするというものだ。

ピョートルさんによれば、日本企業でもメルカリやユーザベースなど、飛躍的な成長を遂げている企業が数年前からOKRを取り入れて運用しているという。

また、ピョートルさんは、組織の一員として仕事に取り組む際は、次のような意識を持つこともすすめている。

・できる限りすべてシェアする:コラボレーションはイノベーションに不可欠。そして、それは情報をオープンに共有するときに最も効果的になる。
・どこからでもアイデアを探す:素晴らしいアイデアは、いつもどこかにあるので意識して探す。
・競争ではなくユーザーにフォーカスする:ユーザーの生活をさらによくする方法に単に集中すれば、どの製品も改善できると考える。

意識的にフローに入り集中力を高める

個人レベルで「10x」を達成する一助としてピョートルさんが挙げるのが、「フロー」状態になることだ。

フローとは、時間が経つのを忘れるほど1つのことに集中・没頭している精神状態を指す心理学用語。スポーツの世界で一流アスリートが重視し、ご存知の方も多いかもしれないが、これはビジネスパーソンにも欠かせない。なぜなら、フローになることで、創造性・問題解決能力が4倍になる、スキルの学習速度が2倍速になるといった効果が期待できるから、とピョートルさんは説く。

フローの状態に入りやすくするコツとして、ピョートルさんが提示するキーワードは、やはり「目標」。明確な目標を持ち、「何のために取り組んでいるかに自覚的になると、それだけで集中力が高まる」という。また、その目標に対し適宜フィードバックをもらえるようにする、「ギリギリ手が届く」目標を設定するなどすることも重要。フローは、何かの拍子に偶然できるものでなく、こうしたコツをふまえて意図的に没入できるものだという。

「インパクトが高く、学びが多い」仕事の機会を増やす

「10x」と多少とも関連することとして、ピョートルさんは「学び続ける」必要性にも言及している。

身に付けたスキルが短期間に陳腐化する時代だからというのもあるが、新たに学んだスキルが過去のスキルとかけ算効果を発揮して、飛躍的な成長ができる可能性も無視できない。

そして、学ぶ場ややり方もいろいろだが、ピョートルさんは、学びの効率が最もいいのは、1日の活動時間の大半を占める職場だと述べる。さらには、日々の仕事のなかで、「インパクトが高く、学びが多い」機会を増やすことが大事だとも。

ここで言う「インパクト」とは「同じ時間で生み出す価値の高さ」を指す。その意識があれば、新米社員でも「インパクトが高く学びが多い」ことは可能だ。例えば…

あなたが新米の広報担当者だとしましょう。会社のメンバーが取材を受けるときに、ただ聞いているだけでなく、同席したあなたが取材の記録を丁寧に取っておけば、事実確認がスムーズなうえに、そのテキストをベースに会社のブログやフェイスブックの投稿に応用できますよね。あるいは音声を録音しておけばポッドキャストに、動画を撮影しておけばユーチューブにアップできるかもしれません。どんな仕事をするにせよ、インパクトを高めることを念頭に置くだけで、発揮できる価値量が変わってくるのです。
(『CREATE WORK』150pより)

これとは逆に「インパクトが低く、学びが少ない」仕事は、なるべくアウトソーシングするのが正解。それが無理な場合は、効率化を考えることをピョートルさんはすすめる。

「インパクトが高く、学びが多い」仕事を増やそう

ピョートルさんは、日本企業と外資系企業での働き方の違いの1つに「目標(ゴール)設定」を挙げる。つまり、日本企業では、目標があいまいでタスクをこなすことが優先されがち。これでは高い目標に到達しようとして、成長する機会も生まれない。もし、日々の仕事に停滞感があるなら、「目標を高く設定して、それに見合うように動いていく」というピョートルさんの言葉を噛みしめるべきだろう。

ピョートル・フェリクス・グジバチさん プロフィール
プロノイア・グループ(株)代表取締役、モティファイ(株)取締役チーフサイエンティスト、TimeLeap(株)取締役。プロノイア・グループにて、企業がイノベーションを起こすための組織文化の変革コンサルティングを行ない、その知見・メソッドをモティファイにてテクノロジー化。またTimeLeapにて子どもの起業家を育成する。
ポーランド生まれ。2000年に来日し、ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て2011年にGoogleJapanに入社。アジア・パシフィック地域におけるピープル・ディベロップメント(人材開発)に携わったのち、2014年からはグローバル・ラーニング・ストラテジ(グローバル人材の育成戦略)の作成に携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発の分野で活躍。2015年に独立し現職。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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