『iPad』との相性の良さ、高性能・高機能は認めつつ〝お高い〟アップル純正のペンシル&キーボードは手を出しにくいのも事実。そこでライターと編集部員がそれに代わる、より手頃なサードパーティー品を検証。知られざる掘り出しものを探し、辛口で評価した。
(右)『iPad』愛好ライター 安藤政弘さん
2017年のホームボタン付き『iPad Pro』12.9型を使用。写真、録音、原稿など、仕事関連の作業を1台でこなす。ケーブル系はサードパーティーもので間に合わせている。
(左)『iPad』ビギナー 編集・テラダ
2017年の『iPad Pro』12.9型を所有。〝純正原理主義〟でサードパーティーものは未体験。Netflixなどの視聴のみに使っており、本特集を機に仕事で活用したいと考えている。
純正を超えるペンは安く買えるのか
テラダ 不思議なんですけど、純正以外を何で買うのかなぁ。同じアイテムがないなら別として、アップル製があるんだからフツーにそれを買えばいいだけのに。
安藤 おぉ、セレブ的な発言ですねぇ〜。嫌われますよ(笑)。例えば、『iPad Pro 11インチ』のペンシルとスマートキーボードを純正で買ったら約3万1000円だよ。本体を買って財布がカラッカラだと〝Amazonで1万以下で揃えるか〟ってことに、普通はなるでしょ。
テラダ Amazonで売ってるサードパーティーものは無名の中華系ブランドがほとんど。信頼のないメーカーに1万円払うのはどうかと……。
安藤 今回はそんなガッチガチの純正派に、少しはサードパーティーのよさを知ってもらおうと、純正VSサードパーティーをテーマに、検証することにしたわけ。
テラダ 『Apple Pencil』の対抗に選んだ、『Crayon』は反則でしょ(笑)。ロジクールは無名ではないし、そもそも〝アップルペンシルテクノロジー〟を使う〝準純正品〟ですからね。あまり大きな声じゃ言えないけど、筆圧感知なしで3000円安は微妙でしたね。むしろアドニットの『Dash3』のほうがお買い得かな。
安藤 『Dash3』はパームリジェクションがないものの、メモで使うなら十分。デザインも悪くないし。
テラダ これは特例ですよ。テストのために無名系のペン10本を集めてみたけど、使いたいと思ったのは2本だけ。トラップ多すぎでしょ! まだまだサードパーティーのペンは玉石混交の感はありますね。
キーボードには純正を脅かすライバルが!
テラダ キーボードで選んだロジクールの『iK1055BK』は相当よかったですよ。純正にない自立スタンドは、動画を見る時に便利。これは負けたかも(笑)。
安藤 360度回転&7色キーボードタイプは歓楽街ノリがよかったよね。
テラダ ケース付きじゃないけど、iCleverの折り畳みキーボードは打ちやすかった。キーボードに関しては、サードパーティーを見直したかもしれない。
【PENCIL】書き味とグリップ、充電のしやすさをチェック!
純正
●タッチペンの常識を変えた筆記感は健在
アップル『Apple Pencil(第1世代)』1万800円
円柱形のシンプルを極めたデザインが特徴。傾き検知と筆圧感知によって、文字もイラストも鉛筆のように思いのまま描ける。『iPad Pro』以外の現行『iPad』に対応する。
ペン先だけを感知するパームリジェクションに対応。手が触れても安心。
充電はライトニングポート直挿し。見た目が悪く本体と同時充電は不可。
【書き味】★★★★★ 【グリップ】★★★★☆ 【充電】★★★★☆
〈ANDO’S REVIEW〉筆記は快適だが、機能や形状を第2世代と比べると旧式感は否めない。直押しはキャップ消失の元。
●使えるのは『iPad Pro』ユーザー限定
アップル『Apple Pencil(第2世代)[MU8F2J/A]』1万4500円
現行の『iPad Pro』専用で、軸に平面を設けることで転がりにくいデザインに刷新。消しゴムをはじめ、ツールの切り替えがダブルタップでできるなど機能も進化した。
『iPad Pro』の画面のコートも変わったので、より鉛筆に近い書き味に。
マグネットでペンを貼り付けることで充電が可能。一気にスマートに。
【書き味】★★★★★ 【グリップ】★★★★★ 【充電】★★★★★
〈TERADA’S REVIEW〉充電の進化ばかりに目がいくが、細く、短くなりグリップ感も向上した。現行のみ対応は鬼。