小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

1反100万、200万円は当たりまえ!着物の女王「本場奄美大島紬」はこうして作られる

2020.03.14

「大島紬(おおしまつむぎ)ってすごく高価なものらしい」と聞き知っていても、大島って伊豆大島だっけ、奄美大島だっけ? 程度の甘い認識でいたのを反省したい。現地で大島紬の作業工程を見学し、緻密で丁寧な手仕事に言葉を失いました。鹿児島県奄美大島の「大島紬村」では、ほかでは味わえない感動体験が味わえます。

「着物の女王」大島紬を知っていますか?

和服に興味のある人はもちろん、そうでない人でも「大島紬(おおしまつむぎ)」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

大島紬は、鹿児島県奄美大島に伝わる織物。インドから伝えられたイカットという織物がルーツとされ、歴史は古く、一説によると約1300年ともいわれています。奈良時代には天皇への捧げものとして献上されました。その後も、生活物資と交換したり、税として納めたりするなどして、奄美の暮らしを支えてきました。

30~40もの工程を経て織りあげられ、フランスのゴブラン織、トルコ・イランのペルシャ絨毯と合わせて「世界三大織物」と称されるほど高い評価を得ています。絹なのに控えめなツヤ感で、ニュアンスのあるグレーや褐色などの渋い色が特徴。生地はしっとりとした肌触りで、着るほどに身体になじみ、しなやかな風合いが増していきます。さらに、暖かくシワになりにくいことなども、伝統が生み出した機能美そのもの。

大島紬と、本場奄美大島紬の違い

「大島紬」と呼ばれるものの中でも、大島紬発祥の地である奄美大島で生産されたものを「本場奄美大島紬」と呼びます。さらに、「大島紬」とされるには以下の5つの定義があります。

1. 絹100%
2. 先染め手織り
3. 平織り
4. 締機(しめばた)で手作業によりタテ・ヨコ絣(かすり)の加工をしたもの
5. 手機(てばた)でタテ・ヨコ絣をかすり合わせして織りあげたもの

簡単に聞きなれない専門用語の解説をすると、

先染め…生地を織る前に糸を染めること
平織り…タテ糸とヨコ糸を交互に織ること
締機…絹糸を染める前に、白く染め残す部分を木綿で挟み込み染まらないようにする織り機
手機…手織り機
絣(かすり)…先染めした糸(絣糸)から白く染め残した部分で織り出した模様

先に生地の模様を考えてから糸を染め、糸を織りあげて模様を作るという細やかな手仕事が、本場奄美大島紬の特徴です。

奇跡の染め技術を生んだ植物と隕石パワー

ここからは、奄美大島の伝統工芸であることを強調して、「本場奄美大島紬」の語を使います。先ほど、生地を織る前に糸を染めると言いましたが、糸の染めについても「泥染め」という独特の方法で行われています。この話がミラクルすぎて想像を絶する内容となっています!

奄美大島では古くから、マングローブなどの煮汁を使った植物染めが行われていました。たまたまテーチ木で染めた着物に田んぼの泥がついたところ、渋い黒色に。こうして、本場奄美大島紬の「泥染め」技術が発見されました。テーチ木とは車輪梅(しゃりんばい)というバラ科の植物で、街路樹としてよく植えられています。

この木がシャリンバイ

太古の昔のような泥田に入って染めを行う

本場奄美大島紬は、奄美大島の泥でないと渋い色が出ないのが不思議なところ。それは、テーチ木にふくまれるタンニンが、泥に含まれる鉄分によって酸化するから。さらに、奄美大島全域でできるわけではなく、発祥地である龍郷町(たつごうちょう)あたりの土でないと、独特の色が出ないそうです。

その理由は……宇宙から降ってくる隕石(いんせき)!?

はるか昔、龍郷町あたりに隕石が落下し、隕石に含まれた鉄分が土に加わり、泥染めに適した地となったという伝説があります。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。