Slackなどのビジネスチャットツールがスタンダードになりつつあるとはいえ、まだまだメールでのコミュニケーションは仕事をする上で欠かせない。すっかりグローバル化したビジネスシーンでは、海外からの問い合わせに対応したり、急に海外のクライアントとのやりとりを任せられることもあるはずだ。
本記事では独学で英語を学びTOEIC900を取得したのちに、海外営業担当として働いている私が、普段から多用する「知っておけば便利なフレーズ」を紹介する。
件名の付け方
英語でメールを書くときに案外迷ってしまうのが、件名の付け方だ。何かを依頼するときや、問い合わせをする時など、シチュエーションに合わせて正しい件名をつける必要がある。
依頼するとき
“Request for ~ “= 「〜のお願い」
例文
“Request for an Estimation”
「お見積もりについてのお願い」
問い合わせをするとき
“Inquiry for ~” = 「〜についての問い合わせ」
例文
“Inquiry for Your Order”
「ご注文についてのお問い合わせ」
話したいトピックについて知らせたいとき
“Regarding ~ “「〜について」
例文
“Regarding A Meeting Agenda”
「ミーティングのアジェンダにつきまして」
感謝を伝えるとき
“Thank you for ~ “= 「〜ありがとうございました」
例文
“Thank you for visiting us yesterday.”
「先日はお越しいただきありがとうございました」
自分から相手にメールを送るときは、これらのフレーズを覚えていれば90%は対応できるはずだ。メールの内容と送付の意図を照らし合わせて適切なフレーズを選んでいただければいいと思う。
メール冒頭で使えるフレーズ
日本語でも英語でも、メール冒頭で使用する決まり文句が存在する。日本語の場合だと、メールの書き出しは相手の名前から、そして「お世話になっております」や「お疲れ様です」と続く。では英語だとどうなるか見ていこう。
基本のルール
名前の後には必ずカンマ ( , )を入れる
名前
フォーマル : Dear + Mr. / Ms + 名字
“Dear Mr. / Ms. Tanaka”
*ポイント : Mr. / Ms.の後には必ず名字を持ってくること
相手との面識がなかったり、目上の方に連絡するときに使える。もっともフォーマルな表現なので、ビジネスシーンでもこの呼び方をしておくと失礼にあたることはない。
ややフォーマル : Dear + 名前
“Dear Taro”
面識があり、日頃からメールでやりとりをしている取引先にはこの表現が適切。
“Hi”や”Hello”も使わないことはないが、ある程度クライアントとの関係が構築されている場合のみ使用するべきだ。カジュアルすぎると捉えられるケースもあるので、ビジネス英語でメールを書くことを踏まえて、フォーマルな表現を使ってみよう。
挨拶
日本語の「お世話になっております」や「お疲れ様です」などのよう、英語でメールを書くときにも冒頭に挨拶のフレーズを入れる。
以下のような「お元気でしょうか」という相手を気遣うフレーズを入れると、メール全体の印象がスマートになる。表現は微妙に異なるが、意味はほとんど同じだ。
「お元気でしょうか」と伝える
“I hope you are well.”
“I hope everything is well with you.”
“I hope everything is going well with you.”
“I hope this email finds you well.”
「感謝」からメールを書き始める
また、相手から送られてきたメールへの返信であれば挨拶の代わりにお礼を述べるところからメールをスタートしてもいいだろう。
“Thank you for your reply.”
「お返事ありがとうございます」
“Thank you for arranging the schedule.”
「スケジュールの調整をいただきありがとうございます」
“Thank you for letting me know.”
「お知らせいただきありがとうございます」
“Thank you for sending me documents.”
「資料を送付いただきありがとうございます」
本文で使えるフレーズ
メールの件名を書き、冒頭で相手の名前の書き方と挨拶の仕方を覚えたら本題に入る。もちろんメールの内容によって使うフレーズは様々だが、どんな業界でも業種であっても使用頻度が高く普遍的に役立つフレーズをまとめた。
メールの概要を伝える
“I am writing this email to inform you that ~”
「~をお知らせするためにこのメールを書いております」
例文
“I am writing this email to inform you that the meeting has been cancelled.”
「ミーティングが中止になってしまったことをお知らせするためにこのメールを書いております」
“This is to inform you that ~”
「このメールは~をお知らせするためにお送りしています」
例文
“This is to inform you that I will be out of the office from March 10th to 15th.”
「このメールは私が3月10日から15日まで不在となることをお知らせするためにお送りしております」
添付資料を確認してもらう
“Please kindly find the attached file.”
「添付資料をご確認くださいませ」
相手にお願いをする
“Would it be possible for you to ~”
「~していただくことは可能でしょうか」
例文
“Would it be possible for you to send me the documents by tomorrow?”
「明日までに資料をお送りしていただくことは可能でしょうか?」
“It would be appreciated if ~”
「~していただけますと幸いです」
例文
“It would be appreciated if you review the documents that I sent.”
「私がお送りした書類を見直していただけますと幸いです」
丁寧に断る
“I am afraid that ~ “
「恐縮ではございますが~です」
例文
“I am afraid that I have to decline your offer this time.”
「恐縮ではございますが、今回は辞退させていただきます」
謝る
“I am sorry for ~”
例文
“I am sorry for the delay in my reply.”
「お返事が遅れてしまい申し訳ございません」
“I apologize for ~”
例文
“I apologize for the inconvenience.”
「ご不便をおかけいたしまして申し訳ございません」
“So”や”Deeply”などを使って程度を表すこともいいだろう。
結び
日本語だと「よろしくお願いいたします」などの言葉でメールをしめる。英語でもメール本文をしめる決まり文句が存在する。
「よろしくお願いいたします」
“Best regards,
Taro”
“Kind regards,
Taro”
“Warm regards,
Taro”
“Regards”は「敬意」という意味がある。つまり”Best regards,”で「最上の敬意を込めて」という意味となる。”Kind”や”Warm”は”Regards”を強調するワードだ。そのまま日本語に訳すことはできないが「よろしくお願いいたします」の役割に限りなく近い。
目上の人にメールを書くときや、フォーマルなメールを書かなくてはならないときには”Sincerely”を使う。
またカンマと名前の間で改行するのが一般的なルールだ。忘れないようにしよう。
筆者自身は3年ほど毎日英語でメールを書いているが、”Sincerely”はほぼ使わない。メールを書く人によって「自分がよく使うフレーズ」がある。慣れてくれば使い分けができるが、ひとまず”Best regards,”で締めておけば間違いがない。
お決まりのフレーズから始めよう!
ビジネスメールを英語で書くうえで間違いなく役に立つフレーズをピックアップした。最初はどのフレーズを使えばいいのか迷うと思うが、繰り返す中でニュアンスがつかめてくるはずだ。まずは「お決まりのフレーズ」からビジネス英語を学んでみてはいかがだろうか。
文/Sleepyhead