暖かくなり、そろそろセーターをしまう時期だ。かつてはクリーニングに出してから収納したが、昨今は専用の洗剤なら縮まないので手で洗う。リタイア家計にとっては、大幅なコスト削減になる。
だが洗い方とは無関係に、どうしようもないのがセーターの宿命=毛玉だ。洗った後、ハサミでチョキチョキと刈り取っていたが面倒臭い。僕の場合、なぜか前側左下エリアに多く出る。いやで、一時の秋冬はウール系生地(セータ-)を避けて、コットン系生地(トレーナー、パーカー等)ばかり着用した。
もちろん電動毛玉取りなる、価格は2000円ほどとお手頃なマシーンの存在は知っていたが、まったく食指が動かなかった。機械は、無理矢理毛玉を引きはがす感がある。使ったことはもちろん、使っているのを見たこともないので不安になるのだ。
本体ブラシ。内側は毛玉取り用の猪毛、外側は洋服ブラシとしての白馬毛。毛玉取りと仕上げのブラッシングが両立する。
しかし、“百聞は一見にしかず”とは、けだし名言なり。1月下旬、テレビ朝日「じゅん散歩」内のコーナー(なのか? CMなのか?)で、毛玉取りを紹介していた。このCM(なのか? コーナーなのか?)を見て、今や競合商品花盛りのクッション、「Gゼロクッション」を買い、大変重宝しているという記事を以前書いた。さらに一昨年末、ここ(コーナーなのか? CMなのか?)で紹介されたお掃除クロス「パルスイクロス」を購入し、その使い勝手のよさに日々満足している。
だから僕はこのテレ朝テレビ通販(以下こう表現。なお通販サイト名はRopping。テレビ朝日のある六本木でショッピング、からのネーミングか?)に信頼を置いているし、あるいは洗脳されてしまっているのかもしれない。
さてその毛玉取り、電動ではなく手動だ。商品名は、「らくらく毛玉取りブラシ特別セット」。メーカー直販合計価格税込8668円が税込5990円、ネットお申し込みで送料無料だ。約30%のお値引きながら、電動に比べれば約3倍と決して安くはない。だが、製造元が半端じゃない。なんと創業100年を超えるブラシ専門の老舗、浅草は「アートブラシ」の製品なのだ。とはいえ、僕は「アートブラシ」を知らない。聞いたこともない。とはいえ、とはいえ、創業100年超、ブラシ専門メーカー、浅草と3拍子揃えば、“これは凄いぞ、使えるぞ、買わなきゃ損だぞ”と思うのが人情というもの。そこに約30%お買い得の追い打ちがかかる。テレビ通販セオリー通りの説得力に、恐れ入ってしまう。
「らくらく毛玉取りブラシ特別セット」。左がブラシクリーナー、右が携帯用ブラシ。
僕は“老舗”ではないが、かれこれ60年以上生きている。そのうちの10年は『DIME』編集部で、ジャンルを問わず次々に登場する新商品を体験し記事にしていた。だから謳い文句に踊らされることなく(!?)、モノを見る目はあるほうだと自負している。
テレビ通販だから、当然ながら実演映像が流れる。ブラシでセーターを擦るや、みるみる毛玉が取れていく。やらせはない、と見た。いや、天下のテレビ朝日が、やらせをやるわけがない。『DIME』10年の眼力が、“これは買いだ”と告げる。だから、買ってしまった。
ここからは使用レポートを。まずはポリエステル64%、ウール36%のモコモコ感のあるセーター。購入して約4年、毛玉が出まくる生地で、毎年ハサミで刈り取ってきた。ブラシを使うにあたりあらためて生地を見ると毛玉、そしてやがて毛玉へと成長(?)する毛羽立ちが目立つ。軽くブラッシングをすると、取れるわ、取れるわ。毛玉はもちろん、毛玉予備軍も刈る。仕上がりぶりは、①毛玉は取れた、②毛羽立ちが短くなり全体にフラットになった。我が眼力、老いても衰えなし!