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カウンセラーが伝授!人生100年時代に”適職”ではなく”天職”に出合う方法

2020.03.05

「天職」という言葉は昔からあったが、「“適職”よりも“天職”に就きたい」というニーズが増えてきたのは、意外にも最近になってからだという。そして、若い世代だけでなく、40代以降のビジネスパーソンにも天職を求める人は増加中。今の仕事を辞めるべきかどうかで、人知れず悩む人も多い。

そもそも天職は、見つけようと思って見つけられるものなのだろうか? 多くの人が持つ、天職にまつわる素朴な疑問を、「天職探し」を専門とするカウンセラー、中越裕史さん(天職探し心理学 ハッピーキャリア代表)にうかがった。

老後は年金だけでOKと考えるアラフォー世代はいない

Q:中越さんの著書『やりたいこと探し専門心理カウンセラーの 日本一やさしい天職の見つけ方』を読むと、「40代に天職探しが広がっている」とあります。一方で、「35歳転職限界説」など、天職を求めて転職できる年齢には上限があるという、世間的な認識もあると思います。年齢面の問題は、どう考えるべきでしょうか。

中越さん:これには2つあります。まず一つ目は、シンプルに寿命が延びたこと。寿命が延びるということは、労働寿命も延びるということです。

人生100年といわれる時代になりました。定年を75歳にするという案もあるそうです。定年後も働く人もいるでしょうから、80歳を過ぎても働く人も普通になるでしょう。

今の40歳前後の人で、老後は貯金と年金だけでのんびりやっていけると思っている人なんて、ほとんどいません。また、自分の親世代を見ていても、定年して家でダラダラしているだけよりも、何かしら仕事を持っている人の方が、あきらかに元気でイキイキしています。

つまり、今40歳前後の人は、あと35年以上働くことになります。これってめちゃくちゃ長いですよね。そうなると、「いままでは嫌な仕事を我慢してやってきた。でも、これをあと35年も続けるのは無理だ……。これからは細々とでいいから、やりたいことを仕事にしたい」。そう思う人が出てくるのは当然のことです。

当てにならない「転職何歳限界説」

続けて、中越さんが2つ目として指摘するのは、転職何歳限界説といった「定説」が必ずしも当たっていないこと、時代の流れによって変化することだ。

就職氷河期世代で40歳の中越さんが、会社を辞めたのが15年前の25歳。退職の意向を伝えた際、周囲からは「一つの会社で一生働くべき。転職するなんていまの若者は甘い」と責められたという。

中越さん:ところがそれから数年もしないうちに、人生で1回や2回は転職するのは当たり前の時代になりました。それから30歳転職限界説がでてきました。

実際僕自身も、人材紹介会社等で「30歳過ぎたらもう転職は難しくなりますよ」といわれてすごく焦りました。

ところが、これもあっという間に伸びて次は35歳転職限界説になりました。そしていまはミドル・シニアの転職がニュース番組で取り上げられるようになり、実際に大手人材会社がたくさんネットに広告を出しています。「ミドル・シニアの転職」とググってみると、たくさんの人材紹介会社の広告がズラッと並んでいます。これは逆に考えると、それだけ需要も供給もあるということです。

それを考えると専門家達のいう転職何歳限界説は、たった15年の間にころころ変わっているのです。そんなものが本当に当てになるのでしょうか?

ただ、これは決して専門家達がいい加減なことをいったのではなく、あまりにも時代の変化が早すぎたのだと思います。考えてみれば15年前は、スマホすらなかったのです。電車の中でほとんどの人がスマホゲームやっているなんて、誰も想像できなかったのです。

今は転職活動ですらスマホで情報を集めて、スマホでエントリー。人生100年時代にテクノロジーの進化。これだけ時代の変化が早ければ、専門家が予想を外すのも当然かもしれません。

さらにいうと、いまは大企業でも副業を推奨するところも少しずつ出てきていて、これからもすごいスピードで働き方はどんどん多様化し、変化していくと思います。これらのことを考えると、「天職を見つけるのは何歳まで」と年齢で縛ってしまうこと自体、ナンセンスなことなのでしょう。年齢にとらわれているということそのものが、もう時代遅れなのかもしれません。

収入の柱にするつもりはなくても、「自分の趣味についてブログを書いて、ちょこっとでいいからアフェリエイトできないかな~」とか、「アプリでハンドメイドの雑貨を売ってみたいな~」とか、日々を充実させるという意味でのお小遣いレベルの副業は、今の時代、誰もが頭をよぎったことがあると思います。

自分の弱い部分を認めたくないがゆえに生じる問題

Q:今の仕事に不満があって、天職を見つけたい。でも、それが何かわからない。そんな悶々とした気持ちでいる人も多そうです。「自身の天職は何だろう?」という、スタート地点の一歩手前にいる人は、何から始めるべきでしょうか?

中越さん:意外かもしれませんが、人間というのはとても弱い生き物だということを、しっかり認識することです。というのも、ほとんどの人が「本当はちょっとだけ興味のあること、ちょっとだけやってみたいと思うこと、昔あこがれていた仕事はあるけれど、挑戦して失敗するのが怖くて行動できない……」という気持ちがあるからです。

人間は誰しも、お金や年齢を言い訳に、チャレンジしたいことから逃げてしまいます。それは僕たちカウンセラーだって、決して例外ではありません。相談者さんの話を聞いていて、耳が痛くなることもしょっちゅうです。

でも、そんな言い訳ばかりして逃げている情けない自分を認めるのは、とても辛いこと。だから無意識のうちに、「そもそも自分にはやりたいことなんてないんだ……」と脳の中で処理します。その方が自分の心は傷つきません。これを精神分析では否認といいますし、アドラー心理学では人生の嘘といいます。他にも認知的不協和とか自己の不一致とか、いろんな心理学用語で説明できます。

こうやっていろんな心理学用語ができるくらい、人間は自分の弱い部分を認めたくないのです。これは決して個人の問題でなく、そもそも人間というのは、それくらい弱い生き物なのです。

大人の分別があるからこそ天職への道を恐れる

中越さんは、誰しもそれなりに長く生きていれば、「職人のようなものづくりをしたい」など、少なくとも漠然とした方向性くらいは、本当はあるはずだと指摘する。そこから実際の行動に踏み出すには、上で述べた理由もそうだが、大人の分別も足かせになりうるという。中越さんは、次のように言葉を継いだ。

中越さん:幼稚園児の子供は、「将来なにになりたい?」と質問されると、すぐに元気よく答えるのですから。

でも、それを認めたくないのが大人の心理です。だって、それらは勉強したりした積みが必要だったりする上に、思い切ってチャレンジしても失敗するリスクがある。「勇気を出してチャレンジをして、もし失敗してしまったら……。まわりの人から笑いものになるかもしれない……」。そう思うと誰だって怖くなってしまいます。

それはある意味では、大人になってちゃんと分別がつくようになったということで、精神的に成長しているともいえます。幼稚園児とは違い、ちゃんと現実の大変さも理解しているからこそ、やりたいことを仕事にすることに、不安や恐怖を感じるのです。

ですが、天職を見つけるにはそこからさらに成長が必要で、自分の弱さを認めつつ、それでも一歩踏み出して行動していくたくましさが大事です。自分の弱さを認めることができなければ、成長なんてできないですからね。

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