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食べるだけで筋肉が増える?ちくわやかまぼこの原料「スケソウダラ」と瞬発力や体の引き締めに必要な「速筋」の深イイ関係

2020.02.22

この人生100年時代において、長年、元気に活動するために欠かせない「筋肉」。その筋肉の中でも、瞬発力のいる運動や体を引き締める役割のある「速筋」が、摂取するだけで増量する食べ物があることがわかった。それはちくわやかまぼこなどの練製品の原料となる「スケソウダラ」という魚である。

今回は、スケソウダラを食べて筋肉が増加した最新研究の概要とともに、ビジネスパーソンにおすすめの取り入れ方を紹介する。

スケソウダラの「速筋タンパク質」を食べるだけで「速筋」が増える

ちくわなどの練り製品の原料となる「スケソウダラ」の「速筋タンパク質」には、負荷運動をせずに食べるだけで「速筋」を増やす効果があることがわかってきた。

まずはスケソウダラや速筋について確認しておこう。

●スケソウダラとは

スケソウダラは、日本海、太平洋、オホーツク海に広く分布する白身魚だ。日本周辺での漁獲高は11.8万トン(2017年)で、国内の水揚げ量は釧路港が日本一とされる。
ちくわ、かまぼこ、かに風味かまぼこ、さつま揚げ、フィッシュソーセージなど練製品の原料で、卵巣は「たらこ」として食べられている。

●速筋とは

筋肉には、速筋と遅筋の2種類の筋肉があり、役割が異なる。昨今、弱まると将来の転倒リスクも高まるといわれる、速筋に注目が集まっている。

速筋(白筋):瞬発力のいる運動や体の引き締める役割。とっさの踏ん張り、安静時の熱の産生、体の引き締めなど

遅筋(赤筋):日常生活レベルの活動に使われる。姿勢を保つ、呼吸、ゆっくり歩くなど

40代くらいから全身の筋肉量が急激に減っていくが、減少しているのは速筋であることが別の研究で明らかになっている。速筋を増やすには、筋肉に負荷をかけるとともに、筋肉を作るタンパク質摂取などが必要になるといわれる。

●「スケソウダラの速筋タンパク質」の実験結果

そんな中、驚きの研究結果が報告された。なんとスケソウダラを食べると、筋肉量が増えたという実験結果が出たのである。

愛媛大学 大学院農学研究科生命機能学専攻 岸田太郎教授による研究報告から概要を紹介する。

1.ラット実験結果

スケソウダラの白身は、タンパク質が豊富で、ほぼ速筋でできていることから、そのタンパク質は「速筋タンパク質」と呼ばれている。スケソウダラの速筋タンパク質を食べたラットは、他のタンパク質では見られない筋肉増加が見られ、特に速筋に効果があることがわかった。

スケソウダラの速筋タンパク質を食べたラットの腓腹筋が増加し、筋肉の色も白色化=速筋化。ラットの腓腹筋(速筋で構成されている)の外側部の断面図を比べると、速筋の筋繊維の太さが1.4倍になったことも確認されるなど、カゼイン、乳製品(ホエイ)、大豆、卵白、マグロなどの他のタンパク質と比べ、ラットの腓腹筋の筋肉量の増加率はスケソウダラが最も高い結果となるなど、数々の実験結果が報告された。

2.ヒト実験結果

また、ヒト実験でも効果が認められた。65歳以上の女性を対象としたヒト実験で、3ヶ月間特別な運動をせずに、毎日4.5gのスケソウダラの速筋タンパク質を食べたところ、筋肉量が増加した。

●「スケソウダラの速筋タンパク質」の筋肉増加メカニズム

そのメカニズムは、スケソウダラの速筋タンパク質を食べることが、運動と同様の「筋肉再生のスイッチ」になるためだという。通常、運動後の筋肉増加メカニズムは、1日目で自己破壊を開始し、2日目で自己破壊を抑制し、3日目以降は再生開始する流れだ。運動で筋線維がダメージを受けることで再生スイッチが入る。

一方、スケソウダラを食べた後の筋肉増加メカニズムは、1日目で自己破壊を抑制し、2日目以降で再生開始する。筋線維はダメージを受けないが、運動による筋肉損傷からの再生過程と同様の機構を活性化し、再生スイッチが入るのだという。再生過程の途中から活性化していることから早期の筋肥大が期待できるそうだ。

筋肉トレーニングの効率を上げる効果も確認されていることから、トレーニングを習慣化している人にもスケソウダラの速筋タンパク質摂取はおすすめとされる。タンパク質としての利用効率も卵よりも良いことも分かっており、良質かつ効率よく筋肉をつけるのに最適なタンパク質であると言われている。

●スケソウダラの可能性

これらの研究結果を踏まえ、スケソウダラの速筋タンパク質は、すでに高齢者施設や自衛隊でも導入が始まっているという。またアスリートの高地トレーニング施設での導入や栄養士の食育現場でも導入が予定されており、さらなる広がりを見せる可能性がある。

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