■連載/カーツさとうの週刊★秘境酒場開拓団
オヤジナリティー ★★★
家計貢献度 ★★
自宅感 ★★
この前、テレビで歌聞いて、感動のあまり思わず泣いちゃいました。。
昼ドラの『やすらぎの刻〜道』の中で、ジェリー藤尾が歌った『遠くへ行きたい』で、本気で泣いちまいました。
その筋の人間よりも喧嘩が強いといわれたジェリー藤尾も、昔に比べるとビックリするほど痩せてしまってるんだけど、その歳喰った分の人生の重み全てが込められたような歌に、根底から魂揺さぶられた。
こんなスゴイ歌を、もし飲み屋でホロ酔いで聞こうもんなら、人目もはばからず、声出して泣いちゃうかもしれない。なにしろ最近、飲み屋で一人呑んでて懐かしい曲が流れると、ついついシミジミしちゃうんですよね。
特に武蔵小杉の『K(仮名)』って居酒屋は、行くたんびにシミジミする。もちろん有線からの音だろうから、店のオリジナルの選曲でもなんでもないんだけど、この店独特の、まぁちょっと時代遅れな雰囲気とか客層とかが、20世紀の歌謡曲をやけに盛り上げてくれるんですよ。
そういや前回も武蔵小杉の呑み屋の話書いたけど、前回の店が武蔵小杉の再開発以降の武蔵小杉の新しいタイプの居酒屋の典型だとしたら、この『K』は再開発もへったくれもない、昔ながらの武蔵小杉呑み屋の代表格!
朝の十時くらいから営業してるんだけど、近くに競輪場も競艇場もないのに、一体この連中はどっから集まってきたんだ? っていうジャンパー軍団が真っ昼間からメートル上げてる。まぁ、夜にもなるとスーツ着てるお客さんもドッと増えてはまいりますか、昼に関しては完全なジャンパー酒場!
ここらで、この連載では何回も登場する“ジャンパー酒場”の意味を再度書くと“スーツ着てる人なんぞ皆無の、客が全員ジャンパー着てる年輪オヤジだらけの呑み屋”のことね。
でもって、そのジャンパーの下にどんな服着てるかっつうと、昔のビートたけしがよく着てたようなやたらにハデなセーター着てたりしてね。いいでしょ、なんともいえず。
さすがに夏にはジャンパー着てる人もいなくなって、じゃあどんな格好してるかっつうと、ゴルフシャツの上に……ここからが重要なんですが……二昔前のカメラマンが着てたようなポケットが一杯付いたベストを着用! そして春夏秋冬問わず、頭には粋な野球帽、もしくはハンチングと相場は決まっている。
こんなこと書くと、たいした店じゃないように思うかもしれないけど、『K』は居酒屋としての実力も侮れない。だからオレも時々真っ昼間からプッと入っちゃうんだけど。