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長距離ドライブでわかったシトロエン「C5 AIRCROSS」の本当の実力

2020.01.26

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 久しぶりに1000kmという長距離を運転して日帰りで往復した。行き先は宮城県の気仙沼。東北自動車道に乗り、延々と北上する。東北道を降りてからは一般道を30kmほど東に進んで片道500km。往復1000kmの日帰り。クルマは、シトロエン「C5 AIRCROSS」。友人と大いに旧交を温めたかったのだけれども、翌日は早朝から愛知県に別の取材に出掛けなければならなかったので、地酒も海の幸も諦めなければならなかったのが辛かった。

 まだ暗いうちに都内でカメラマンと待ち合わせて首都高速に乗り、延々と走っていく。「C5 AIRCROSS」には発表時に試乗していて、その記事もこの連載に書いた。「C5 AIRCROSS」の大きな特徴となっている「PHC」というダンパーを備えたサスペンションが高速走行で実に快適だ。路面からの細かな振動を打ち消し、フラットな姿勢を維持しながら柔らかな乗り心地を実現している。船に乗っているかのようで、かつてのシトロエンの代名詞ともなっていたハイドロニューマチックサスペンションを嫌でも思い出させられる。いつの時代でも、シトロエンは乗員の快適性を優先するクルマ造りを行なっていることに変わりがない。

長距離走行に適した4気筒のディーゼルターボエンジン

 そして、その快適性はこのような長距離走行でこそ、真価を発揮するのだと確信した。「C5 AIRCROSS」は2.0L、4気筒のターボディーゼルエンジンを搭載しているので、なおさら長距離走行が得意だ。ACCとレーンポジショニングアシストをONにしているから、一定速度で淡々と走り続ける。道路の勾配にも多少は左右されるけれども、エンジン回転数もほぼ一定のままトップの8速ギアで巡航するからエンジン回転は2000回転も回らない。だから、車内はとても静かだ。

 PHCダンパーによる振動とショックの吸収とディーゼルエンジンによる静粛性の高さによって、車内は快適そのものだった。病み付きになる心地良さだ。クルマが優秀なので、このまま一気に500km走り続けるのも簡単だと思った。運転のストレスは皆無だ。

 しかし、それよりも周囲のクルマたちがストレスの原因だった。いつものことだけれども、追い越しが終わっても追越車線を漫然と走り続けるクルマの多さに辟易させられた。神経を擦り減らされる。いつまで日本のドライバーと交通行政はこれを放置しているのだろうか。世界中いろいろと走ったけれども、この体たらくは今では日本と中国の地方ぐらいのものだ。欧米やその他の国々のドライバーのように、追い越しが終わったら走行車線に戻るという当たり前の走行ができていれば、そもそも“アオリ運転”などというものも発生していないだろう。

 往路は明るい日中で、まだ元気もあった。問題は復路だ。気仙沼で撮影とインタビューを行い、そのままトンボ返りだから疲れと眠気と闘いながら暗い東北自動車道を一人で運転して帰るのかと想像しただけで気持ちが萎えてくる。それでも「C5 AIRCROSS」には他のクルマにはない機能が備わっていて、それを試しながら北上していると気持ちも上がってくる。

想像以上だった運転支援機能の効能

「レーンポジショニングアシスト」がそれで、他のクルマのように車線の中央部分だけではなく、手元のスイッチの設定によって、車線内の任意の位置を選んで走ることができる。加えて、「レーンキープアシスト」によって車線からハミ出しそうになるとステアリングを自動で補正することもできるのである。

 東北道は場所によって舗装が荒れているところがある。工事で規制されているところもある。杓子定規に車線の中央を走るだけでは対応できないところを、レーンポジショニングアシストを使いながら北上していった。幸いに撮影もインタビューもうまく運び、新幹線に乗るカメラマンを駅に送り、一般道を進むうちに陽が暮れた。まだその辺りは街路灯が寂しくポツンポツンと点いているだけの闇の中を探りながら帰京の途についた。嘆いても、喚いても、東京への500kmが短縮されるわけではない。

「眠くなるから晩御飯は摂らないで、代わりにナッツやチョコレートなどを少しづつ食べると脳に栄養も回っていいですよ」

 カメラマンのアドバイスに従って、コンビニに寄ってそれらを購入した。東北道に乗り、往路と同じようにACCとレーンポジショニングアシストをONにした。シトロエンだけでなく、同じプジョー・シトロエングループのプジョー各車の表示もわかりやすい。眼の前のメーターパネルは全面がデジタルパネル化されていて、そこに映し出される内容も大胆に切り替えることができる。

 僕の今の運転状況にもっとも肝心な、運転支援機能がどう働いているか?つまり、ACCが前方のクルマを捕捉し、車間距離はどの設定がなされ、レーンポジショニングアシストに必要な左右の白線を認識しているかどうかを大きく表示させている。

 運転支援機能をOFFにしていて、それらの表示が不要で、高速道路を巡行に必要なものだけで構わなければ、速度を中央に数字で大きく表示し、その周辺に他の情報を小さく表示するにとどめ、最もシンプルな見え方に切り替えることもできる。状況に応じて、さまざまにメーターパネル全体の見せ方を切り替えることができるのは、特にこのような夜間の高速道路を運転する時に効能が大きい。

 現代のクルマは多機能&高機能だから、ドライバーに伝えるべき情報も、それに応じて優先順位が状況に応じて切り替わってくる。少し昔のクルマと同じように、ただ漫然とメーターを並べていれば良いわけがないのだ。「C5 AIRCROSS」には、円形のメーターに針を模したかたちの表示はない。クルマの速度はデジタル表示の数字でしか表示していない。これで用は足りるのだ。

 円形メーターと針にするか、あるいはデジタル表示の数字にするのか?そんなことは二の次、三の次で構わないのだ。今のクルマのメーターで最も重要なことは運転支援機能の働き具合を、どうドライバーに間違いなく伝えるかということだ。クルマとドライバーのインターフェイスが最も重要なのである。「C5 AIRCROSS」は、運転中のドライバーにとって何が最も大切なのか、情報の取捨選択ができているのだ。

 なぜならば、運転支援機能を働かさせている時には、ドライバーは状況を注視して、いつでも運転操作に戻らなければならないからである。完全な自動運転ならば、その必要は無くなるが、まだまだ先のことである。

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