脳科学の用語に「メンタルローテーション」(心的回転)というのがあって、これは頭の中でイメージした物体を回転させることを意味する。それは何も特殊な能力ではなく、例えば小物を棚のすき間にぴったりしまおうとする際などに、無意識のうちに使っている。
東京大学薬学部の池谷裕二教授によれば、メンタルローテーションの能力を鍛えると、論理的思考力、発想力、自己分析力など、さまざまな知的能力も向上するという。
ライフハック好きなら、思わず身を乗り出してしまいそうな話だが、メンタルローテーション力は、図形・物体を動かす市販のパズルで、割と簡単に鍛えることができる。
T形と立方体のピースを組み合わせて問題を解く
今回紹介する新作パズルの「ピーターキューブ」(学研プラス、2100円+税)もその1つ。数学者のピーター・フランクルさんが考案したもので、宣伝文句には「論理的思考力や図形認識力が自然と身につきます」と謳われており、注目を浴びている。
「ピーターキューブ」は、半透明のT形をしたピースが10個に、「出題ピース」と呼ばれる穴や突起のついた立方体のピース5個から構成されている。これらのピースを、指定の形状になるよう組み合わせることが求められる。問題は初級と上級があり、初級問題はレベル1~4に分かれて全26問、上級問題はレベル5~7の40問ある。なお、解答はあえて付していないという。