鏡開きにはルールがある?
鏡餅を飾ると、子どもたちは「早く食べたい」と気が急きます。それでも、年神様がいらっしゃる間は鏡餅をおろすのは我慢して、1月11日(関東)の鏡開きまで待つことが重要です。
鏡開きの意味やルールを解説します。
歴史、意味、由来、地域による違いまで解説!意外と知らない「鏡開き」の基礎知識
鏡餅を開くの意味とは
鏡開きとは、お供えしていた鏡餅をおろしてみんなで食することを指します。餅は日が経つとカチカチになりますが、処分するのは好ましくありません。
鏡餅は年神様の魂が宿る依り代であり、食べることで『生きる力』を分けてもらうのが本来の目的です。
昔は、一家の年長者が鏡開きの際に餅を『御年魂』として家族に分け与えていました。この名残が『お年玉』という説もあります。
また、紫式部の『源氏物語』によると、平安時代の宮中では『歯固め』が行われていました。これは、固い鏡餅を食べることで齢(歯)を固め、長寿を祈願する儀式の一つです。
刃物は使わないのが基本
鏡餅はなぜ『切る』ではなく『開く』と表現するのでしょうか?鏡餅を切らずに手や木槌(きづち)で割るやり方は、もともとは武士の風習でした。
武家社会において切るは『切腹』を意味するもので、縁起がよくないこととされていたのです。
ただ、割るという表現も「おめでたい正月には相応しくない」とされ、結果的に『運を開く』や『末広がり』にかけて鏡開きというようになりました。
現代でも、鏡餅を分けるときは刃物を使わないのがベターです。お餅は乾燥するとひび割れが生じるため、木槌で軽く叩いて小さくします。
どうしても割れないときは手や包丁で
鏡餅は時間が経つととても固くなります。包丁で切ると刃のほうが欠けることもしばしばです。
乾燥してお餅にヒビが入っている場合は、ヒビの部分から手で折るようにして小さくしていきます。固くて割れないときは、水にしばらく浸して数時間置くのが近道です。大きな鏡餅は半日ほど浸しておくとやわらかくなります。
ラップをかけずに電子レンジで軽く加熱し、内部をやわらかくするのも一つです。加熱時間が長すぎると、お餅がベタベタになる点に気をつけます。
やわらかくなってからであれば、手でちぎることも可能です。どうしても割れないときは包丁を使っても構いません。
誰でも簡単 お餅の美味しい食べ方
お餅は腹持ちがよく、少ない量でもエネルギーがしっかりチャージできるのがメリットです。お雑煮以外にもさまざまな料理に使ってみましょう。
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フライパンで焼いてお好みの味で
『焼き餅』は網で焼くのもよいですが、フライパンを使うとお餅がくっつかずきれいに焼けます。アルミホイルを敷いてからお餅を乗せるのがポイントです。
焼き上がったお餅は、海苔で包んで『磯辺焼き』にしたり自分好みの味付けにしたりとアレンジを楽しめます。
砂糖醤油にバターを加えて照り焼きにした『バター風味』は子どもから大人まで大好きな味です。切り餅にケチャップを薄く塗ってからチーズなどの具材をトッピングすれば『お餅ピザ』もできます。
甘いものが欲しくなったときは、きなこ&黒蜜・あんこ&バニラアイスなどの組み合わせで『お餅スイーツ』を作ってみてはいかがでしょうか?
市販のあんこで作るぜんざい
寒い冬は甘くて香ばしい小豆のぜんざいがおすすめです。甘いあんこは小豆から作ると手間がかかるため、市販のものを活用します。
お餅は、トースターやフライパンで膨らむぐらいまで焼くと香ばしさがたまりません。鍋に市販のあんこ(粒あん)・水・塩少々を加え、中火で約10分加熱します。
水の代わりに牛乳を加えると、まろやかな『ミルク風味』です。甘栗を加えればより豪華なぜんざいになります。
小豆はカロリーや脂肪が少ないわりに植物性たんぱく質やイソフラボンなどの栄養が豊富で、冬の朝のパワーチャージにぴったりです。
ベーコンで巻いた甘辛餅
おつまみにもおやつにもなるのがベーコンで巻いた『甘辛餅(あまからもち)』です。バターの香ばしい風味と砂糖醤油の甘さがやみつきになる逸品で、ビールとの相性はいうまでもありません。
餅は食べやすい大きさにカットして、電子レンジで軽く加熱しておくと時短です。適当な大きさのベーコンを餅に巻きつけ、油とバターをひいたフライパンでこんがりと焼き上げます。
砂糖・みりん・醤油で照り焼きにしたら完成です。ベーコンの代わりに豚ロース薄切り肉を使って焼肉のたれで味付けすると、晩御飯の一品になります。中にチーズを巻いてから焼いても絶品です。
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