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「Excuse me」は使わない!非ネイティブであることが武器になるビジネス英語の極意

2019.12.23

グローバルを見据えたビジネスを。そこで必須なのがビジネス英語だ。なんかうまく伝わらない。何が足りないのだろうか? 外資系歴23年、『非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』の著者、岡田兵吾氏に非ネイティブ英語の極意を聞いた。

聴き取れなくても「Excuse me」は使わない

いやー、英語、できないんですよねー。と頭を掻く日本人は多い。かく言う記者もそうだ。「日常会話ぐらいなら何とかー」などと言ってしまう。事実なのだが、岡田氏は「いやいや〜、そんなことないですよ」と関西風イントネーションで返してくる。

「英語がわかる人は世界に5人に1人。その2割の中に日本人は入っています。みなさん、少なくとも英語の文法、知っているでしょう? 英語で何か聞かれても、少なくともイエスかノーぐらいは返事できるじゃないですか。日本人の教育レベルは高い。だから英語できないって言わないほうがいいですよ」と言うのだ。「しかも英語を話す人の、5人に4人は非ネイティブですからね」。

岡田兵吾:マイクロソフト・シンガポールのアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長として、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドのライセンス監査業務の責任者を務める。同志社大学工学部卒業。アクセンチュア(日本、アメリカ)、デロイトコンサルティング(シンガポール)、マイクロソフト(シンガポール)のグローバル企業3社で外資系歴23年、シンガポール・日本・アメリカをベースに活躍。学生時代はロン毛だったが、就職時にリーゼントになり、以来ずっと貫いている。

学生時代からグローバルに活躍する国際人を夢見て英語の猛勉強を開始。社会人になってしばらくは「英語ができる男」と評価され、それなりの自信を携えてマイクロソフト・シンガポールに転職。が、そこで今まで通じていた英語が通じなくなった。話せない、コミュニケーションできない、会議に出ても“地蔵”のように固まったまま何も話せず。ついには上司から「話さないなら会議に出るな」と暗に退職を勧告されるほどだった。

社内を見渡せば上司も含め、同僚はインド人や中国人、韓国人、ヨーロッパでもイタリア人、ポルトガル人など、ほとんどが英語圏外の非ネイティブだ。

「同じ非ネイティブなのに、彼らはなぜ話せるのだろう? なぜ成果を出せるのか?」

彼らの使う英語に耳を傾けてみた。すると——-。Excuse me? が聞こえてこない。困った局面でも、I have a big problem.と言う人はいない。

「たとえば英語がよく聴き取れなかったときに、Excuse me?ではなく Sorry? と聞き返す。Excuse me?は相手の声が小さくて聞こえないという場合に使います。つまり聴き取れない原因は相手にあることになるので、何度も使うと相手は不快に思う。Sorry?は、聴き取れなかった原因は自分にあるので、すみませんが、と言っているのですね。

トラブっている時でも、非ネイティブの人間は決して“困っている”というネガティブな表現はしません。たとえば、I’m facing a big challenge.と言えば、同じ困った局面でも、相手に与える印象はポジティブになります。しかし、I have a big problem.といってしまうと、解決できない深刻な問題を抱えている意味になり、非常にネガティブな印象を与えます」

岡田さんは非ネイティブたちが使う英語表現に、2つのルールがあることに気づいた。

(1)使えるフレーズを多用し、(2)ポジティブで丁寧な言い回しをする

ということだった。

非ネイティブ英語こそ、ネイティブを越える武器になる

“リーゼント・マネジャー”と呼ばれる岡田兵吾氏in Singapore.

岡田さんが特に注目したのは、非ネイティブ英語の丁寧さと気遣いだ。日本語には尊敬語や謙譲語があるけれど英語にはないと思っている人がいるが、大きな誤解だという。

「英語は比較的文法が簡単で、発音もしやすくて、それなりのニュアンスが伝えられる言語です。だからこれだけ世界に広まったと思うんですね。

たとえばダライ・ラマの英語を聞いていると、決して上手とは言えない。けれども人を気遣う気持ちが伝わってきます。相手を気遣って、丁寧な話し方をしているからです。上手でなくてもいい。丁寧であること、相手への気遣いを忘れないこと」

相手が日本人だろうと外国人だろうと、丁寧さと気遣いは、よい人間関係を築く上の基本である。その当たり前の基本に、岡田さんは非ネイティブ英語を観察して改めて気づいたのだという。

相手の英語が聴き取れないとき。Excuse me?ではなく、Sorry?のほうが相手に対する気遣いが感じられる。しかし、これをもっと丁寧に伝えたいなら、Could you say that again? とか、Would you say that again, please? になる。Would you mind repeating that? と言えばさらに丁寧になる。Could youやWould youの使い方で、気遣いのニュアンスが変わる。

「もっと言えば、非ネイティブだからこそ、きっちり聞き返せるというメリットもありますよ」と岡田さんは言う。たとえば、著書の中でこんなフレーズが紹介されている。

名前を忘れてしまった相手に、うまく名前を聞き出したいとき……。

I have a terrible memory for international names.(私は外国人の名前を覚えるのが苦手です)

このフレーズのポイントは、「名前を忘れてしまったのは、私が名前を覚えるのが苦手だからであって、決してあなたを軽んじているからではありません」ということをアピールできる点だ。非ネイティブの人からこう言われれば、「たしかに外国人の名前って覚えにくいよね」と、もう一度、名乗ってくれるだろう。これがもしネイティブ同士だったら、相手の名前をもう一度聞く際、少しためらいが生まれるだろう。非ネイティブだからこそまかり通るのだ。これはネイティブにないメリットではないだろうか。

→“一生懸命であること”を臆せず表現できるのが非ネイティブ

 


ビジネス英語のみならず、グローバルで仕事する上で必須のマナーや心得が詰まっている。シーンごとに紹介されており、使いたい場面の必要なフレーズを辞書のように引くこともできる。
岡田兵吾著『非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)1600円+税

取材・文/佐藤恵菜

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