続3部作の第1作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』には、多くの新キャラクターが登場したが、タカラトミーが販売した商品の中で、最も好成績を上げたのが、主人公レイの相棒であるドロイド「BB-8」だった。新作ではアップデイトされたリモートコントロール玩具『スター・ウォーズ DX トーク コントロール BB 8』が発売されている。
BB-8よりもさらに小さな新ドロイドD-O。ペット的キャラクターとしてBB-8の後をいつも追いかけていく。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』より。
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「スター・ウォーズのテーマ」を熱唱! かつてない大技を披露するBB-8
-開発の背景を教えていただけますか。
赤木 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の公開にあたり、どのキャラクターをメイン商材にしていこうかと議論する中で、前作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」公開時に、ヒットの実績をもつ「BB-8」の商品を、よりパワーアップして売っていこうということになりました。そこで開発を進めたのが『スター・ウォーズ DX トーク コントロール BB-8』です。
白井 前作公開の時は、タカラトミーオリジナルの『リモートコントロール BB-8』や、海外からのソーシングで販売した全高約48cmのBB-8をコントロールする『スター・ウォーズ ヒーロードロイド BB‐8』を始め、さまざまなBB-8商品を展開しましたが、いずれも好評でした。
―ビッグサイズの『スター・ウォーズ ヒーロードロイド BB‐8』は価格4万円も話題になりましたね。
赤木 中には映画公開前に売り切れるアイテムもあったので、今回のリモートコントロール商品は、前回より進化した商品を目標に、弊社の「スター・ウォーズ チーム」全体でアイデア出しをしていきました。
白井 値段も重要でしたね。どんなにいい商品でもあまり高額になると、買える人が限られてしまいます。価格を1万円以内に収めることも目標に掲げました。
-前作にあたる『リモートコントロール BB-8』はとても出来がよかったので、おのずとハードルは高くなりますね。
赤木 そうなんです。まずBB-8で何をしたらユーザーは喜んでくれるかを考えました。一つはコントロールできること、もう一つはコミュニケーションをとれることではないかと考え、トークとコントロールが両方できるというコンセプトを固めました。
-トークとして追加搭載されたのが、8種類のワードを語りかけるとBB-8がリアクションするという新機能ですね。
赤木 当初は、劇中のシーンを再現しようと、レイとBB-8が語らう場面を見返しながら、中に入れる印象的なワードを集めていきましたが、おもちゃだからできることも追加した方がより面白い商品ができると思い、オリジナルの要素も加えていく方向へ舵取りを変えていきました。ただ、われわれが企画をスタートした時点で『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のストーリーがまったくわからなかったので、劇中再現を重視するのではなく、商品で遊んだ方が、いかにドロイドとのコミュニケーションに没入できるかを第一に考えました。
BB-8とのコミュニケーションに満足気なタカラトミー・マーケティング本部の赤木謙介さん。
―どんな切り口にしたのでしょうか。
赤木 喜怒哀楽をコミカルに表現できれば面白いと。例えば「カイロ・レン」と話しかけると、BB-8が逃げるような動きをして、ちょっと混乱したビープ音を発するとか、「歌ってBB-8」というと、スター・ウォーズのテーマ曲をドロイド語で歌うといった機能を加えました。
-歌は珍しい! ちょっとのけぞるようなヘッドの動きも楽しいですね。
白井 始めから想定していたアイデアじゃないんです。8つのリアクションのうち7つ目まで作った時、BB-8のビープ音をつないで歌にしたら面白いんじゃないかと思い、試しに作ってみたらけっこうイケるんです。早速ルーカスフィルムへ送りました。
赤木 歌は初めてのアイデアで、少し遊びが過ぎるかなとは思いましたが、ルーカスフィルムからGOサインをいただきました。
-映画の設定以外の要素を盛り込もうとするとだいたいNGという噂を聞きましたが。なぜOKが出たんでしょうか。
白井 特に理由は聞かなかったですが、とにかくアイデアを形にできる喜びの方が大きかった。
-理由は深堀りしない方がよさそうですね。覆ると水の泡ですし(笑)。
赤木 スター・ウォーズのフィナーレなので、より面白い商品を企画してほしいという要望は事前にいただいていたんで、お祭り的な機能がその考えと合致したんじゃないでしょうか。もちろん、弊社とルーカスフィルムを含めたディズニー社との長い付き合いの中で信頼関係が築かれていたことも大きいと思います。実際、トークを加味することで、スクリーンから伝わるライブ感や生命感がうまく出せたとは思います。
―その他のこだわりを教えてください。
赤木 ボイスコマンドのモードとコントロールモードの切り替えをシームレスに行える点も開発陣がこだわった点ですね。リモコンを裏返しにして、くぼみにBB-8を置くだけボイスコマンドへスイッチングできるので、現実に引き戻されることなくスター・ウォーズの世界を楽しめるようになっています。Gセンサーの精度にも重点を置き、常に首が上にある状態を維持しながらコントールできるので劇中と同じ動きを楽しめます。
白井 BB-8の音声は劇中のボイスをそのまま使っています。BB-8の返しの反応や動きも劇中のシーンと揃えているので、お子さんだけではなく、大人のスター・ウォーズファンにも響くと思います。
『スター・ウォーズ/DXトーク&コントロール BB-8』
8980円(税抜き)
リモートコントロールで走らせるだけではなく、話しかけるとユニークなリアクションが楽しめる「ボイスコマンドモード」が新たに加わった。
リモコンを裏返しにして、くぼみにBB-8を置くだけで「コントロールモード」から「ボイスコマンドモード」へ切り替えられる。劇中のレイのセリフ、「どこから来たの?」、「大丈夫?」と話しかけると、劇中と同じ返しをしてれくる。
Gセンサーが搭載されているため走行中もヘッドは落ちることがない。「頭と胴体が別々に動くことをお子さんたちはとても不思議に感じるようです」(赤木さん)。大人も同じ気持ちなんですけどね。
操作性に優れたコントローラー。レスポンスもよくBB-8が部屋中を動きまわる。