1978に誕生した旧ケナー社の3.75インチフィギュアが初めて復活!
-フィギュアコレクターや、公開第1作から追い続けているスター・ウォーズファンにとって、最も盛り上がりそうなのが『スター・ウォーズ レトロコレクション』ですね。
白井 旧ケナー社が最初に販売したスター・ウォーズフィギュア通称「旧Kenner」を復活させた商品で、全6種類を発売します。これには面白いエピソードがあるんです。発売が公開に間に合わず、結果として翌年の1978年から正式に売り始めたのですが、実は1977年の暮れに、玩具店で封書セットを発売し、中に入った応募用紙をケナー社に送ると後から家に商品が届くという画期的な方法で先行販売をしていたんです。この「旧Kenner」、日本で最初に販売したのがケナー社の国内代理店となった当時のタカラトミーで、パッケージに日本語のシールを貼って販売していました。
-「旧Kenner」は総じてプレミアムが付いていて、ダース・ベイダーやストームトルーパーの状態がいいものは10〜15万円ぐらいしますよね。
白井 しっかり市場が確立されているので、ハズブロも、コレクターに配慮して今まで厳密な意味での復刻版を出してこなかったんです。
-「ヴィンテージコレクション」は?
白井 パッケージデザインを生かしつつ、フィギュアは最新のタイプを使っていました。パッケージもフィギュアも復刻したものは頑なに手を付けていませんでした。今年はお祭りということもあり、41年ぶりに復活しました。
-復刻版なのでしょうか。
白井 台紙の四方にあえて経年感を加えたり、オリジナルと明確に区別できるよう「RETRO」と書かれたシールも貼ってあるので、忠実に再現した完全復刻版ではありませんね。特に台紙背面には各国のルールに従い注意書きを入れなければならないので、当時とまったく同じものを販売するのはこの先も難しいと思います。フィギュアの高さもオリジナルより1mmほど高くなっています。それでも今までの中では最も「旧Kenner」の雰囲気を再現していますから、先行販売したストームトルーパー、ダース・ベイダー、ルークは早々に完売する店も多く、改めて商品の偉大さを実感しました。
『スター・ウォーズ レトロコレクション』
各1800円(税抜き)
劇中の設定に合わせて他のフィギュアよりややサイズアップされている『チューバッカ』。専用のボウキャスターも付属する。
これが記念すべき『ダース・ベイダー』初のフィギュア。右腕からライトセーバーが伸びるギミックが採用される。
専用のブラスターが付いた『ハン・ソロ』。スピンオフのハン・ソロの雰囲気も。
伸縮するイエローのライトセーバーを持った『ルーク・スカイウォーカー』。
ダース・ベイダーとルークの2ショット。1970年代を感じさせる味のある造形や表情も魅力。
台紙の四方に注目。擦れたようなダメージをプリントで表現する。「RETRO」のシール貼ることでオリジナルとの違いを明確に打ち出している。このシール、粘着力を強く、多分、無傷で剥がすのは不可能に近い。
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取材・文/安藤政弘
撮影/田中一矢