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初代バチェラーの久保裕丈さんが人気番組「バチェラー・ジャパン」への出演を決断した理由

2019.12.17

久保裕丈さんが『バチェラー・ジャパン』への出演を決断した理由と現在に至るまで

Amazonプライム・ビデオで配信されている『バチェラー・ジャパン』。一人の独身男性(バチェラー)が20人以上の女性とデートを繰り返し、その中から最高のパートナーを選びプロポーズをするまでの”リアルな過程”を描く「婚活サバイバル番組」だ。

2002年にアメリカで『The Bachelor(ザ バチェラー)』がスタートし、2017年から日本初となる『バチェラー・ジャパン』の放送が開始。日本では今年『シーズン3』が公開され話題を呼んだ。今では、世界30か国でエピソードが製作されているという。

日本版の初代バチェラーを務めたのが当時、青年実業家として活躍していた久保裕丈(くぼひろたけ)さん。現在は、”家具のサブスクリプションサービス”を提供する企業を立ち上げ、代表取締役社長として活動している。

果たしてバチェラーへの出演を決意した理由は何だったのか、なぜ今家具のサブスクリプションサービスを始めたのか、本人にお話を伺った。インタビュー前編(全三回)では、『バチェラー・ジャパン』の出演に至るまでの経緯から現在までを紹介する。

ーー『バチェラー・ジャパン』をきっかけに、久保さんを知った方も多いかと思います。改めてご経歴や、出演に至るまでの経緯について教えてください。

理系の大学院を卒業してからコンサルティング会社に入社し、丸5年ほど勤務しました。それなりに評価をいただいてきたのですが、自分の成長が”高止まりしているな”と感じ始めたんです。

その頃から、外部の者として経営に口を出すよりも「実際に自分で会社を経営してみたい」と考えるようになりました。運よく最初の会社の創業メンバーと出会うことができて、ファッションの EC サイト(MUSE&Co.)を立ち上げたんです。当時は、組織作りや経営判断などいろいろな失敗を経験しましたが、年商20億程度まで会社を成長させ、会社売却後に売却先に経営権を完全に譲る形で会社を去りました。

それからしばらく、フリーで企業の顧問業をやっていたのですが、ある日一度お食事をしたことがある方から、SNSのメッセージで”バチェラー”のお誘いが来ました。当時「日本初」ということもあり、なかなか候補者が見つからず声をかけていただいたようです。その方とは、カジュアルな会食でお会いしただけだったんですが。

喫茶店の一角で初めてバチェラーの話を伺って、聞けば聞くほど「変わった企画だな」と言うか。アメリカ版がどんなものなのかを知りたくて、映像や資料を取り寄せてもらったのですが、アメリカ版を観たらさらに気持ちは後ろ向きになりましたね。(笑)

ーーそこからの決断は、とても勇気のいるものですね。

そうですね、軽く友人にも相談しましたけど、好奇心と”日本初”というワクワク感もあって、最終的には出演を決めました。日本初を僕がやってみて、”フォーマット”を作れたら面白いなって。新しいエンターテイメントの形を一緒に作れるというのは、人生の中でもなかなかない機会ですし。もちろんリアリティなので、嘘のない形で、なおかつちゃんと自分自身の中でリスクをコントロールできるのであれば、受けてみようかなと。

「自分の思う通りに振る舞っていい」とも言われていたので、二つ返事ではなかったですが、お話をいただいてから2〜3週間ほどで決断をしました。その後、女性を募集し選考する期間があり、数ヶ月後には撮影が開始。今は「シリーズが進んでくれてよかったな」と思っています。

バチェラーって「映像の美しさ」にもこだわっていて、制作チームはその点でもとても苦労をされていましたね。テレビ業界の方や芸能関係の方から、そうした「完成度の高さ」を評価していただき、広まっていきました。

ーーバチェラーに出演してから現在までは、どのように過ごされていましたか?

1stシーズンの最終話が放送されたのが2017年の4月頃だったのですが、それ以降は「出演する側のお仕事」もいただけるようになり、顧問業と並行して行っていました。収入的にも時間的にも満足できてきて、「これも悪くないな」と思っていたんですけど、やはり何か自分の中で物足りなさがあって。

「会社を興して社会課題を解決する」と言ったら綺麗すぎるかもしれませんが、自分にとっては本質的にそういう方が楽しくて。 緊張感のある“ピリピリする感じ”というか、リスクを背負って何かにチャレンジしている方が楽しいなと。

ある意味、バチェラーに出演を決断したのも、そういう自分の本質的な部分があったからかもしれません。「世の中の人が喜んでくれるようなこと」をやっていないとダメなんだなって。

ーーそれで現在の会社、CLAS(クラス)を立ち上げられたのですね。

はい。この会社を作る前には、実はいろいろなビジネスアイデアがあったんです。どれをやっても「そこそこうまくいくな」とは思ってはいたのですが、今回は自分の持っている課題感、世の中に対する課題感に近い領域でビジネスをやろうと決めました。チームができ上がって登記をするまでは、ひと月もかかりませんでしたね。

中編に続く__

PROFILE

久保裕丈(くぼひろたけ)

東京大学、同大学院を卒業後、外資コンサルタント会社に入社。2012年、ファッションECサイト(MUSE&Co.:ミューズコー)を立ち上げ起業を果たす。2015年には同社を売却し、フリーランスとして企業顧問業を開始。その後、『バチェラー・ジャパン』に出演し一躍時の人に。現在は、家具のサブスクリプションサービスを提供する株式会社CLAS(クラス)の代表取締役社長を務める。https://clas.style/

取材・文/久我裕紀 撮影/横山 快

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