アメリカのオーガニックスーパーマーケット「ホールフーズ」が発表した「2020年の食トレンド」にランクインした「西アフリカ料理」
栄養価の高い穀物「テフ」を薄くクレープ状にして、ペースト状にした豆や野菜をつけて食べる料理「インジェラ」など、ヘルシーでユニークな料理が並ぶアフリカ料理だが、その中でも注目されているのが「フォニオ」。
日本では見たことも聞いたこともない「フォニオ」。一体どのような食べ物なのだろうか?
フォニオとは?
フォニオとは西アフリカ諸国で5,000年以上も前から栽培されている古代穀物。クスクスのような見た目をしているが、ナッツのよう味がするのが特長である。
そして、「クスクスよりも栄養価が高く、ヘルシー」という点で注目を集めている。
フォニオのヘルシーポイント①GI値が低い
GI値とは「グリセミック・インデックス(Glycemic Index)」の略で、食べた食品が消化された際にどのくらい血糖値を上昇させるかを示した数値である。数値が大きいほど「血糖値が上がりやすい=太りやすい」とされている。
フォニオとクスクスのGI値を比較すると、クスクスが約65であるのに対し、フォニオは約40と、かなり低い。
フォニオのヘルシーポイント②たんぱく質&繊維が多く含まれている
フォニオとクスクスのたんぱく質の含有割合を比較すると、クスクスが3.5%なのに対し、フォニオは10.0%。
また、「現代人に不足しがち」と言われる繊維の含有割合は、クスクスが1.4%なのに対し、フォニオは6.5%となっている。
このように、フォニオはたんぱく質、繊維どちらも多く含まれているスーパーフードなのである。
ニューヨークにはフォニオ料理が食べられるカフェが登場
ニューヨークではフォニオを使った料理を提供するカジュアルレストランも登場してきている。
アフリカ料理店「TERRANGA」では、トマトやスパイスと一緒に煮込んだフォニオに、たんぱく質が豊富に含まれた鶏の胸肉や野菜、豆などを使用したデリをトッピングしたプレート料理を提供している。
サラサラとした食感のフォニオは、少し濃い目に味付けされたデリと相性が良く、いくらでも食べることができそうだ。
また、同じくニューヨークにあるヘルシーフードを提供するカフェ「Fresh & Co.」では、茹でたフォニオの上にメープルシロップや、ブルーベリーなどを乗せたデザートが販売されている。
白米の代替品としても利用可
フォニオそのものの味は淡泊で、他の料理の邪魔をしないため、白米の代替品としても使用できる。
Photo:http://yolelefoods.com/
例えばカレーライスを作る際、白米の代わりにフォニオを使うことで、GI値の低い、よりヘルシーな料理にすることができる。
ヘルシーであることは勿論、アメリカでヒットした「カリフラワーライス」がそうであったように、「淡泊な味であるため様々な料理に活用できる」という点が消費者にウケる理由かもしれない。
Photo:https://www.wholefoodsmarket.com/
食糧危機を救うヒーローになる可能性も?!
また、フォニオが注目される理由はヘルシーというだけでなく、「世界の食料不足問題を解決させうる作物」という点にもある。
西アフリカのサバンナ気候地帯で数千年前から広く栽培されてきたフォニオは、土壌が枯渇した貧弱な土地でも簡単に育つ強く逞しい作物である。
また、苗を植えてから収穫までにかかる期間は約6~8週間と短いのも特徴。
年々人口が増加し、食糧不足が危ぶまれている現在、フォニオは私たちを救うヒーローになるかもしれない。
文/小松佐保(Foody Style代表)