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オフシーズンに人気プロ野球選手だけが集う「ミズノブランドアンバサダーズミーティング」に潜入

2019.12.14

福岡ソフトバンクホークスの優勝で幕を閉じた2019年シーズンのプロ野球。各球団の選手たちは、来年のキャンプ、そして新たなシーズン開幕に向けて、オフシーズンに入ったわけだ。だが、そんなオフシーズン真っ只中のプロ野球選手たちが、なぜか大阪にあるミズノ本社に集まっていた。その目的はミズノブランドアンバサダーズミーティングに出席するためだ。

ミズノブランドアンバサダーズミーティングって何?

ミズノブランドアンバサダーズミーティングとは、ミズノとアンバサダー契約を結んでいるプロ野球選手が大阪にあるミズノ本社に集まり、ミズノのグラブ職人やバット職人といった“クラフトマン”と、来季使用する野球道具について話し合う会議のことだ。今年は総勢38名の各球団の選手が、来季の命運を決めるバットやグラブ、シューズ(スパイク)などについて、ミズノのクラフトマンたちとミーティングを行った。

ミズノブランドアンバサダーズミーティングのポイントその1:豪華な参加選手

※東京ヤクルトスワローズ 村上宗隆選手

今回のミズノブランドアンバサダーズミーティングには、新人王を獲得した東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手や福岡ソフトバンクホークスの高橋礼投手をはじめ、読売ジャイアンツの菅野智之選手、福岡ソフトバンクホークスの内川聖一や上林誠知選手。パ・リーグ本塁打王の埼玉西武ライオンズの山川穂高選手など、球界を代表する名だたる面々が参加している。

※左から濵口遥大選手、桑原将志選手、宮﨑敏郎選手、神里和毅選手、今永昇太選手(横浜DeNAベイスターズ)

ミズノブランドアンバサダーズミーティングのポイントその2:選手同士の意見交換

※北海道日本ハムファイターズ 大田泰示選手(左)、読売ジャイアンツ 菅野智之
選手(右)

ミズノブランドアンバサダーズミーティングでは、普段話し合いがしづらい他球団の選手たちとも道具やプレーに対する意見交換が活発に行われていた。また、選手同士の数珠繋ぎ式インタビューが行われており、高校の先輩である読売ジャイアンツ菅野投手を指名した後輩の北海道日本ハムファイターズの大田泰示選手は、かつて2人が寮生活において同じ部屋で寝食を共にしていたことなど、プライベートの意外な話も聞ける。

※広島東洋カープ 長野久義選手(左)、埼玉西武ライオンズ 山川穂高選手(右)

 

※読売ジャイアンツ 亀井善行選手(左)、北海道日本ハムファイターズ 大田泰示選手(右)

ミズノブランドアンバサダーミーティングのポイントその3:クラフトマン


ミズノテクニクス(株)  木製バットクラフトマン渡邉孝博氏

ミズノブランドアンバサダーズミーティングには、各球団の一流選手が参加しているため、どうしてもそちらに目が行きがちになってしまう。しかし、本会議で選手と同等に重要な役割を持つのがミズノのクラフトマン(職人)たちだ。そこで筆者は、今まで多くの一流プロ野球選手たちと直近で接してきたからこそわかる“一流の共通点”を、パ・リーグの選手たちのバット製作を担当している渡邉孝博氏に話を伺った。

渡邉氏「やはり“こだわり”ですね。バットを初め、道具を大切にするのはもちろんですが、自身の最高のスイングのためにこだわりが強い選手が多いと思います」

筆者「具体的にはどのようにこだわりが強いのでしょうか?」

渡邉氏「形や重さはもちろん、グリップや重心の位置。色などにこだわる選手もいます」

2019年本塁打王に輝いた西武ライオンズの山川選手や、3年連続打率3割以上の成績を残している日本ハムファイターズの近藤選手など、名だたるパ・リーグの選手たちのバット製作を担当してきた渡邉氏。そんな名選手たちのバットを製作する上での苦労を伺うと……。

渡邉氏「正解がないところですね。私たちクラフトマンが満足したものが必ずしも選手にとって最適のバットとは限らないため、正解がないところがこの仕事の大変なところだと思います」

今回のミズノブランドアンバサダーズミーティングで担当選手の要望を聞き、春のキャンプまでにバットを製作。しかし、キャンプ中もしくはシーズン途中でも選手からの要望があれば、バットを製作し直すのだという。渡邉氏たちミズノクラフトマンの仕事が一段落するのは、シーズン終了時。そこで初めて自身の仕事に対する正解を得るのだという。つまり、ほぼ1年を通して、正解のない1つの道具に対し、より正解に近い回答を求めるということだ。今年も熱い試合が繰り広げられた日本のプロ野球。その選手たちを支えるクラフトマンたちの戦いは、すでに始まっているのかもしれない。

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