11月18日に経営統合を発表しヤフーとLINE。実際の統合は2020年中になりそうだ。インターネット上でビジネスを行う巨大企業同士の統合は、日本国内で確固たる地位を確保し続けられるのだろうか。
QR決済サービスのPayPayとLINE Payとの関係はどうなるのだろう。GAFAやBATに対抗するにはまだまだ企業規模が小さいのではと、様々な有識者が各方面で意見を述べている。
ユーザーの購買行動を最大化するためにAIを活用する「AIテックカンパニー」として日本・アジアからGAFAやBATに対抗していくのが経営統合の一番の目的であるという。
引用元:経営統合記者会見資料/Zホールディングス
難しい議論はさておき、競合の中心として見られるのはやはり楽天だろう。
●用語
・PayPay:ヤフー、ソフトバンクが手掛けるQR決済サービスとサービスを提供する企業の名称
・Zホールディングス:2019年10月に発足したヤフーの持株会社
・GAFA:Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取ったもので米国にある巨大なIT企業の総称のことをいう
・BAT:Baidu、Alibaba、Tencentの頭文字を取ったもので中国にある巨大なIT企業の総称のことをいう
ZホールディングスとLINEの経営統合後の時価総額は楽天の約2.2倍となるのだが…
以下の表にヤフーの親会社で上場企業のZホールディングス(以下ZHD)、LINE、楽天の3社の11月25日時点の時価総額と2019年7月〜9月までの売上高をまとめた。
経営統合後の状態でZHDとLINEの時価総額は楽天の約2.2倍となり、売上高は楽天とほぼ肩を並べる規模になる。
Eコマースの2018年度の取扱高ではヤフーは約2.3兆円、楽天は約3.4兆円とヤフーのほうが楽天よりも約1.1兆円少なくなっている。この状態でLINEと経営統合した場合に、楽天よりも取扱高を多くし、名実ともに国内ナンバーワンのインターネット企業になれるのだろうか。
2019年7〜9月の楽天の国内EC流通総額は、1兆円の大台を超えていてプラス成長が続いている。
引用元:2019年度第3四半期決算発表スライド資料/楽天