ごはんの美味しさキープのために工夫していること
ところで、ごはん屋便は、ごはんを美味しく炊いて終わりというわけではなく、「デリバリー」という難関がある。デリバリーの過程で美味しさが損なわれないように、どんな工夫がされているのか?
「一番気を付けていることは『保温』です。ごはんが劣化することを老化といいますが、ごはんは温度が60℃以下になると老化のスピードが速まるためです。できる限りこの温度を保つため、保温容器に入れ、炊きあがり後から納品までの温度管理を徹底しています。また、菌検査を何度も繰り返し行い『安全、安心』なごはんをお客様にお届けするように努めています」
ごはんをできるだけ美味しいまま長持ちさせるには?
では、家庭で炊いたごはんをできるだけ美味しいまま長持ちさせるには、どうすればいいだろうか?
「ごはんの老化の要因には、温度、水分が関係します。炊飯後のごはんは水分量も多く、老化が進みやすい状態です。そのため、できる限り美味しさを保つように、保温することが大切です。ごはん屋便とは直接的に関係はありませんが、ご家庭で保存する場合には、炊いたごはんは粗熱をとった後に、小分けして冷凍することで美味しさが維持します」
家庭でごはんを炊飯器や鍋で炊くときに美味しく炊くコツ
最後に、家庭で炊飯器や鍋でごはんを炊くときに美味しく炊くためのコツを伝授してもらった。
●炊飯器
「まず、お米を素早く研ぎます。次に60分~120分浸漬し、お米に水分をしっかり吸わせることで、ふっくらとしたお米になります。浸漬時間は、季節により変更してください。
炊き上がった後は、お釜の中の水分を一定にさせるため、一定時間蒸らします。その後、しゃもじを使ってごはんをほぐし、お米に水分と旨味を閉じ込めます。気を付けていただきたいのは、このときに、決してごはんを潰さないように優しくほぐしてあげることです。浸漬や蒸らしの時間は炊飯器によって、スイッチを押した後にそれらの時間が含まれている場合がありますので、事前に炊飯器の特徴を十分に知っておくことも大事なことです」
●鍋
「基本的な炊き方の手順は炊飯器と同じになりますが、鍋の場合はガスで強火で一気に炊くことがポイントとなります。中火~強火で沸騰するまで加熱した後、2分ほど炊きます。その後、徐々に火を弱めながら7分~10分ほど炊いていきます。炊き上がった後、10分ほどの蒸らしの時間をおいて、ほぐしをしたら完成です」
ごはんは毎日食べる何気ない食べ物でありながら、炊き方や保存状態によっていかようにも味や食感が変化する。実は非常に奥が深い世界。自宅でぜひ試してみよう。
【取材協力】
ごはん屋便
大量のあたたかごはんをお届けするデリバリーサービスです。(東京・神奈川・千葉・埼玉エリア限定)株式会社ミツハシが自社工場でおいしく炊き上げたごはんを保温箱に詰めてご指定の日時・場所へお届けします。
https://gohanyabin.com/
取材・文/石原亜香利