社員が円滑に働けるようサポートする人事総務担当者。企業にとって欠かすことのできない縁の下の力持ち的な役割を担っているが、その反面、ITツール導入をはじめとした業務効率化については課題も多そうだ。
そこでこのほど、人事総務担当者1,090人を対象にした「業務の悩みや業務の効率化」に関する調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
業務の効率化を課題に挙げる人事総務担当者が多数
はじめに、「人事総務の業務においての課題はどのようなことか」という質問に自由回答で答えてもらう調査が行われたところ、以下のような回答が寄せられた。
・勤務評価及び業務の能率化・効率化(60代/男性/宮城県)
・ペーパーワークの減少、および効率化(50代/女性/神奈川県)
・勤怠管理が大変、個人情報保護の徹底(40代/女性/福島県)
・定型業務の効率化(50代/男性/東京都)
・社員の教育研修、優秀な人材確保(40代/女性/和歌山県)
多くの業務をこなしながら日々さまざまな課題を感じている人事総務担当者が多いようだ。
定型業務や都度対応の改善が現場では求められている
次に、「定型化されている業務にはどのようなものがあるか?」と尋ねる調査が行われたところ、『書類関係』(35.3%)という回答が次点の『入社関係』(34.7%)を僅差で上回り最多となった。以降、『発注関係』(16.5%)、『制度関係』(11.2%)という結果となった。
定型化されていることで業務自体の難易度は下がっているかもしれないが、まだまだ効率の面で疑問に感じる部分も多いようで、より効率的な方法の探求が大きなポイントでもあるようだ。
続いて、「日々の業務で大変だと感じることは何か?」と尋ねる調査が行われたところ、『都度対応』(37.3%)という回答が最も多く、次いで『管理業務』(21.7%)、『同じ説明を繰り返すこと』(21.5%)、『書類の整理』(17.5%)となった。
IT化が進んでいる現代社会だが、そこから取り残されてしまったようなアナログな対応に煩わしさを感じている人事総務担当者が多くいることがうかがえる。
業務効率化ツールのニーズは高い一方、導入している企業はまだ半数程度
次に、「業務を効率化するために必要だと感じること」について尋ねる調査が行われたところ、『人材の確保』(40.7%)という回答が最も多く、次いで『ツールの導入』(26.8%)、『不要な業務を省く』(23.8%)、『外注委託』(8.2%)となった。
新たな人材の確保については言うまでもないが、新たなツールを導入することも、定型化された業務の中から不要な業務を省くことも社員の一存では決定できない。そのため、企業主導で業務を効率するための対策をとって欲しいと感じている人も多いのではないだろうか。
そこで、「業務を効率化するためのツールは導入されているか?」と尋ねる調査が行われたところ、『はい』という回答が49.7%と、半数以下という結果になった。
ツールの必要性を感じている方がこれほど多いにも関わらず、実際にツールが導入されているのは半数以下ということから、イニシャルコストやランニングコストを懸念して、ツールの導入をためらっている企業も多いのが実態のようだ。
導入しているツールの満足度は決して高くはないのが実態
ツールが導入されていると回答した人を対象に、「導入されているツールの満足度」を尋ねる調査が行われたところ、『低い』(48.5%)という意見が最も多く、次いで『高い』(34.9%)、『かなり低い』(12.6%)、『かなり高い』(4.0%)となった。
せっかく業務効率のためにツールを導入しても、操作が複雑であったり煩雑であったり、汎用性が低かったりなど、自社に合っていないシステムを利用している企業も多いのではないだろうか。
実際に使用する人の満足度が低くては、コストをかけて導入しても全く意味がない。どのようなツールを導入すべきかをしっかりと検討する必要がある。
また、ツールを導入されていない人を対象に「自社に合う自動効率化ツールがあれば導入したいか?」と尋ねる調査が行われたところ、8割以上が『はい』(82.9%)と回答した。
AIを利用したツールやチャットボットへの期待は大きい
前項の結果を受けて、「今後10年間で、ITツールやAIの導入によりバックオフィス業務の生産性は向上すると思うか?」と尋ねる調査が行われたところ、8割以上が『はい』(80.4%)と回答した。
また、「人事、総務の自動効率化ツールで有効と思われるものは何か?(複数選択可)」と尋ねる調査が行われたところ、『労務管理』(50.0%)、『勤怠管理』(41.5%)、『経費精算』(35.0%)と共に、『採用管理(ATS)』(34.4%)や『チャットボット』(23.2%)、『RPA』(17.3%)といった回答にも多く票が集まる結果となった。
今後の業務効率化の鍵はこうしたAIを利用したツールにあり、また、それを多くの人事総務担当者が望んでいるという現状が読み取れる。
調査概要 : 「業務の悩みや業務の効率化」に関する調査
【調査期間】 2019年10月10日(木)~ 2019年10月11日(金)
【調査方法】 インターネット調査
【調査人数】 1,090人
【調査対象】 人事総務担当者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
出典元:チャットプラス株式会社
構成/こじへい