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新型iPhoneのライバルはどれ?最新スマホの性能、デザイン、価格を徹底比較

2019.11.27

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は2019-2020冬春のスマホ新作について議論します。

規制の影響でミドルからローレンジモデルが主流に

房野氏:iPhoneの新モデルが出て、各キャリアから冬春のAndroidスマホなど発表されましたが、全体的にどういう印象を持ちましたか?

房野氏

石川氏:ミドルレンジが熱くなってきた。ドコモ、au、UQ mobileで取り扱って2万円を切る「Galaxy A20」もそうだし、AQUOS……

Galaxy A20

石川氏

法林氏:A20はミドルというか、もっと下だね。

法林氏

石野氏:ローに近い。

石野氏

法林氏:ほぼローエンドというかエントリーに近い。

石川氏:あと「AQUOS sense3」もそうだし。あの辺のクラスのスマホが、本当に激戦となってきた。

AQUOS sense3

石野氏:Xperiaがついにミドルレンジに参入してきたし。

法林氏:「Xperia 8」ね。

Xperia 8

石川氏:Xperia 8の価格って結局いくらなんですか?

石野氏:5万円の本体価格からマイナス2万円されて、実質3万円台って感じじゃないですか(auでは一括5万9040円(税込み・以下同)。アップグレードプログラムNX適用で実質負担金は3万9360円)。

法林氏:AQUOS sense3とかが一括3万円台で売られるから、Xperia 8は2万円くらい高い。ということは「OPPO Reno A」(一括3万8800円)と勝負しなきゃいけないということになっちゃうので、比べるとうーんって感じがして。

OPPO Reno A

石川氏:やっぱりXperiaの……

法林氏:Xperia 8……いや、「Xperia 5」かなぁ。5の反響、各媒体で読者の反応がすごくいいらしいので。

Xperia 5

石野氏:Xperiaのニュースが読者から好評なのは、ずっと前からですよね。

法林氏:いや、今回は久しぶりにいいスマホだって。

房野氏:日本人は小さい端末が好きですね。

石野氏:Xperiaというブランドが、ですよ。

法林氏:小さくはない。普通サイズにしたというべき。

石川氏:Y!mobileの寺尾さん(ソフトバンク 常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏)が発表会で出してきたグラフ、過去4年のデータだったじゃないですか。あの4年というのがよく考えられていると思った。あの4年の中に入っている人がスマホを機種変更する時に、たぶんXperiaからXperiaに変えるという流れに日本人はなっているんですよ。だからこそY!mobileと組み合わせて安い端末で、という狙いだと思う。

石野氏:そうですね。腐ってもXperiaというか、「Xperia Ace」があのスペックとデザインで、しかも結構な価格。それなのに売れているんですよ。あり得ないだろうって。

Xperia Ace

石川氏:あり得ないし、ああいう風に売れちゃうからソニーが甘えちゃうというか。「Xperiaって名前が付いていればいいだろ」みたいな。

石野氏:そういうものなんだなと。

石川氏:安く買いたい人からすると、名前さえ付いていればいいというか。今はスマホも全部一緒だと思っているだろうし。

石野氏:過去のCMの投資とか、散々ブランドイメージに投資してきて、その実りを今、刈り取って回収しているような感じがする。

法林氏:Xperia 8はなんとも思わなかったけれど、Xperia 5がエラいと思ったのは、「Xperia 1」でやっていることをちゃんと入れてきていること。先取りしている部分もあった。ちゃんと進化させてきていてエラいなと思うんだけど、一括価格が8万円か……。

Xperia 1

石川氏:Xperia 1を買った立場としては、「5」の存在を知りたかったなぁ。先に「5」を見せてほしかったなぁ。

房野氏:「5」が出る噂ってありませんでしたっけ。

石川氏:数字でいろんなレンジのモデルを出すってことはわかっていましたけど、あんなね……。「1」はデカいなって思ったけど、「5」は持ちやすいサイズになって……。

法林氏:もう買っちゃったんだもんね。だからこそ、今回の「5」が欲しくなったんでしょ?

石川氏:そう。

法林氏:石川君の個人的な感情でしょ?(笑)

石川氏:そう(笑)

石野氏:「1」は4Kディスプレイだからいいじゃないですか(笑)

石川氏:「1」と「5」を同時に発表していたら、迷わず「5」を買っていた。しかも先日発表されたけど、「Xperia 1 Professional Edition」も一緒に発表しろよって。Xperia 1を買った人からしたら「今さらそんなバージョンがあるって言われてもさ」って感じ。Professional Editionの方が良かったと思う人がいっぱいいるだろうし。

Xperia 1 Professional Edition

石野氏:そのへんはまだね、“社長が交代してがんばり始めた初年度”ってことで多めに見てあげてほしいなあ……。

石川氏:いやいや、後出しじゃんけん感が半端ないんだよね。

房野氏:新社長(岸田光哉氏)が頑張っていますよね。

石野氏:がんばっているんですけど、がんばり始め初年度なので、がんばりが完全に追いついていないところがあるかなと。「8」もちょっと高いんですよね。

法林氏:もう一息ほしいね。値段の話でいえば、発表会はドコモと、サブブランドのY!mobileしかなかったけれど、ドコモの人が他社のGalaxy A20の値段を気にしていた。ドコモは相当、地道な努力を重ねて、苦労してあの値段を出してきたっぽいので。

石野氏:税抜き価格は2万円を切ってきた。1万9440円ですね(税込み2万1384円)。

石川氏:あの値段が書かれたプレートを吉澤社長が持っていたから。

石野氏:翌NHKで、さもGalaxy A20はドコモしか出していないかのように大きく取り上げられた。アピールの手法で完全にドコモの勝利ですよ。

法林氏:ドコモの、ユーザーをこれからどうしていきたいかということが、Galaxy A20と、3年ぶりに出たフィーチャーフォンの「らくらくホン」(F-01M)でわかった気がする。ドコモとしてはフィーチャーフォンユーザーはもう、この2つで対処する。docomo with亡き後は巻き取るすべがあまりなさそうなので、安いスマホで巻き取るか、残ったららくらくホンにしてもらおうか、みたいな感じになっているのかなという感じがした。万策尽きた感があった。

らくらくホン

房野氏:それはスマホの販売価格とサービス料金の「完全分離」が影響大ということですか?

法林氏:完全分離の影響は結構大きいと思います。完全分離になっていなくて、もうちょっと奨励金を積めていたら、3G縮小へ向けて、もうちょっとほかの巻き取り方法があったと思うんだけど、とにかく値段で攻めるしかない。どうしても動かない人はらくらくホンにまとめるしかない、みたいな感じになってしまっている。ちょっともったいない感がある。

石川氏:総務省の「2万円上限の割引」が直前になって決まった。これから2万円をどう使って割引していくかで、各社端末ラインアップに影響を及ぼすだろうと思っています。Y!mobileのZTE端末「Libero S10」は2万8800円で、割引して1万円以下を実現するために、あの値段になっている気もするし、Galaxy A20に対してすべて2万円の割引が適用されるのは難しいかもしれないけど、2万円の割引がある中で、今後、端末をどう増やしていくかは重要。メーカーとしても、その割引を含めて安い値段で出せるような端末にどんどんシフトしていくような気もする。良くも悪くもいろんな影響を与えそうな気がしますね。

石野氏:ソフトバンクの今回のラインアップ、Y!mobileも含めて、サムスンの端末がないことで相当別の努力をしなきゃいけなくなっているなと。

法林氏:サムスンはSシリーズとNoteシリーズで展開してきた戦略を、ボリュームゾーンに思い切り振ってきたのが明確に見える。ドコモとauの2キャリアだけでなく、UQ mobileにも出すし、楽天にも出すし。ラインアップを広げている感がある。サムスンはボリュームを取りに来ている。だけど、ソフトバンクとは過去のしがらみがあるみたいで、提供していない。ソフトバンクにしてみると、いつかはクリアにしないといけない。

石川氏:サムスンは5Gの端末を世界で早いタイミングで出しているので、5G端末のノウハウがある。日本でも来年3月、3社一斉に5Gが始まる時に、ソフトバンクにサムスンの端末がないっていうのは結構痛いんじゃないかな。

法林氏:サムスンはIFA(ドイツ・ベルリンで2019年9月に開催された国際コンシューマ・エレクトロニクス展)で、相当安い5G端末も出したしね。

房野氏:グローバルだと、サムスンはハイエンド端末とそれ以外のスマホの比率ってどれくらいなのでしょう。

石野氏:どうなんだろう……結構増えていると思います。

法林氏:グローバルだと、Aシリーズがすごい勢いで人気を拡大しています。

石野氏:去年かな、ミドルレンジを全部リニューアルしてAシリーズにして、それが当たっている。

房野氏:日本でもサムスンの商品戦略は、グローバルでの展開と同じようになってきている感じですか?

石川氏:メーカーからすると、今まで日本は端末割引があるからハイエンドを納入すればいいって考えだったのが、割引がなくなって分離プランになっていったら安いラインアップも必要だよねとなった。その時、グローバルでモノを作っているメーカーの方が調達力があるし、安いものを納入できる傾向がある。だからサムスンは生き残っていくだろうし、OPPOもグローバルで存在感があるし、シャープはフォックスコンに力を借りられるし、ということになってくると、キツくなってくるのがソニーとか富士通とか京セラとか。グローバルでの影響力がないと、安いスマホでも競争力が出しにくくなる。

石野氏:サムスンは海外では、Galaxy A20から30、40、50、60……と、細かく刻んだラインアップでスマホを販売しているんですよ。そうすると「日本ではコレとコレが売れそうだな」といって選んで出すことができる。

房野氏:チップで差があるんですか?

石野氏:チップも他も細かく仕様を変えて、値段も細かく変えて、かなり段階的になっている。Aシリーズも上の方は結構ハイスペックなんですよ。そういうラインアップからちょいちょいと持ってこられる。

石川氏:しかもチップがSnapdragonじゃないから、他の端末と比較されない。

石野氏:そう、ほんとそれは上手いことやったなと思いました。

石川氏:「Exynos(エクシノス・サムスンのチップ呼称)」の型番を言われてもわからないなぁって(笑)

石野氏:しかもExynosは4桁なんですよね。なんとなくすごそうに見えちゃうし、覚えにくい(笑)

房野氏:Galaxy A20に搭載しているExynosは?

石野氏:たぶんSnapdragonの400番台に近い。ローエンド寄りですね。Snapdragon 200番台ほどではないらしいという話です。

房野氏:実用上に問題はないと。

石野氏:問題はないですよ。ただ、指紋センサーがなかったりディスプレイがHDだったり。

法林氏:ディスプレイがHDなのは、ちょっと……

石川氏:でも、狙っているのはフィーチャーフォンを使っている人の買い換えなので、その程度で十分でしょう。

石野氏:よく考えたら「iPhone 11」もHDなんですよね。たぶん台数ベースで一番売れているものはHD。確かに近づいて見たらわかりますけど、近づかないとわからないので。というと、4KディスプレイのXperia 1を買っちゃった石川さんが不憫になるんですが(笑)

石川氏:もう売っちゃった……

房野氏:え、もうですか?

法林氏:転売?(笑)

石川氏:イオシスで。

石野氏:ヤフオクじゃないんですね(笑)

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