■連載/阿部純子のトレンド探検隊
冷蔵室から見渡せる野菜室など見やすさ、使いやすさにこだわり
AQUAが2020年1月中旬より順次発売する、冷凍冷蔵庫「Delie(デリエ)シリーズ」(全4機種)の発表会が開催された。
業界初の冷蔵室から野菜室を見渡すことができる「旬鮮野菜室」、冷凍した食材のおいしさを保つ「おいシールド冷凍」、食品をトレーごと並べて収納できる「フルワイド旬鮮チルド」が大きな特長となっている。
「Delieシリーズ」プレミアムラインは、458L「AQR-VZ46J」(想定価格25万円前後)、ローサイズの430L「AQR-VZ43J」(想定価格21万円前後)の2機種。2019年のグッドデザイン賞受賞したデザインは、AQUAとしては久々のガラスデザインで、少しラウンドを持たせたやわらかな雰囲気に。暖色系な白のクリアウォームホワイト、上品なメタリックのクリアモカブラウンの2色。
鋼板タイプの「Delieシリーズ」スタンダードラインは、458L「AQR-V46J」(想定価格22万円前後)、ローサイズの430L「AQR-V43J」(想定価格20万円前後)の2機種。従来のSVシリーズと同じデザインを踏襲。色はチタニウムシルバーと、今年1月に発表された、プロダクトデザイナーの深澤直人氏デザインによるTZシリーズで好評だった木目調のダークウッドブラウンで、インテリアにマッチするデザインに仕上げた。
日本の住宅の大半に設置できる幅60cmの省スペースサイズで、TZシリーズで培った技術を60cmに詰め込み458Lの大容量を実現した。シリーズ共通で奥行は71cm、高さは184cm、ローサイズは175cm。
【AJの読み】冷蔵庫整理アドバイザーの福田かずみさんと共にデリエをチェック
毎日何度も開け閉めする冷凍冷蔵庫は、なにより使いやすさが重要。そのうえで詰め込み過ぎによるランニングコストや、使い切れずに捨ててしまう食品ロスを解決するような冷蔵庫であれば理想的だ。
冷蔵庫整理・活用アドバイザー/食品ロス削減アドバイザーの福田かずみさんから、冷蔵庫整理のコツや使いやすい冷蔵庫の選び方を伺った。福田さんのアドバイスをもとに、デリエシリーズをチェックしていきたいと思う。
冷蔵庫の中に食材が、なにがどれだけあるか、一目瞭然の“見える収納”を提唱している福田さんの冷蔵庫整理術3原則は「重ならない」「混ざらない」「迷わない」。
「どのメーカーでも大型の冷蔵庫には必ず卵ケースがあり卵の定位置を決めている。このおかげで卵は迷わず見つけることができるが、これが冷蔵庫整理の理想の形。見える収納を実現するには、冷蔵庫内の空間を収納容器、トレーを使ってゾーニングすることが大切」
〇旬鮮野菜室
全体の構成は上段が冷蔵室、中央が野菜室、下2段が冷凍室。新製品の最大の特長は、冷蔵室を開けると強化ガラスで下の野菜室が透けて見える「旬鮮野菜室」(プレミアムラインのVZシリーズのみ搭載)。AQUA従来の製品では最下段が野菜室で、ペットボトルや醤油などの調味料といった野菜以外のものが入れるケースも多かったが、今回は野菜室には野菜だけを入れる設計を施した。
「ユーザー調査では、野菜を腐らせたことがある、ストックを忘れて同じ野菜を買ってしまったことがあるという経験がある人が9割以上に上った。これは“見えない”ことによっての問題ではないかと。年間642t出る食品ロスの半分は家庭からであり、余剰以外に野菜の廃棄も多く、業界としても考えていかねばならない問題として捉えた」(AQUA 冷蔵庫企画グループディレクター 山本陽護さん)
「デリエは野菜室の中にあらかじめケースが置かれている。そこには使いかけの野菜を入れて欲しい。使いかけの野菜はラップをして冷蔵庫の中に入れることが多いが、ラップが剥がれて、なにかの陰に隠れてしまうと見えなくなり、結果的に食品ロスになることがとても多い。ケースがあればまとめて使いかけを入れて、そこにある食材で献立を考えて率先して使うことができる」(福田さん)
保存に適した低めの設定温度、湿度コントロール、冷気が野菜に直接あたりにくい構造で、乾燥率は10%ほど改善。とくに葉物野菜には効果があり、従来品と比べて乾燥率が抑えられているので、ラップをしなくてもそのまま保存できる。
透明のガラスなので、ストック野菜が一目瞭然で、ビジュアル的にもきれいに見える。野菜室は買い物かご1杯分の33Lがまるごと入る大容量になっている。