意外! ワインバーが流行っている!?
サスティナブルな美しい街並みと交通システムに惚れ惚れする一方、ボルドーといえばやはりワインだ。ボルドー市の新しい顔になりつつあるCité du Vin(シテ・デユ・ヴァン)は外せない。
2016年にオープンした新しい観光名所。ワイン8000年の歴史を実感させる野心的なミュージアムだ。ボルドーだけでなく世界のワインを視野に入れた、おそらく世界一のワインミュージアムだろう。入場料20ユーロでワインの歴史と知識を堪能でき、展望台の1杯で締めくくる。ワイン好きは必見の地。
街の中心を流れるガロンヌ川沿いに立つシテ・デュ・ヴァン。川からボートで行くのも楽しい。
シテ・デュ・ヴァンのショップ。世界の選り抜きワインが勢揃い。
本場のワインバーに行きたいと、通訳のNさんに「地元で人気のワインバー」を案内してもらった。意外なことに、ボルドーでワインバーが流行りだしたのは、ここ10年ほどだという。
「フランス人にとってワインは食中酒ですから、外でワインだけ飲むことは基本なかった」とのこと。ワインだけ飲みたいなんていうとアル中扱いされたようだ。それが観光客の増加もあってか、近年ワインバーが続々オープン、人気を博している。その日は木曜夜だったが、人気のワインバーはほぼ満席だった。若い人が多いのが印象的だった。
地元で人気のワインバーその2 un château en ville
Wine More TimeではAOCボルドー1杯4.5ユーロ〜だった。メニューはボルドーワインばかり——なわけはなく、ブルゴーニュもロワールもラインナップされていた。
最後に、ワインの量り売りを紹介しておきたい。
量り売りの店のワインディスペンサー。この日はロゼ1リットル5ユーロ。瓶は持ち込みだが、店でも買える。
ワインのほか、オイル、ビネガー、香辛料、ハチミツ、豆類などの食材が量り売りされていた。最近こうしたパッケージフリーの食料品店が増えているそうだ。フランスのスーパーではレジ袋は出てこない。必要なら買うのだが、カルフールでは1枚10セントだった。
量り売りもちょっとオシャレに見えてくるから不思議な街ボルドー。東京と規模は違うけれど、真似してほしい所も多々あるサスティナブルな街だった。
取材・文/佐藤恵菜 撮影/Mathieu Anglada