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成長意欲が湧いてこない時にみられる3つの原因と解決策

2019.11.27

そろそろ12月。この一年を振り返り、自分はどれだけ成長できただろうか?と自問自答してみると、ずいぶん成長したという人もいれば、去年とまったく変わっていない気がするという人もいるだろう。

中には、成長意欲がわいてこない、上司から成長しないやつだと言われたなど、成長意欲が損なわれている、もしくはもともと少ないという悩みを持つ人もいるかもしれない。

そんな人に向け、自分の成長意欲の引き出し方を、エグゼクティブコーチで組織変革コンサルタントの國武大紀さんに聞いた。

成長意欲がわかない原因は?

自分の中に、成長意欲が失われているという場合、その原因はどこにあるのか? 國武さんは、よく見受けられる原因として、次の3つを挙げる。

1.自分を限界付ける思い込み

「『自分はダメだ、バカだ、苦手だ、~できない』など、自分に限界を感じる思い込みです。この思い込みがあると、成長意欲を根底から奪ってしまいます。例えば、トラウマになるほどの衝撃体験や、小さな失敗が何度も繰り返されるなどの体験によって、こうしたネガティブな思い込みが生まれます」

2.他者との比較・競争による自己肯定感の低下

「他者から刺激を受ける程度、あるいは、あくまでゲームとして競争するのであれば問題ないのですが、勝つことに執着したり、他者との競争そのものが目的になってしまったりすると、他者とのエンドレスの不毛な戦いになってしまいます。必ず自分より上の人は出てきますし、負け続けるなどすると自己肯定感が下がって成長意欲の障害となってしまいます」

3.人生や仕事の目的を見失っている

「例えば営業マンが売上の数字などにとらわれて、目先の目標だけを追いかけていると、そもそもその仕事の『目的』は何なのか?という本来の仕事の意味を見失ってしまうことがあります。人生や仕事の『目的』が自分自身の中で腑に落ちていないと、何らかの壁にぶち当たったときに『何のためにやってるのか?』が分からないので、やらされ感が生じてしまいます。この状態では成長意欲がわいてきません」

原因別の解決策!成長意欲を呼び起こすには?

これらのよくある3つの原因を克服し、成長意欲を呼び起こすためにはどんな解決策があるだろうか。

「解決するには、実績のあるプロコーチにコーチングしてもらうのがベストです。ただ、コーチをつけたくてもつけられない人もいると思いますので、セルフコーチングを上手く活用してみましょう」

1.「自分を限界づける思い込み」を取り除くには?

STEP1)メタ認知(自分を客観的に理解する)

「やる気や成長意欲を削いでいる『否定的な思い込み』を特定します。やり方は、『私は成長したいという意欲がわかない。なぜなら私は○○だから。』の○○に入る言葉を書き出します。例えば、『私は自信がないから』『私はバカだから』など。これにより、どういう思い込みがあるのかをあぶり出し、見える化していきます。こうして自分を客観的に理解することがこのステップのポイントです」

STEP2)メリットとデメリットを出す

「次に、その見える化した思い込みを持ち続けることのメリットとデメリットをできるだけあぶり出します。

例えば、

メリット:努力しないで楽できる。失敗しないで済む。
デメリット:自分がやりたいことが実現できない。人から尊敬されない。

などです」

STEP3)選択する

「次に、あぶり出したメリットとデメリットとじっくりと向き合って、どちらを選択したいのか考えてみます。例えば、努力しないで楽できるのと、人から尊敬されないこと、どっちを自分は選択したいのか?と自分の心と向き合って自分に問いかけてみるのです。これにより、メタ認知がさらにできてきます。客観的に自分を見ている状態を作って、自分の本心を聞いてあげたうえで、選択します」

STEP4)自分の選択に100%YESと言う

「そして、どちらを取るかを選択したら、その選択に対して100%、YESと自分に言ってあげます。結果的にどちらを選択してもOKです。しかし、選択したら、100%YESと言ってあげることが重要です。これをするだけで、当初のネガティブな思い込みから離れることができ、自分自身が変化し、成長につながっていきます」

「要するに成長とは、自己を客観視しながら、自己変革のプロセスを経ていくことなのです。このプロセスを繰り返していくことで、自分の成長と向き合うことができます」

2.「他者との比較・競争による自己肯定感の低下」をなくすには?

「この場合、他者との比較・競争ではなく、自分自身との比較・競争に切り替えます。誰かと比べるのではなく、昨日の自分より、自分はどれだけ成長したか?を比べるのです。他人基準は参考にしてもいいですが、あくまで参考にとどめて自分基準を作ることが大切です。

例えば『残業を1時間減らす』『契約を毎月1件ずつ増やす』など。このときポイントになるのは、無理難題な目標を設定しないこと。到底達成できないような目標を設定してしまうと、自己肯定感が下がり、成長意欲が失われてしまいます。自己肯定感を維持するにはベイビーステップ、つまり確実に続けられる『小さな目標』に設定し、その小さな一つ一つを達成していくことで『やればできる』を繰り返していくことが重要です。そうすることで、成長意欲も徐々にわいてきます」

3.「人生や仕事の目的を見失っている状態」から抜け出すには?

「この場合、自己理解を深めることが解決策となります。価値観と向き合う『価値観ワーク』を行いましょう。自分はどんなことに『喜び・楽しみ』を感じられるのか、反対に、自分はどんなことが『絶対嫌』なのか?『許せない』ことは?など、価値観を大量に50~100程度書き出します。その中から、ベスト10、もしくはベスト5を選びます。

次に、そのベスト10~5の価値観(=自分の大切にしたいこと)を大切にするには、どうしたらいいか?を考えます。その質問に対する答えが人生や仕事の『目的』になります。目的を明確にできれば、目標は設定しやすくなり、成長へと向かいやすくなります」

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