静音リングは予想外に効果アリ
静音リングはキーキャップの裏側にある円筒形の突起に挿入するだけでいい。最後まで押し込まなくても、スイッチにキーキャップを被せたときにリングが押されるので問題ない。その効果は予想以上で、カチャカチャという高音が抑えられ、軽いクリック感は残った。これ以上の静音化は専用のキーボードでないと無理だろう。私にはこの状態と、クリック感なしで完全静音のどちらがいいのかは比較してみないと判断を下せない。リングを入れたことで、ストロークが2mm浅くなったが、その分、早くキー入力ができるようなりメリットの方が大きい。これはかなりハイコスパな静音対策と言える。
キーボードのトップパネルを外せば工具がなくてもキーキャップを外せるようになる。
静音リングは静音化したいキーキャップの裏側にはめこむだけだ。
パンタグラフ式のスプリングを支えるパーツがあるので、これを新しいキーキャップに移設する。
10キーやファンクションキーはJISもASCIIも同じなので、そのまま交換できる。
とりあえず完成したオレンジ+ホワイト配列のキーボード。なかなか斬新だ。
足りないキーは単品で入手して色だけでも揃えたい。難関はエンターキーだ。
聴感上と測定でも分かった静音効果
キーキャップ交換と静音リング装着で素早く入力できるようになり、静音効果も発揮された。どれぐらい静かになったのか動画を録ったので、ぜひ聞いてみて欲しい。録音レベルが高いので静音後もうるさく聞こえるが実際は部屋の暗騒音にマスクされてもっと静かである。さらにオーディオ用のアプリを使って1個のキーを叩いた時の音を周波数帯域の積算データを測定してみた。
125Hz以下の音は部屋の騒音なので無視してもらい、1kHz以上に注目して欲しい。上のグラフでは全体的に大きな音が出ているが、静音リング装着後はかなり音量が下がっている。10dBぐらい下がった帯域もあり、これは打鍵音が1/3に減ったことを意味する。特に耳障りな高い音がソフトになった恩恵が大きい。次回は単品キーキャップを探しも兼ねて「遊舎工房」を取材したい!
キーボードの打鍵音が800Hz以上の高音に分布していることが分かる。
静音リングを使うと帯域にムラがあるが確実に静音効果があることが分かる。
上が対策前の茶軸キーボード。下が静音リング装着済みの茶軸キーボード。
写真・文/ゴン川野