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マーケッター必読!多様性を重視した「Inclusive Marketing」成功の秘訣を米国企業に学ぶ

2019.11.05

ファッションや美容業界にもインクルーシブな流れが!

アメリカでは、美容業界やファッション業界にも、Inclusive Marketingが浸透してきており、多様な美しさ、個性に目を向けたプロダクトやサービス、キャンペーンを打ち出す企業が増えています。

世界の歌姫リアーナがプロデュースするコスメブランド「Fenty Beauty」

「Fenty Beauty」は、R&Bシンガーのリアーナが2017年に立ち上げたコスメブランド。リアーナ自身、自分の肌に合うファンデーションの色が見つからないことにインスピレーションを得て、40色ものカラーバリエーションを揃えたファンデーションを作ったのがブランドの始まりです。

fentybeautyより

公式ホームページには、たくさんのカラーから自分の肌に合うカラーを選べるクイズがあり、まさに自分にぴったりの色に出会えるようになっています。

「これまで以上に多くの女性の肌に合うカラーを作る」というインクルーシブな視点で作られたコスメブランドは、ローンチ1年間で$500M(5億ドル)の売り上げを達成しました。今まで見過ごされてきたニーズに合った商品を売ることで消費者から共感された成功事例と言えるでしょう。

トミー・フィルフィガーの「Tommy Adaptive」

アメリカのブランド、トミー・フィルフィガーが提供するライン「Tommy Adaptive」は、あらゆる人にフィットするファッションをコンセプトに、大人から子どもまで、障碍のある人たちにとって着やすい洋服がラインアップ。

片手で動かせるジッパー、磁石で作られたボタンなど、着脱しやすくなっており、トミー・フィルフィガーの洗練されたデザインの洋服を手軽にコーディネートできるようになっています。

ADVERTISINGWEEK より

同ブランドは、アパレル業界のインクルージョンを促進するスタートアップ企業のコンテスト「トミーヒルフィガー・ファッション・フロンティア・チャレンジ」を実施するほど、インクルーシブマーケティングに力を入れているそうです。

Inclusive Marketingの成功に導く思考とは?

アメリカでは、こうした多様性を考えたInclusive Marketingを取り入れる企業が増えている一方で、大々的に取り入れるには、「Brave(勇気がいる)」と言うエキスパートもいます。「Diversity(多様性) & Inclusion (包括性)」を重視する人もいれば、そういった考えに賛同できないという人もいるからです。

企業がどういったスタンスでマーケティングにのぞむかは、ポリティカル・コンシューマーと言われているGenZ(Z世代)の台頭、来年行われる2020年の大統領選挙などに目を向け、あらゆるリスクを考える必要があり、複雑で難しいと言うエキスパートもいました。

今回アメリカで見てきた事例やエキスパートたちの見解をベースに考えると、「Humanity(人間らしさ・思いやり)」の思考が、Inclusive Marketingのベースにあるように感じました。

社会的な立場や状況に関係なく、どんな人にも、生活の中で困っていることや悩ましく思っていることがあり、弱い立場としての側面があると思います。また、長年当たり前だと思っていることが、時代とともに、当たり前ではなくなってきており、今年、メインストリームだとしても、来年は、どうなるかわからないほど、時代の移り変わりが速いのも事実です。

Inclusive Marketingで成功している企業は、未来を見据え、従来の固定概念にとらわれず、あらゆる人のニーズをインクルーシブな視点で的確に把握し、「Humanity(人間らしさ・思いやり)」のスピリットでポジティブにサービスやプロダクトに変換するセンスを持っているように感じました。

日本では、「Diversity(多様性) & Inclusion (包括性)」というと、教育や職場環境、企業のCSRの文脈で語られることが多く、マーケティングに取り入れる企業は、まだ少ないと言われていますが、今後、Inclusive Marketingは、多様化する社会において、注目される機会が増えると予想されます。国問わず、インクルーシブな視点がイノベーションを加速させる要素のひとつと考えると、ビジネスにおいてその価値は大いにあると思います。

Writer/Atsuko Tanabe 田辺敦子(HOUSTON UPRIGHT
新聞社勤務後、渡米。ニューヨークでの現地コーディネーターを経て帰国後、外資系広告代理店のコピーライターからフリーランスへ。主にライフスタイルブランドの広告制作・プランニング、メディアでの執筆などを行っている。

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