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元受刑者の親代わりになる職親プロジェクトに携わる建設会社社長の「決して見捨てない」という強い信念

2019.11.01

再犯率低下のために、今取り組んでいること

草刈社長は、今、年々伸びている再犯率の低下のために、取り組んでいることが多数あるという。

草刈社長:私が面接して雇った就労者に対して、個々の持っている事柄や性質を限りなく理解して、その上で彼らの夢や目的を持ってもらい、一人一人のレール(ロジック)を引くことをしています。

●刑務所で建設業の座学と実技(OJT)を実施

草刈社長:具体的な取り組みとしては、日本財団と建設業の会社数社で、3年前から刑務所にて建設業についての座学と実技(OJT)を実施しています。

刑務所、少年院には、職業訓練を受け、資格を取ることができるところがあります。職種は施設によって異なりますが、刑務所内で訓練し、出所後にそれを実際に職業とする人は1%未満だそうです。「せっかく資格を取得したのに、その仕事に就かないのか?」と当事者に聞いてみました。すると、「座学ばかりで面白くない」「刑務所を思い出すので、やりたくない」とのことでした。

税金を使って訓練し、就職(納税)につながらないのはおかしいと思い、始めました。年々希望者は増え、講師が所属する会社、業種に就職したいという受講者も増えています。

今後は建設業だけでなく、もっと業種を増やし、衣食住に分け、それぞれをOJT形式で講習し、就職につなげることをプロジェクト全体で進めていきたいと思っています。

●公益社団法人OMOIYARIプロジェクト創設

草刈社長:また、就労者を受け入れる中で起きた問題をまとめ、それを解決するために公益社団法人OMOIYARIプロジェクトを立ち上げました。

OMOIYARIプロジェクトは、「主人公は就労者」を合言葉に、就労者それぞれに応じた更生プログラムを作成し、就労者・雇用主に寄り添います。また、OMOIYARIの心を持って就労者が、まずは社会参加し、その後、社会復帰につなげていけるよう企業と就労者とのハブの役割を担い、多くの機関や専門職と連携し、更生、再犯防止に努める団体です。

再犯率低下のために今後必要なこと

再犯率を低下させるためには、今後、どのようなことが必要と考えているのだろうか。

草刈社長:今、取り組んでいる内容をさらにブラッシュアップし、規模を拡大し、それぞれが成功事例を一つずつ増やしていけるよう、進めていきたいと思っています。

他にも、やりたいことはたくさんあります。

・一人の就労者を皆で支える仕組み(OMOIYARIプロジェクト)を確立する。
・企業が不安や負担を感じることなく、雇用できるような仕組み、制度を構築する。
・被害者がいることを認識し、被害者に弁済する等の仕組みをつくる。

「世界一安全な国 日本」を実現するためには、ひとたび犯罪や非行をした者を社会から排除し、孤立させるのではなく、責任ある社会の一員として再び受け入れること(RE-ENTRY)が自然にできる社会環境を構築することが不可欠だと思います。

【取材協力】
草刈 健太郎さん
1973年、大阪府岸和田市生まれ。近畿大学法学部卒業。カンサイ建装工業株式会社、日之出塗装工業株式会社、オープンブックマネジメント株式会社の代表取締役として、マンションやビル等の様々な建築物の各種改修工事、新築工事や塗装工事を手掛け、また建設業界へ施工管理者の人材派遣も行っている。企業経営以外にも、日本財団の再犯防止プロジェクト(職親プロジェクト)を立ち上げメンバーとして推進するなど、幅広く社会復帰促進就労支援を実施。刑務所や少年院からの出所者に社会参加や就職機会を提供する公益社団法人OMOIYARIプロジェクトを設立し、その代表理事として就労支援以外にも被災地支援や発展途上国支援など活躍の場は多岐にわたる。

日本財団職親プロジェクト
https://shoku-shin.jp/

公益社団法人OMOIYARIプロジェクト
https://www.facebook.com/omoiyariproject2019/

「お前の親になったる 被害者と加害者のドキュメント」
https://www.amazon.co.jp/dp/4796877789

取材・文/石原亜香利

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