国際線機内食/ビジネスクラス編
空旅の楽しみといえば〝機内食〟。近年、ビジネスクラスでは航空会社ごとに特色を打ち出しており、有名シェフとのコラボメニューが展開されることも増えている。今回、高得点を収めた2社は世界的な評価も高く、機内食を目当てに搭乗するというファンも多い。機上のレストランで供される、美食の数々をご覧いただこう。
本誌エアライン ランキング算出方法
4賢者の持ち点はそれぞれ25点とし、最高得点は100点とする。なお、各氏とも最低5社は点数化するものとする(一部は4社)。
【国際線機内食は以下のエアラインが対象】
JAL、ANA、シンガポール航空、キャセイパシフィック航空、ユナイテッド航空、デルタ航空、ルフトハンザドイツ航空、エールフランス航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、エミレーツ航空、カタール航空、ニュージーランド航空
[航空事情に詳しい賢者4人]
航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師 鳥海高太朗さん
航空写真家 Charlie FURUSHOさん
航空ジャーナリスト・『機内食ドットコム主宰』 Rikiyaさん
トラベルジャーナリスト 橋賀秀紀さん
1位 ANA
ザ・コノシュアーズによる美食の共演
その道を極めた目利きを表わす〝コノシュアー〟。選ばれたシェフたちがANAのビジネスクラス機内食をプロデュースしている。和・洋の著名シェフ、スイーツやお酒のプロがプロデュースした心づくしの料理を味わうことができる。今期はジョエル・ロブション氏のもとで腕を磨いたレストラン リューズとのコラボレーションメニューが楽しめる。また、アラカルトメニューもスープやサンドイッチなどバラエティーに富んでいる。
料亭さながらのクオリティー。写真は会席料理の名店「乃木坂 しん」のコラボレーションメニューで、東京発のタイ、シンガポール線などで提供される。
コースの締めには世界中のスイーツファンを魅了するピエール・エルメ氏が手がけるデザートも提供される。
一風堂とのコラボによるトンコツラーメン「そらとん」もアラカルトメニューで用意。
〈鳥海’s EYE〉著名シェフとのコラボはすばらしい完成度です。専用キッチンが手がけるパンやデザートもハイレベルです。
〈Rikiya’s EYE〉アミューズや前菜もおしゃれでおいしいですし、デザートのレベルも高いですね。お酒との相性もすばらしいと思います。
2位 JAL
上空1万mのレストラン“BEDD”
宿泊施設を備えたレストラン、オーベルジュに発想を得たBEDD。現在、和食・洋食の有名店で腕を振るう10名の料理人がファーストクラス、ビジネスクラスの機内食をプロデュースしている。贅を尽くしたコースメニューはもちろん、日本発便ではラーメン、欧州発便ではオリジナル丼など、ユニークなアラカルトメニューを用意するなど、豊富なバリエーションもBEDDの魅力だ。
菊乃井で腕を磨いた林シェフ監修の和食(上)など、和洋を問わず見た目の美しさも注目に値する。
〈Charlie’s EYE〉JALの機内食は盛りつけも丁寧で、目でも味わえます。もちろん、味つけも期待を裏切ることはありませんね。
〈橋賀’s EYE〉好きなシェフの料理があるかどうかも楽しみです。あと、JALは食事を締めくくるコーヒーがおいしいです。
取材・文/村田尚之