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乗ってわかったハンズフリー走行が可能な日産「スカイライン」のプロパイロット2.0の実力

2019.10.31

とはいえ、プロパイロット2.0の最大の関心事は、自動車線変更だろう。高速道路を走っていると、周辺の交通状況により、クルマ側から「車線変更しますか」という提案が行われる。もしそれでよければ、プロパイロットスイッチの上にある車線変更ボタンを押せば、この場面ではステアリングに手を添える必要はあるものの、自動でウインカーを出し、車線変更を開始してくれるのだ。また、任意で車線変更を行いたい場合は、ステアリングに手を添えた状態でウインカーを出すと、自動車線変更を行ってくれる。ただし、後者の場合、車線変更する車線の後方にクルマがいる場合は、モニタリングによりキャンセルされる。

実際のところ、車線変更を行うとなりの車線のかなり後にクルマがいるように見えても、万全を記すためか、なかなか自動車線変更を受け付けてくれなかったのも事実。

ところで、これまでのプロパイロット、ACCで不満だったのが、例えば80km/hにセットして走っていた場合、きついカーブに入っても、80km/hのまま突進してしまうこと。ボクとしては、せっかくのアダプティブクルーズコントロール作動中、半自動運転気分なので、ブレーキは踏みたくないから、ACCの速度設定スイッチを電光石火の操作で、速度を10km/h単位で落とす・・・なんていう面倒な減速操作をしていたのである。

が、プロパイロット2.0ならそんな心配、手間はいらない。何しろ、高精度3Dマップがカーブなどを認識しているため、自動でカーブの手前から減速。カーブを出れば、スムーズに速度を復帰させてくれるというわけだ。

もっとも、高速出口のスロープなどでは、速度制限がいきなり80km/hから40km/hになったりすることもあり、その際も速度標識にしたがって減速してくれるのはいいものの、高精度3Dマップゆえ、正直に速度制限標識通り、40km/hまで急減速してくれるため、けっこうな(のけぞるような)減速Gに見舞われ、それこそ、車両後方にピタリとついているクルマがいれば、追突されかねない事態、急減速になってしまうのが、悩みどころではある。

そんなプロパイロット2.0ではあるが、長距離の高速走行を頻繁に行うドライバーにとっては、つきものの渋滞を含め、移動のストレスを最小限にしてくれる、現時点で最先端の神器と言っていいと思える。ドライバーを向いたカメラがしっかり監視しているため、睡魔に襲われたとしても安全は担保されるし(ハンズオフ運転の解除という意味で)、自動車運転の未来をかいま見せてくれる魅力、威力がある。

はっきり言って、高速道路の長距離ドライブの機会が少ないドライバーにとっては宝の持ち腐れになるかも知れないが、自動運転にさらに一歩近づいた高度な自動車先進技術&制御、日産インテリジェントモビリティーを誰よりも早く体感したいのなら、プロパイロット2.0の対価、約50万円の価値はアリかもしれない。

日産スカイライン
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline.html

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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