本や記事を紙だけではなく、ウェブブラウザや専用リーダーを使った「デジタル」上で読むことが、すっかり当たり前になった時代。スマホアプリにも続々と「無料で読めるマンガアプリ」が登場している。
スマホアプリなら通勤通学のスキマ時間でも手軽に読めて便利だが、果たして本当に無料なのか? どんなものが読めるのか? まだ使ったことがない人は、疑問が尽きないだろう。
そこで、この記事ではマンガアプリの基本的な仕組みと、マンガアプリごとにどういった種類があり、それぞれどんな強みがあるのかをご紹介する。
【参考】急増するスマホマンガユーザー、マンガアプリ&読み放題サービスの利用実態
どこまで無料で読めるの? マンガアプリの仕組み
「無料で読める」を大きなうたい文句にするマンガアプリだが、実際は全てが無料で読めるわけではないのが実情だ。
大抵のマンガアプリは「1日◯話まで無料」と、無料で読める話数に制限がかかっていることが多い。少ないもので1日1話、多いものでも1日8話程度だ。さらに、無料で読める作品とそうでない作品があり、雑誌で連載中の人気作品は、最初の数話を除いてだいたい有料のケースが多い。
有料でもお得? マンガアプリが実際の購入より有利な点
無料で読めない作品は、そのアプリ内の通貨を買ったり、広告を見て貯めたチケットを利用したりすれば読める。この仕組みは、単行本や電子書籍で買うのと同じように思えるが、マンガアプリの場合は「1巻ごと」ではなく「1話ごと」に買えるメリットがある。要は読みたい話だけピンポイントに買えるので、節約に繋がるというわけだ。
マンガアプリにはどんな種類があるの?
ひとくちにマンガアプリといっても、出版社が自社作品を配信するためのアプリや、特定の作品のみを配信するアプリ、多様なジャンルの作品を配信する総合アプリなど、それぞれ特色がある。ここからは、その違いについて解説する。
なお、アプリのDL先で「マンガアプリ」と表記されていても、実際は電子書籍サイトが、ブラウザで購入した本をアプリで読めるようにリリースした「本棚アプリ」であることも多い。この記事では、そういったアプリを除外しているが、自分で利用する際に混同しないように注意しておきたい。
連載作品も最速で読める!出版社が運営しているマンガアプリ
出版社が自ら運営している漫画アプリは、その出版社が制作・販売している作品のみを扱っているのが大きな特徴だ。扱う作品の範囲が総合系マンガアプリに比べて狭い分、連載中の作品が最速で読めたり、有名作品の続編がアプリ限定で配信されたりと、出版社アプリならではの魅力もある。お気に入りの雑誌や出版社が決まっているなら、特におすすめだ。
【参考】果たして夏休みはとれるのか?人気漫画アプリ「マンガワン」編集者の1日に密着!
マンガワン
小学館の公式アプリ。配信数は120タイトル以上。「裏サンデー」の作品は全て読める。少女漫画系から少年漫画系まで、配信ジャンルが多いのが特徴。1日で読める無料話数は8話。
ヤンジャン!
「週刊ヤングジャンプ」の公式アプリ。「週刊ヤングジャンプ」「となりのヤングジャンプ」などの連載作品や、人気連載の完結した漫画が読める。1日で読める無料話数は4話。
マガポケ
「少年マガジン」の公式アプリ。「週刊少年マガジン」「別冊少年マガジン」などから、有名作品と連載作品が読める。アプリでしか読めない限定漫画も多数配信中。
マンガUP!
スクウェア・エニックス公式アプリ。「月刊少年ガンガン」を始め、スクエニが出版している雑誌にて連載中の作品はもちろん、過去の名作からアプリ発オリジナル漫画まで楽しめる。1日で読める無料話数は8話。
マンガmee
集英社の少女漫画作品が読める公式アプリ。「りぼん」「マーガレット」「クッキー」などの雑誌から、天才作品はもちろん、過去の有名人気作品も配信。1日で読める無料話数は1話。
マンガpark
白泉社の公式アプリ。「花とゆめ」「LaLa」「メロディ」などから、有名作品やアプリ限定作品を配信している。ジャンルは男性向け、女性向けともにフォローしている。1日で読める無料話数は8話。
「コナン」や「ワンピース」を読みたい!作品に特化したマンガアプリ
「名探偵コナン」、「ワンピース」、「銀魂」、「ジョジョの奇妙な冒険」、など、特定の作品に特化したアプリも存在する。無料で読める漫画配信だけでなく、アニメ配信やグッズ購入、アプリ会員になることでゲットできる特典などがある。もし好きな作品に特化したアプリがあるなら、一度インストールして中身を確認してみよう。
様々なジャンルの作品が楽しめる! 総合系マンガアプリ
主に出版社以外が運営しているマンガアプリは、出版社系のアプリと違って、制作している会社の枠にとらわれていないのが特徴だ。小学館、集英社、講談社などの大手出版社に加え、専用のマンガアプリを作っていない出版社の作品や、ゲームアプリなどで配信されているオリジナル作品もカバーしている。
人気作品の最新話はすぐに読めないといったデメリットもあるが、出版社を超えて様々なジャンルを広く読みたい人におすすめだ。
マンガBANG!
少年漫画、少女漫画、青年漫画など幅広いジャンルをフォロー。「るろうに剣心」などの有名作品や、最近流行りの転生モノまで配信している。1日で読める無料話数は8話。
マンガZERO
こちらも多種多様なジャンルを扱う総合アプリ。マンガZERO限定オリジナルマンガも連載している。1日で読める無料話数は8話。
マンガ図書館Z
絶版した古いコミックを中心に扱う「マンガ図書館Z」のアプリ版。そのほかに、アプリでしか読めない同人作品なども配信している。1ページにつき1ハートを消耗し、毎日100ハートまで無料で読める。
まんがRenta!
「Renta!」のアプリ版。アプリ内からサイトにアクセスして、本をレンタルできる。基本的に無料では読めないが「48時間レンタル」で安く楽しめ、配信作品数が多いのが特徴。
いつも使っているサービスと連動したマンガアプリも便利!
LINEアプリを使っている人や、アマゾンプライム会員の人なら便利に使える「連動系」のマンガアプリも存在する。
LINEマンガ
利用にはLINEアカウントが必須となる、総合系マンガアプリ。週刊少年ジャンプなどの人気連載漫画や、2000タイトル以上の話題作を無料で読める。
Kindle
Amazonで買ったKindle本を読める電子書籍リーダーのアプリ版。アマゾンプライム会員なら、プライム会員読み放題対象の本を直接アプリからダウンロードできる。
コミックシーモアなどの電子書籍サイトとマンガアプリの違いは?
マンガアプリが登場するまでは、デジタルで読むマンガといえば、コミックシーモアなどのウェブブラウザで読む電子書籍サイトが主流だった。これらのサイトとマンガアプリの大きな違いは、オフライン環境で読めるか、読めないかだ。
電子書籍サイトは読むたびに通信量がかからなかったり、ネットがつながらない環境でも読めたりというメリットがある。ただし、マンガアプリのような「1日◯話まで無料」というサービスは少なく、有料での利用が基本となっている。
なお、スマホから手軽に使える電子書籍サイトには、月額で読み放題のコースを提供している「コミックシーモア」。購入するかレンタルするかを選べる「Renta!」。ポイント還元セールが多い「DMM電子書籍」などがある。
無料アプリも有料アプリかは読み手の利用スタイル次第
マンガアプリは無料で読めるものとそうでないものがあり、全てをタダで楽しむことはできない。しかし「ちょっとした、スキマ時間になにか読みたい」「買うにしても、まずはお試しでちょっと読みたい」という人にはピッタリのサービスだ。
興味を持ったらこの記事を参考に、まずは自分の好みに合いそうなマンガアプリをインストールして、配信作品をチェックしてみよう!
取材・文/ねこリセット