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15年以上同じポジションにいる管理職が存在する会社には就職しないほうがいい理由

2019.10.18

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、15年以上にわたり、同一のポジションの管理職が多数いる会社について、私の考えを述べたい。この場合の「同一のポジション」とは、例えば、営業本部長や営業第一課長、あるいはセールスプロモーション本部長や第一編集部長などを意味する。つまり、課長や部長、本部長といった役職(職位)ではなく、さらに踏み込んだポジションを指す。

 中堅企業(正社員約500人以上)、大企業(正社員約1000人)では、通常、同一のポジションに15年以上就く管理職は相当に少ない。これが、健全な姿なのだと私は思う。毎年、新卒採用を計画的に行い、着実に確実に堅実に育成をしてきたのならば、同一のポジションに15年以上も居座る管理職は極めてごく少数になる。本来は、毎年の定期配置転換や人事異動、出向や転籍があれば、通常は5年以内、長くとも10年以内に大多数の管理職が現在のポジションを離れるはずなのだ。

 ところが、中小企業(正社員約300人以下)では、私が取材を通じて観察していると、同一のポジションに15年以上居座る管理職が非常に目立つ。10社のうち、約半数で見かける。私が仕事をする出版社、編集プロダクション、新聞社などでも頻繁にみる。例えば、役員が編集部長を20年以上兼務している場合すらある。

結論からいえば、新卒(主に専門学校、大学、大学院)の時点で、このような会社に就職するのは避けたほうがいい。入社3年以内に深い後悔をして、失意の退職をする可能性が極めて高いと思う。このレベルの会社に数年在籍したところで、転職試験でその経験を高く売ることは相当に難しい。その意味でも、新卒時の就職は控えることを勧めたい。今回は、15年以上にわたり、同一のポジションの管理職が多数いる会社の危うさを紹介したい。

採用、定着、育成の仕組みがほとんど機能していない

 採用、定着、育成の3本柱がきちんと立っていないと、人の育成はまずできない。社長、役員はこれらの柱を立てる発想や意識に乏しい。毎年、新卒採用は行っておらず、中途採用が主流だが、数年で辞めていく人が多く、その穴埋めをするための採用でしかない。人材育成において中長期の展望がまるでなく、場当たり的であり、「雇っては、辞める」の繰り返しだ。

 組織は疲弊し、まったりとして、覇気のない雰囲気が漂う。20代で意識や基礎学力の高い社員は次々と辞めて、転職ができないような人が残る。こういう風土や体質が、隅々まで浸透している。管理職や役員のマネジメント力は中堅、大企業のそれらに比べて、10ランク以上は低い、と私はみている。管理職は部下を育成し、自分の代わりになる人材や後継者をつくろうとする意識や経験、技能を持ち合わせていない。社長や役員のレベルが著しく低いのだから、止むを得ないだろう。結果として、同一のポジションに15年以上も居座る管理職が多数現れる。このことを問題視する社員の多くが辞めていく。

仕事を隅々まで丁寧に教える上司がいない

 社長以下、役員、管理職が部下育成に真剣に取り組むことなく、事実上、仕事を丸投げしているかのようだ。私がフリーになった15年間に仕事で接した、このような会社の20代の担当者のほとんどが、役員並みの権限を持ち、仕事をしている。言動も大胆だ。私がみてきた限りでいえば、時に反社会的な勢力の一員のような物言いになる場合もある。中堅企業や大企業では、まず見かけないタイプだ。

 仕事について自信満々に語るが、深い会話はできない。PDCAサイクルを回すことを特に苦手としているために、常に「自分が正しい」の一点張りとなりがちだ。自信のなさの表れに私には見えることが多い。おそらく、仕事を隅々まで丁寧に教える上司がいないのだと思う。

 若くして1人で仕事をする習慣が完全に身に着いているので、人とコンセンサスを積み重ね、前に進めることができない。「こだわり」を持つのはよいのだが、経験が浅く、経験から学ぶ学習力が必ずしも高くないために、現実離れしたものやめちゃくちゃな進め方をするケースが少なくない。本来、上司がそのことを指摘し、育成するべきなのだが、それは難しいようだ。

 新卒時の就職活動でも、中途採用の転職活動でも、同一のポジションに15年以上いる管理職をネット上の例えば、フェイスブックなどを使い、調べてみよう。そのような人が目立つ場合、エントリーするのは絶対に避けたほうがいい、と私は強く言いたい。後々、「こんな会社に入るんじゃなかった」と悔いる姿が強烈に浮かぶ。あなたに損をしてほしくないから、辛辣な見方かもしれないが、あえて書いてみた。

文/吉田典史

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